=======================================================================================
京大上海センターニュースレター
167号 2007628
京都大学経済学研究科上海センター

=======================================================================================
目次

○上海センターシンポジウム「内陸部に拡がる中国の経済発展」のご案内

      中国・上海ニュース 6.18-6.24

○「和」には仏教理論の本質がある

中国でのインターンシップ生受け入れについてのアイセックからのお願い

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

上海センターシンポジウム「内陸部に拡がる中国の経済発展

のご案内

 中国の経済成長が内陸部に向かって広がっています。2003-5年の三年間、もっとも成長率の高かった省(自治区・直轄市)は内モンゴル自治区で、たとえば2005年の場合、23.8%の成長を実現しています。この流れは、沿海部の労働力不足と賃金上昇、電力や土地不足などによる企業立地のシフト、それに西部大開発のような大規模な開発政策の推進によって加速されています。今回のシンポジウムでは、この傾向を@内陸部開発への日本企業による貢献、A政府開発援助による日本の貢献、B西部開発の現状と課題、C省別成長率の分析のそれぞれの角度から解明する予定です。

開催日時 200772()2:00-5:30 時計台記念館2F国際交流ホール

主催 京都大学経済学研究科上海センター

共催 京都大学上海センター協力会   後援 北東アジア・アカデミック・フォーラム

あいさつ 西村周三 京都大学副学長

コーディネーター 山本裕美 上海センター長

報告者 1)藤井重樹 積水(青島)塑膠総経理 「積水化学の中国事業と内陸部開発」

2)宮崎 卓 京都大学准教授 「内陸部開発への日本の経済協力について」

3)朱 正威 西安交通大学西部開発中心教授 「中国西部大開発の進展と今後の課題」

4)大西 広 京都大学教授 「沿海部から内陸部に向かう高成長地域」

シンポジウムに先立ち、13:00-13:45の間(以前この時刻を書き間違っていました。申し訳ございません)経済学部2F大会議室におきまして、上海センター協力会総会を開催、またシンポジウムの後には同会議室で懇親会を開催します。懇親会は協力会のご支援で無料で開催しますので、非会員の皆様も是非ご参加ください。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

中国・上海ニュース 6.18−6.24

ヘッドライン

■ 中国:06年財政収支、それぞれ22.5%、19%増

■ 中国:耕地面積減少続く、一人あたりは0.0927ヘクタール

■ 日中:羽田−上海虹橋定期便10月8日にも開通

■ 中国:5月各省ごと消費者物価指数公表、最高は湖南省の5.3%

■ 中国:ソフトウェア産業好調、06年売り上げ23.1%増

■ 天津:気温37度超、電力消費量が過去最高

■ 遼寧:深刻な水不足、貯水庫159カ所が枯渇

■ 北京:農村部住宅地規制強化、無許可一戸建て80棟を爆破

■ 青海:国内最大規模の循環型経済プロジェクト着工

■ 浙江:杭州湾大橋全線貫通

=============================================================================

「和」には仏教理論の本質がある

 一誠法師 中国仏教協会会長

“和”は仏教思想の中核である。仏教僧団は特に“六和”を重視する。即ち:身の和が共生に導く、口の和が争いをなくす、意の和が一緒に働けるようにする、戒律の和が戒律の受けることに導く、見解の和が共同の見方に導く、利の和が均等な利益をもたらす。これこそが“調和世界”の光景である。もし人類社会が皆“六和”を求めるならば、戦争が無くなり、社会が平等・安定・調和になる。“和”が仏教理論の本質であり、仏教がずっと深い関心を持っているところでもある。“すべての諸法が縁に由来する(諸法因縁生)”。すなわち、仏教の教義は因縁論という源泉に由来している。いわゆる“縁起”というのは相互依存、調和共生であり、一字で表すと“和”という意味である。仏教にある慈悲、智慧、平等はこの“縁起”にある“和”に由来し、あくまでも調和、平和、和睦に導く。仏教の最高境界というのは社会の“究極の調和”に等しい。

仏教が求めるのは“平等”と“平和”である。いわゆる“平等”は心、仏、衆生が皆平等であることを指す。仏性の角度から見ると、世の中にある万物が皆平等である。“平等”が仏教にある“和”の根本である。和は平和、和気、調和、温和善良を指す。いわゆる和気が財を招くこと、和を貴とすること、人心の温和善良、家庭の和睦、社会の調和、世界の平和である。まず自分自身のこと、家庭のことを良くした上で、調和的な社会と、戦争なき平和的な世界を実現させる可能性がある。

仏教では四恩の返しが重視される。即ち、仏への恩返し、衆生への恩返し、国土への恩返し、親への恩返しである。仏教にはすべての衆生が仏性を持ち、仏になる資質があると考えられている。悲智という不二法門を利用して、心を清め、一貫して自然の規律に従い、国土を尊敬し、愛情を持つという、仏教に強調されるものが現代社会、特に中国の道徳規範にほぼ一致する。現在でも道徳に善を勧めることにおいて大きな役割を果たすことができる。

中国古代において、多くの聖人先哲が“人和ならば、家庭が和睦になる”を唱えている。中国の伝統的な儒家思想にも“家庭が和睦になり、国が治められると、天下が平和を収めることができる”という言い方もあり、すべてのこれらは仏教の理念に一致することである。即ち、家庭が和睦的になり、国を良く治めると、天下が平和になる。

心は目で見えないものであるが、その存在をみんなが感じることができる。<<心地観経・厭舎品>>によると、“心が清浄であってこそ、世界が清浄である;心が汚ければ世界も汚い;我々の仏法は、心を中心とする;すべての諸法が心に由来する”。即ち、心がこの世の根本であり、心があってこそ、各種の法が生じる;心が和であるならば、社会が調和になり、世界が平和になる。

この数年来、中国では仏教の発展が良い政策の支持を得、また良好な社会の雰囲気に恵まれて、自分自身の建設がかつて無いレベルに達している。仏教文化と慈善公益事業はますます良く進んでいる。衆生を痛苦から脱出させ、世界の平和を実現し、世界の仏教論壇が“平和的な”論壇になるよう心から祈っている。

(これは開封相国寺の掲示板に掲げられていたものを当寺の僧の許可を得て翻訳・掲載したものです。)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

中国でのインターンシップ生受け入れについてのアイセックからのお願い

 

AIESEC(アイセック)とは:

1.100を超える国と地域に活動拠点を持つ世界最大規模の国際学生NPOであり、“Peace and Fulfilment of Humankinds Potential”を理念に、1948年の設立以来一貫して海外インターンシップ事業を行ってきました。現在、世界800大学以上に委員会を持ち、約22,000人の学生が活動を行っています。

2.海外インターンシップを運営して世界各地で年間約4000人の学生に海外で生活し働く機会を提供し、国際社会を舞台に活躍しえる若者、次代のリーダーを継続的に輩出し続けています。

3. 日本国内においても全国の主要な24の大学に委員会において、1000名以上の学生が活動しています。

京都大学にも委員会が設置されており、主幹事業である海外インターンシップの運営を行い、学生に対して異文化環境のもとで社会経験を積む機会と学びを得る機会を提供することに加えて、企画事業も行っております。詳しくは当委員会のホームページをご覧下さい。 http://www.aiesec.jp/kyoto/

 

この度は上海センターの宮崎卓准教授のご厚意により、この場をお借りしてアイセック京都大学委員会送り出し事業部東アジアプログラムが、東アジア、中でも上海を中心とする中国に、京都大学の学生を送り出す形で実施するインターンシップについてご説明及びお願いをさせていただく運びとなりました。

アイセック京都大学委員会では、主幹事業として海外インターンシップ事業を「送り出し事業部(日本人学生をインターンシップ生として海外に送り出す活動を担当)」、「受け入れ事業部(海外の学生の日本企業での受け入れを担当)」にわかれて運営しています。今回ご説明させていただく内容は、上記送り出し事業部内において重視している課題の一つである、東アジア地域でのインターンシップ実施に関するものです。

現在の東アジア地域内の人々は、さまざまな要因のために、お互いに潜在的な不信感を抱きあったままではないでしょうか。反日運動に代表されるような事件が起こる原因として、こういった不信感があるのではないか…。私どもアイセック京都大学委員会においては、こういった不信感の存在に焦点を当て、少しでも不信感を無くしていけるような活動をしたい、と考え、送り出し事業部内に「東アジアプログラム」というチームを立ち上げ、活動をしてきています。

東アジア地域へのインターン生送り出し事業によって、東アジア地域についてさまざまな視点から考えることができる人材を育成し、不信感の軽減につなげていく。これが私どもアイセック京都大学委員会送り出し事業部東アジアプログラムの活動の目的です。

今回は上海センター協力会会員企業の皆様に、京都大学から送り出すインターン生の受け入れをお願いさせていただきます。中国における御社の支社・子会社等で、インターン生を受け入れていただき、私どもの活動に協力していただけませんでしょうか(上海、及びその近辺で活動されている企業が多いかと存じますが、もちろん中国国内のその他の地域での受け入れでもかまいません)。企業の皆様方にも、京大生のインターン生を受け入れていただくことで、京都大学の学生、さらにはアイセックのネットワークを活用し、中国の主要大学の学生との接点を持っていただけると存じます。なお、アイセックではプログラム登録費とインターン生の滞在費を受け入れ企業様に負担していただいております。

上記インターン受け入れにつき、是非一度ご検討ください。少しでも関心を持っていただけましたら、下記までご連絡いただければ幸いです。折り返し企画書等をお送りし、詳細について説明させていただきます。

アイセック京都大学委員会送り出し事業部東アジアプログラム

代表:山口朋子 (京都大学法学部2回生)

E-mail: tomoko.yamaguchi@aiesec.net

【京都大学委員会スタンダードスポンサー】

株式会社カスタネット/株式会社ジェイ・エス・エル/株式会社二条自動車教習所/

学校法人京都コンピューター学院/メキキ教育研究所/有限会社エムイーエス (順不同・敬称略)