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京大上海センターニュースレター
112号 200667
京都大学経済学研究科上海センター

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目次

○国際セミナー「中国の産学連携について」の御案内

○シンポジウム「中国東北振興と日本海両岸交流」の御案内

   中国・上海ニュース 5.29-6.4

○上海ワークショップ「経済発展過程におけるガバナンス問題」のご報告

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京都大学上海センター・国際セミナー

「中国の産学連携について」の御案内

中国の大学は「校弁企業」という大学発の多数のベンチャー企業を育成しており、これらの企業の中には既に株式市場に上場を果たしている企業も出現している。今回のセミナーでは中国の産学連携の動向及び復旦大学発の企業として全国的に著名な上海復旦復華科技股份有限公司について報告する。

日時 2006621日(水)14001700

場所 経済学研究科総合研究棟2F大会議室

コーディネーター 山本裕美 京都大学上海センター長

報告者 胡建績  復旦大学管理学院教授

王可炯  上海復旦復華科技股份有限公司総経理

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京都大学上海センター・シンポジウム

「中国東北振興と日本海両岸交流」の御案内

 中国経済は今年13月期も10%を超える経済成長を果たし、この流れは沿海部のみならず、中国東北の内陸地方にも広まりつつある。問題はこの経済発展をいかに我々日本や関西経済に結びつけるかであるが、@中露関係の改善・発展はこの中国東北部からロシア経由で日本と繋がる可能性を広め、さらにA中国吉林省企業による羅津港経由の物流の可能性も開けつつある。この可能性を見極め、現実に活用するために以下のような四名の報告者を立て、集中的な議論を行う。

開催日時 200673()14:00-17:00 会場 時計台記念館2F国際交流ホール

主  催 京都大学経済学研究科上海センター

共  催 舞鶴港振興会、京都大学上海センター協力会

後  援 北東アジア・アカデミック・フォーラム

あいさつ 森棟公夫 京都大学経済学研究科長

     麻生 純 京都府副知事(舞鶴港振興会を代表して

コーディネーター 山本裕美 京都大学経済学研究科上海センター長

報告者 1)金 振吉  中国延辺自治州州長

2)小河内敏朗 元在瀋陽日本国総領事

3)伊達俊行   舞鶴港振興会常務理事

4)小島正憲    小島衣料株式会社社長

(報告者は変更になる可能性があります。シンポ直後には経済学研究科大会議室で懇親会を予定しています。また、シンポ直前13:00-13:45には同大会議室で上海センター協力会総会を予定しています。協力会会員の参加を是非お願いいたします)

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中国・上海ニュース .29−6.4

ヘッドライン

           香港:中国銀行株上場、資金調達額で今年の世界最大

           国際:中国とアラブ諸国、「石油協力会議」開催で合意  

     中国:2005年航空輸送実績、ドイツ抜き世界2位に

     中国:軍用輸送機墜落事故を即公表、40人死亡

     中国:ソフトウェア生産高は年平均30%増

     中国:10年間ロシアから最大で300万キロワット電力を購入する予定

     天津:エアバス、航空機組み立て工場を建設

     自動車:現代自動車、中国でハイブリッド車生産

     浙江:世界最長の海上橋、杭州湾大橋が65%完成

     雲南:ミャンマーと結ぶ国際鉄道を建設へ 

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上海ワークショップ「経済発展過程におけるガバナンス問題」のご報告

 

本年(2006年)221-23日、中国上海の復旦大学の協力を得て、国際学術ワークショップを同大学の日本研究中心で開催した。これは、現在国内的にも国際的にも激しい変化にさらされている東アジアを現実的な接点として様々な研究分野を結びつけるとともに、大学院教育の国際化・高度化をはかることをねらいとしたものであった。

全体のテーマを「経済発展過程におけるガバナンス問題」として設定し、制度・組織、国際経済、企業改革、環境の分野からそれぞれのセッションをガイドする教員を派遣するとともに、また研究が完成しつつある大学院生のなかから参加者を募集し、審査のうえ7人を選定して参加させた。

中国の側では、復旦大学日本研究中心所長勇明教授をはじめとして復旦大学の7人の教員研究者がガイド報告者、討論者、司会者として参加し、さらに鄭励志日本研究中心名誉理事長を含む13人の教員がゲスト参加した。中国側の大学院生が少なかったのが残念だったが、4人の報告者を含む10人以上の大学院生が参加した。報告ペーパーは、英語によるサマリー、中国語・日本語の翻訳を準備したうえで、通訳をおいて日本語および中国語でおこなった。

研究報告の分野は、経済思想から発展政策、国際経済政策、企業金融、環境政策にまで及んでいたが、経済発展をベースとした変化のなかでのガバナンスのあり方という問題視角は共通していた。多数の経済主体の利害が錯綜したなかで従来の集権型ガバナンスにかわる有効なガバナンス方式の模索が、中国においても日本においても進行していることが明らかになった。とくに中国の場合には、一方で、WTOの開放経済体制に適合したガバナンスの再構築が迫られていると同時に、環境問題・経済発展・市民社会問題の出現とともに地方自治の導入が課題となっている。日中双方の新進の若手研究者が、比較経済史、計量経済学、国際政治経済学、制度経済学において発展した手法を用いてガバナンス問題にアプローチした有意義なワークショップであった。

                  (日本側コーディネーター:八木紀一郎)