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京大上海センターニュースレター
第45号 2005年2月22日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○河上肇記念シンポジウムと講演会のご案内
○中国・上海情報 2.14-2.20
○上海センターブラウン・バッグ・ランチのご報告
○上海センター講演会のご報告
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京都大学大学院経済学研究科・経済学部/京都大学上海センター/京都大学21世紀COE
プログラム「先端経済分析のインターフェース」共催 
河上肇記念シンポジウムと講演会のご案内
第T部 記念シンポジウム「中国と日本の政治経済学−河上肇と中国、その後−」
 2005年3月16日(水) 午後2時から5時
 京都大学時計台記念館百周年記念ホール
パネル
三田 剛史(経済思想史研究者、『甦る河上肇−近代中国の知の源泉』藤原書店著者)
張 小金 (政治経済学、アモイ大学教授)
大西 広 (社会統計学、京都大学経済学研究科)
本山 美彦(国際経済論、京都大学経済学研究科) 
八木紀一郎(経済学史、京都大学経済学研究科)
山本 裕美(中国経済論、京都大学経済学研究科)

第U部 公開講演会「河上肇と比較経済思想」
 同日 午後6時15分から8時 京都大学時計台記念館百周年記念ホール
中野 一新(京都大学名誉教授・河上肇記念会代表世話人) 
    「あいさつ:河上肇と京都大学」
住谷 一彦(立教大学名誉教授・東京河上会代表)
    「河上肇と比較経済思想:河上肇におけるヴェーバー的問題」 
住谷氏紹介 
 1925年京都市に生まれる。立教大学名誉教授。マルクス、ヴェーバーを基礎にして、資本
主義を比較思想的に考察するとともに、日本の宗教観念・経済思想についても探求し、『共同
体の史的構造論』、『リストとヴェーバー』、『河上肇の思想』、『日本の意識』など、多数の著書
がある。
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中国・上海ニュース 2.14−2.20
ヘッドライン
■ 中国:春節消費1600億元、前年比16%増
■ 中国:旧正月連休、国内観光客数6900万人
■ 遼寧省:炭鉱爆発212人死亡
■ 中国商業部報告:「外資直接投資多いが脅威ではない」
■ 中国:土地取引価格10.1%上昇
■ 中国:2005年に電話加入者数7.5億へ
■ 北京:春節の観光収入18億元
■ 台湾:大陸の銀行事務所設立を許可へ
■ 天津:1月の対外貿易50%増
■ 上海:大晦日の携帯電話SMサービスで1000万元の経済効果
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             上海センターブラウン・バッグ・ランチのご報告

 2005年12月16日(木)12:00〜13:30に京都大学法経総合研究棟2階大会議室にて外務省国
際情報統括官組織第三国際情報官垂秀夫氏(法学部、ラグビー部OB)によるブラウン・バッグ
・ランチがあり、「いま、アジアで起きていること・・・僕の対アジア外交」が発表されました。上海
センターとしてはじめての試みとしてのブラウン・バッグ・ランチでした。ブラウン・バッグ・ランチ
(Brown Bag Lunch)は、略称BBL、お弁当など昼食持込自由のセミナーの事です。第1回目の
この機会にご報告いただいた垂氏は本学法学部OBで、ラグビー部OBでもあります。北京、香
港、台北、朝鮮半島担当部署で勤務された経験をたどりながら、中国、香港、台湾の現状、日
中関係、台湾海峡問題について紹介いただくとともに、20年後の東アジアは、経済だけでなく
文化、スポーツなど様々な分野で交流が盛んになっているであろうこと、日本にとって、多様な
価値を受容し、アジア、世界と共存できるかが今後の大きな課題であることを論じていただき
ました。
 上海センターとしては、4月以降も引き続いてBBLを開催していきたいと考えています。ご来
訪をお待ちしています。                              (文責:北野 尚宏)
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                   上海センター講演会のご報告

 2005年1月24日(月)14:00〜16:00に京都大学時計台記念館国際交流ホールで日中経済貿
易センター名誉会長木村一三氏による講演会「最近の中国事情と今後の日・米・中関係にお
ける日本の積極的役割について」が開催されました。
 木村氏は、1917年兵庫県生まれ、今年88歳、1954年に故高碕達之助氏の紹介で日中貿易
に参画され、日中国交正常化にも民間人として尽力されました。日中交流の最古参として故
周恩来首相から胡錦濤総書記にいたるまで、中国側有力者と親密な友人関係をもたれてい
ます。「親米自立、親中自立こそ日本の道」の信念のもと、1990年代に台湾海峡に緊張が走
った際には当時の江沢民主席に対しても日中関係の新しい指導理念について直接提言され
ています。

 講演会では、高碕氏の思い出から説き起こされ、中国が様々な波乱を乗り切って、今世紀
終わりには世界屈指の経済大国になるだろうという見方を示されました。さらに、中国が今世
紀、軍事力による覇道を歩むか、文化経済を主体とした王道を歩むか、この10年が勝負であ
ること、中国の繁栄は日本の繁栄につながり、日本は、アジアで戦争をさせない平和の世紀
を実現するためにも、中国としっかり手を組んで、東アジア共同市場・共同通貨圏の創設に
取り組むべき、そのためには両国各界のトップが50年、100年後の日中がどうあるべきかト
ップ会談を行い、出来るところから手がけていくというアプローチが重要であることを力説さ
れました。また、中国人との付き合いについて、率直さと謙虚さが要であることを教えていた
だきました。
 100名の聴衆の前にした、お年を感じさせない熱のこもった講演に、小生もたいへん感銘
するとともに、今後の日中関係を考える上で様々なヒントをいただきました。多数参加してい
た中国からの留学生の間でも講演はたいへん好評であったとのことです。
                                            (文責:北野 尚宏)
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