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京大上海センターニュースレター
第30号 2004年11月9日
京都大学経済学研究科上海センター

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目次
○ 11/13・14自動車シンポジウムのご案内
○ 11/18上海センター・セミナーのご案内
○ 中国・上海情報 11.1-11.7
○ 復旦大学で日米中三極シンポジウム開催
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以前からお知らせの京都大学上海センター主催のシンポジウムです。しばらくお知らせ
をさせていただきます。

11月13日・14日上海センター主催講演会・研究会
中国の自動車産業―その過去・現在・将来を探る―のご案内

講 演 会
日 時●11月13日(土)午後2時〜6時
場 所●京都大学法経総合研究棟大会議室
挨 拶●金田章裕 京都大学副学長・理事
司 会●本山美彦 京都大学大学院経済学研究科教授
講演1●丸川知雄 東京大学社会科学研究所助教授  中国式自動車製造法:日本との対比
講演2●嶋原信治 元トヨタ自動車中国事務所首席総代表 トヨタ自動車の進出過程
講演3●塩地 洋 京都大学大学院経済学研究科教授 中国における自動車流通
    ●懇親会

研 究 会
日 時○11月14日(日)午前9時30分〜午後5時
場 所○京都大学法経総合研究棟大会議室
報 告1○高山勇一 現代文化研究所中国研究室室長  自動車産業政策
報 告2○孫 飛舟 大阪商業大学総合経営学部助教授  3S・4S店と自動車交易市場について
報 告3○山口安彦 元本田技研工業中国業務室主幹  中国自動車企業の自主開発能力
報 告4○大原盛樹 アジア経済研究所研究員       オートバイ産業の競争環境
報 告5○上山邦雄 城西大学経済学部教授        日系メーカーの対中国戦略
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上海センター セミナーのご案内

「メコン開発をめぐる東アジアの域内協力-メコン河委員会の活動を中心に-」
日時 2004年11月18日(木) 午前10時30分〜12時
場所 京都大学吉田キャンパス 法経総合研究棟2階大会議室
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/loc/campus-map.html
講師 (社)海外農業開発コンサルタンツ協会 専務理事 的場泰信氏
的場氏は、1995〜99年、メコン河委員会(旧メコン委員会を母体に発足)の初代事務局長
として活躍されました。参加を希望される方は「11月18日(木)の上海センターセミ
ナーに出席します」と明記いただきご氏名・ご所属をメールもしくはFAXにて11月15日
(月)までにご連絡ください。
宛先は京都大学大学院経済学研究科上海センター北野宛です。
E-mail: kitano@econ.kyoto-u.ac.jp FAX: 075-753-3492
(文責 副センター長 北野)
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中国・上海ニュース 11.1−11.7
ヘッドライン
■ 中国:2004年GDP成長率9.3%と予測
■ 国家統計局長:行政主導のマクロ調整・コントロール効果を強調
■ 中国:エネルギー消費量世界2位、石炭の利用効率向上が急務
■ 中国:2005年の石炭輸出割当量、8千万トン
■ イランと中国:石油・天然ガス交易協定
■ 中国:国内供給優先、来年の原油輸出量大幅削減
■ 自動車:1−9月期乗用車生産台数176万台、輸入台数8.8万台
■ 広西:第1回「中国−ASEAN博覧会」開催
■ 上海:離婚者数が3割増
■ 中国TCLと東芝:白物家電の製造と販売で合弁
■ 花王:上海に新会社設立、中国市場向け商品開発を強化
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               復旦大学で日米中三極シンポジウム開催

(1)関西経済同友会が中心となり、11月5日(金)復旦大学において復旦大学経済学院、ハーバ
ード大学ケネディ・スクール、京都大学経済学研究科上海センターが参加して、日米中三極シン
ポジウムが開催された。「アジア新時代における中国、米国、日本の役割」という大テーマの下
で、経済問題「中国経済の高度成長のアジア新時代への影響」と安全保障問題「アジア新時代、
アジア・世界安定のための安全保障における日米中の役割」について議論がなされた。
 関西経済同友会からは奥田務代表幹事(大丸会長)、松下正幸代表幹事(松下電器産業副会
長)、萩尾千里事務局長など、ハーバード大学からはアンソニー・セイチ教授、アシュレー・ブラウ
ン教授ら、復旦大学からは袁志剛経済学院院長、李維森同副院長、華民世界経済研究所所長
など、京都大学から村瀬哲司留学生センター教授が問題提起、コメントを行い、100名を越す実
務家、研究者、学生が活発に討論を行った。米国大統領選挙の直後という時期をとらえて、松下
代表幹事が「ハーバード大学の皆さんはケリー候補支持者が多いようだが、私はブッシュ大統領
の再選を喜んでいる。もしケリー氏が大統領だったら、ここにいるハーバード大学の皆さんの多く
は政権入りして、来年はお目にかかれないだろうから」と笑わせ、会場の雰囲気を和ませた。

(2)経済問題では、冒頭に華民教授が西暦400年頃(三国時代、東西ローマ帝国)から1200年頃
(宋、十字軍の時代)までは中国のGDPが西欧を上回っていたが、その後逆転したことを示すグ
ラフを見せて会場を驚かせ、中国の高成長は世界の脅威ではなく福音であることを力説した。セ
イチ教授は、中国は金融問題を解決すれば、8%以上の高度成長を長期的に維持できると述べ
注目された。村瀬教授は、東アジアの金融協力の現状と展望そして日中韓の役割に触れ、米国
は足を引っ張らないでほしいとの注文をつけた。安全保障問題では、岡野幸義常任幹事(ダイキ
ン工業社長)が関西経済同友会は過去29年間この問題に取組んでいることに触れつつ、「9.11以
降の世界の安全保障体制と日米中の役割―イラク戦争・北朝鮮問題を中心として」と題して問題
提起を行った。李維森教授は台湾海峡問題について、台湾の「表面言和、漸進台独、去中国化
(pretend ready for negotiations, incrementally push for independence and de-Chinalization)」方
針に対し、中国本土は「争取和、准備打、不怕?(strive for peaceful solution, prepare for a
military action, no afraid of dilatory tactics)」で対応しており、辛抱が大切と強調した。奥田代表
幹事は、北朝鮮問題をめぐる6カ国協議開催の労に対し、中国側に心から感謝の意を表明した。

(3)関西経済同友会は1993年以来今年まで11回にわたり、毎年ボストンでハーバード大学ケネ
ディ・スクールとシンポジウムを開催してきた。また中国とは、天安門事件の直後から関西上海
経済会議を大阪と上海交互に開催、今年で9回目を数えるとともに、上海市の中堅幹部をWTO
加盟、IT分野、万国博などの分野での研修を目的として大阪に受け入れてきた。このような二国
間の対話の積みかさねを背景に、中国をアジアでどう位置づけるか米国を引き込んで議論しよう
との目的で、日米中3大学のシンポジウムが初めて実現したものである。今後もこの貴重な試み
が継続され、定着することが期待される。
                                                  (村瀬 哲司)
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