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京大上海センターニュースレター
第41号 2005年1月24日
京都大学経済学研究科上海センター

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目次
○ 上海センター特別セミナーのご案内
○ 上海センター・エレクトロニクス産業シンポジウムのご案内
○ 中国・上海情報 1.17-1.23
○ 浙江省3都市視察ツアーのご案内
○ 「股割れズボン」と「ごろごろ」の文化摩擦
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日韓・朝鮮問題関連上海センター特別セミナーのご案内
T 「今日の東北アジアと朝鮮半島経済」のご案内
 日韓条約締結40周年の今日、日本では韓国・北朝鮮についての関心は高まっており、情報
は量的には増えていますが、質的にはまだまで一面的な議論が多いようです。そこで、お二人
の専門家をお招きし、現在の東北アジアにおける朝鮮半島経済に関する包括的な問題につい
て、研究成果をお聞かせ願いたいと思います。是非御来聴ください。
報告者 
 深川由起子教授(東京大学)「日韓FTAと東アジア経済統合」
 安秉直教授(福井県立大学)「破綻した北朝鮮経済改革の営繕−7.1経済管理改善措置−」
日時 2月10日(木)午後2:00- 
会場 経済学研究科総合研究棟 8階リフレッシュル−ム
参加を希望される方は、堀(hori@econ.kyoto-u.ac.jpあるいはFAX:075-753-3499)までご一
報ください。

U 「応用一般均衡モデルによる日中韓FTAの効果分析」のご案内
 上記セミナーで扱われる日韓の自由貿易協定の是非はその産業別の効果分析の結果に
よっても左右されるものです。そのため、上海センターでは、ちょうど京都大学の国際数量分
析研究室に滞在中の韓国人学者である高鍾煥副教授にお願いをして、表記テーマの研究報
告をしていただくことになりました。数千本の巨大なモデルを個人としてくみ上げた貴重な研究
成果です。合わせ、ご来聴いただければ幸いです。
報告者 
 高鍾煥副教授(韓国国立釜慶大学校)
日時 2月14日(月)午後2:00-5:00 
会場 時計台記念館会議室W
参加を希望される方は、大西(ohnishi@econ.kyoto-u.ac.jpあるいはFAX:075-753-3492)までご
一報ください。
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上海センター・エレクトロニクス産業シンポジウムのご案内
[T] 2月19日(土)14:00-18:00 講演会(一般向) 終了後懇親会開催
[U] 2月20日(日) 9:30-17:00 研究会(学術志向)
会場: 京大経済学研究科2階大会議室 京阪出町柳或は市バス百万遍・東一条下車
報告予定者 安室憲一(兵庫県立大学経営学部教授)
天野倫文(法政大学経営学部助教授)
欧陽桃花(中国人民大学商学部助教授)
椙山泰生(京都大学経済学研究科助教授)
その他、関連企業と交渉中
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中国・上海ニュース 1.17−1.23
ヘッドライン
■ 中国:株取引印紙税半減、税率0.1%に引き下げ
■ 35都市不動産価格:昨年第4四半期10.8%上昇
■ 中国:鄭州−西安線、初の旅客専用鉄道が着工
■ 国内自動車販売低迷:2004年取次業者の17%が廃業
■ 第一汽車:昨年独自ブランド輸出台数1万台突破
■ 中国:ネットユーザー最多は広東、東西情報格差が拡大
■ 中国企業:日韓の熟練家電技術者を続々と招聘
■ 中国:2004年携帯電話輸出66%増
■ 広東省:外資導入額が全国トップ、100億ドル突破
■ 北京:マイカー保有台数130万、11人に1台
■ 上海:小規模地震回数増加 海面上昇も深刻
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                 浙江省3都市視察ツアーのご案内
 
 幾人かの上海センター協力会会員・理事が参加している「日中友好経済懇話会」という経済
団体があり、これまでも経済調査の協力を得ていますが、このたび浙江省の3都市(杭州、紹
興、寧波)の調査旅行を計画しています。日程などは以下のとおりで、特に今急成長している、
その3都市の開発区、進出企業を一緒に訪問されませんか。ちなみに協力会副会長の大森經
徳氏は紹興市の経済顧問で、その関係で当市には歓迎会をセットいただけることとなっていま
す。また、協力会参加企業も2社訪問いたします。
ご希望の方は、大西(ohnishi@econ.kyoto-u.ac.jpないしfax:075-753-3492)まで2月中旬までに
ご連絡ください。

日程 2005年3月24-29日 5泊6日
参加費 180,000円前後(四つ星級以上のホテルを予定)
訪問先
3月24日(木) 関空からANA便で杭州へ 到着後直接紹興へ 開発区および協力会会員企業
          漬新さんを訪問、開発区からの歓迎会 紹興泊
3月25日(金) 紹興市内の酒造工場見学、魯迅博物館、蘭亭など訪問。紹興泊
3月26日(土) 寧波市へ移動 木下電子提携工場および開発区を訪問
3月27日(日) 寧波の港湾施設見学と天童寺、阿育王寺訪問 午後移動で杭州へ。杭州泊
3月28日(月) トーセ株式会社=京都商工会議所杭州事務所および淅江大学、さらに西湖、岳
          廟、浄慈寺見学 杭州泊
3月29日(火) 開発区訪問 ANA便で帰国
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               「股割れズボン」と「ごろごろ」の文化摩擦
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 こちらに来た当初、気になったことがある。それは、妻の実家では子供のオシッコやウンチ
を家の床にさせていることだ。新聞紙などもひかずにそのまま。もちろん後でモップや雑巾で
掃除するのだが、どうも非衛生的な気がしたのだ。日本と違って、中国では室内でも履物を履
いて過ごすというような表面的な風習の違いではなく、もっと根本的な床についての観念が違
うんじゃないか。そう思って辞書で調べてみた。すると、外の地面は「地」、建物の床も「地」、
寝る台が「床」だった。寝る台はつまりベッドのこと。日本ではベッドは近代以降に入ったもの
だから外来語しかないのだろう。「寝台」という言葉はあるけれど、「寝台車」くらいにしか使わ
ないし。それなら漢語にも「??」という語があって、その語はやはり「???」くらいにしか使われな
い。だから「寝台」と「??」はイコールと考えていいみたい。さて、「地」と「床」に話を戻すと、外
の地面については「地」で同じだけれど、室内に関しては漢語と日本語で一段ずれていること
がわかる。だから、建物の床は外の地面と同じものという観念なのだろう。

 さてここで、「股割れズボン」(「???」)の登場だ。なぜ床に排泄するかと言えば、中国の小さ
な子はたいてい股の部分が開いたズボンを穿いていて、脱がずにそのまま用を足せるから
だ。ある意味これは大変便利なものだ。うちの子も、寒い季節は下にオムツをするけれど、
夏場はお尻まる出しだ。これまでも、路上でそういう子を見かけたし、ちょうど用を足している
場面にも何度か出くわした。特に女の子のときは目のやり場に困ったなあ。しかしながら、こ
れまでの目撃は戸外だけで、家の中でどうしているかまでは知らなかった。我が家の例を含
め身近な人達への聞き取りだけなので、もちろん一般化はできないけれど、外の地面は家
の中にまで延長されて、「股割れズボン」の効用も屋内外両方で通じるもののようだ。

 ところで、僕はごろごろするのが大好きだ。床の上に寝転んで、テレビを視たり何か読んだ
りぼうっとしたりする。北京に来てからは、居間に小さな敷物を敷き、その上でごろごろしてい
る。すると妻は、「そんなところでごろごろしないで、ベッド(漢語での「床」)に行きなさい」と言
う。だけどベッドの上じゃ感じが出ないんだよな。自分にとってあそこは眠る場所で、ごろごろ
する場所じゃない。辞書で「ごろごろ」の漢語訳を探すと、「醒着?在床上」という例文しか出て
こない。やっぱりごろごろはベッドの上でするものなのか。
 試しに人に聞いてみると、敷物の上であっても床(漢語での「地」)でごろごろする人はいな
かった。「北の地方の田舎ではオンドル(「?」)の上で皆ごろごろします。」と言う人はいた。
でも、あれも床とは段差があるし、ごろごろする際に暖房が不可欠というわけでもないし。ま
あ今のところは、自分の小さな敷物を「ごろごろ」の縄張りとして確保し、子供が「股割れズ
ボン」の割れ目から出すモノとは棲み分けて、両者の衝突を回避している次第だ。
 最近では、中国的な床(漢語での「地」)の感覚にも慣れてきて、子供の排泄も気にならな
くなった。オムツをしないほうが赤ちゃんのお尻の肌に良いとの説も聞くし。ともかく子供が
元気に育ってくれるのが一番だ。モンゴルでは、子供が悪魔に目を付けられないように、
わざとおかしな名前を付けることがある。例えば「バース(うんち)」とか。うちの子は宇帆
(ウハン:モンゴル語で「賢さ」の意)という良い意味の名前なのだけれど、別の意味でも
良かったと思う。それで、子供が床にやっちゃったときにはこんな風に歌っている。
「♪ウー君のウーはうんちのウー♪」。
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