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京大上海センターニュースレター
第110号 2006年5月24日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○シンポジウム「中国東北振興と日本海両岸交流」のご案内
○ 中国・上海ニュース 5.15-5.21
○ 上海センター運営委員就任のご挨拶
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京都大学上海センター・シンポジウム
「中国東北振興と日本海両岸交流」のご案内
中国経済は今年1−3月期も10%を超える経済成長を果たし、この流れは沿海部のみならず、中国東北の内陸地方にも広まりつつある。問題はこの経済発展をいかに我々日本や関西経済に結びつけるかであるが、@中露関係の改善・発展はこの中国東北部からロシア経由で日本と繋がる可能性を広め、さらにA中国吉林省企業による羅津港経由の物流の可能性も開けつつある。この可能性を見極め、現実に活用するために以下のような四名の報告者を立て、集中的な議論を行う。
開催日時 2006年7月3日(月)2:00-17:00 時計台記念館2F国際交流ホール
主 催 京都大学経済学研究科上海センター
共 催 舞鶴港振興会、京都大学上海センター協力会
後 援 北東アジア・アカデミック・フォーラム
あいさつ 森棟公夫 京都大学経済学研究科長
麻生 純 京都府副知事(舞鶴港振興会を代表して)
コーディネーター 山本裕美 京都大学経済学研究科上海センター長
報告者 1)金 振吉 中国延辺自治州州長
2)小河内敏朗 元在瀋陽日本国総領事
3)伊達俊行 舞鶴港振興会常務理事
4)小島正憲 小島衣料株式会社社長
(報告者は変更になる可能性があります。また、シンポの後、経済学研究科大会議室で懇親会を予定しています)
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中国・上海ニュース 5.15−5.21
ヘッドライン
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中国:石油製品再び値上げ、1トン当たり500元
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中国国務院:6項目の住宅価格抑制策を発表
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中国:4月の工業増加値16.6%
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中国:離婚率3年連続増加
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山西:炭鉱事故再発、行方不明者57人
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乗用車:上海GM、4万台で4月販売台数トップ、奇瑞汽車、初の3万台突破
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自動車:広州トヨタ「カムリ」5タイプ生産開始
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上海:初の外資系食品安全センター、大塚食品が設立
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上海:ドイツ側がリニア核心技術を保持、一般技術を中国側に譲渡
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長江デルタ:第1四半期地域住民収入14.4%増、紹興が最高、上海が5位
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ニュース補足:「中国:外資系企業の事務所、会社登録が不要に」続報
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経済学研究科附属プロジェクトセンター・上海センター運営委員就任のご挨拶
京都大学経済学研究科助教授 宮崎 卓
去る5月1日付で経済学研究科附属プロジェクトセンターの任期付助教授(2年)を拝命いたしました宮アと申します。昨年までこちらにいらした北野尚宏先生同様、国際協力銀行(JBIC)から参っております。
私は91年に東京大学教養学部教養学科アジア分科卒業後、ODA円借款を扱う海外経済協力基金(OECF。現JBIC)に就職、2年間南アジア(バングラデシュ・スリランカ)向けの農業分野の円借款プロジェクト管理を担当した後、93年から95年にかけて上記基金の派遣により北京大学にて中国語と経済学を履修いたしました。
その後95年にはアジア開発銀行に出向、農業セクター担当部署にてプログラム型融資を担当、カンボジア及びパキスタンに赴き、関係者と政策対話を行っております。なお右出向時の成果を著書(共著。「アジア型開発の課題と展望―アジア開発銀行30年の経験と教訓」名古屋大学出版会, 1997。毎日新聞社第10回アジア太平洋特別賞)に反映することができました。
帰国後、95年から97年まで国際協力事業団(現国際協力機構:JICA)に出向、東アジア担当として特に中国向けの技術協力、無償資金協力の統括、更には円借款との連携等の実務を担当いたしました。
99年から2002年まで3年間JBIC北京事務所に駐在、プロジェクト担当グループのリーダーとして、中国人スタッフの協力を得つつ、道路、電力、水利といった多くの実施中案件の実施に関し最前線に立って監理を行いました。数多くのプロジェクトサイトに赴き、中国側関係者との協議を重ね、問題を解決する経験を得られたのは非常に有意義であったと考えております。
その後2004年よりこちらに赴任するまでの期間は、JBIC東京本店にて中国向け新規要請案件の採択までの業務を担当。全対象事業の総括として、中国向け経済協力について、政治的な「逆風」の吹きすさぶ中ではありましたが、中国中央政府や地方政府の関係者と、政策面・実務面の両方に渡り交渉を重ね、審査結果を纏め上げる業務を担当いたしました。
以上のとおり、中国を中心とする東アジアの経済協力の実務ひとすじという経歴で、不勉強な点も多々あるかと思われますが、今までに培った実務上の経験を本センターの運営等々のお役に立てることができればと考えております。皆様におかれましては今後も何とぞ御叱咤と御勉励を賜りたく、何卒宜しくお願いいたします。