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京大上海センターニュースレター
第177号 2007年9月6日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○国際コンファレンス「東アジア経済のガバナンス問題」のプログラムとご案内
○
中国・上海ニュース 8.27-9.2
○迅速・適切?な中国当局の対応
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国際コンファレンス「東アジア経済のガバナンス問題」のご案内
以前からお知らせしております、京都大学21世紀COE経済学プログラム、上海センター共催による「東アジア経済のガバナンス問題」をテーマとした国際コンファレンス(9/18-19)と三カ国院生による同ヤング・スカラーズ・ワークショップ(9/20-22)が近づいて参りましたので、その詳細プログラムを掲載させていただきます。使用言語は英語オンリーとなりますが、上海センター協力会も後援し、協力会の皆様の参加も歓迎いたします。以下、詳細プログラムです。
なお、9/18-19の会場は時計台2Fの国際交流ホール、9/20-22の会場は経済学研究科大会議室および同8Fリフレッシュ・ルームです。
September 18 (Tues.)
9: 30 Welcoming Address
Prof. MORIMUNE Kimio
(Dean of the Graduate School of Economics, KU.)
Prof.
NISHIMURA Shuzo (Vice-President, KU..)
9: 45 Opening Remark
Prof.
SHIMOTANI Masahiro (KU..)
Prof. YAMAMOTO Hiromi (Shanghai Center, KU..)
10:00 – 11 :00 Guest Talk : Prof. KAWAI Masahiro
(ADB Institute Tokyo)
Evolving Economic Architecture/Governance in East Asia
SESSION 1 11:15 -12:30 Regional Aspect of Asian Integration (1)
Prof.
FUJITA Masahisa (Research Institut of Economy, Trade and Industry, Tokyo)
Regional Integration in East Asia: from the
Viewpoint of Spatial Economics
Prof. Werner PASCHA
(Duisburg-Essen University, Germany)
The Critical Role of Peer Review and
Regional Monitoring in East Asian Integration Scheme
Prof. SHENG Hong (Unirule
Institute, Beijin)
On the Constitutional Foundation of
International Integration in East Asia
SESSION 2 14:00 -15:30 Regional Aspect of Asian
Integration
Prof.
LIN Chi-An (National Chengchi University, Taipei)
The Evolution of ASEAN(plus 3): A Recast of
G. Myrdal's Asian Drama
Prof.
LU Di (Renmin University, Beijin)
China and Post-Crisis Globalization: Towards
a New Developmentalism
Prof. OHNISHI Hiroshi
(KU..)
Expanding High Growth Area from Japan to
China: From a Regional Perspective
SESSION 3 15:45-16:45 Monetary
and Financial Cooperations
Prof. MOON Woosik (Seoul National University,
Seoul)
Monetary and Financial In tegration in East
Asia
Prof. MURASE Tetsuji
(KU.)
Economic Surveillance in East Asia and
Prospective Issues
SESSION 4 16 :45- 17 :45 Corporate Governance and the State
Prof. Leslie YOUNG (The Chinese University of Hong Kong)
Governance of Chinese Corporate Groups under
State Supervision
Dr.
IMAI Ken (Institute of Development Economies, Tokyo)
State Corporate Governance in China
19 :00-21 :00
Dinner for Invited Guests and Participants
September 19 (Weds.)
SESSION 5 9:30-11 :30 Societal
and Environmental Sustainability
Prof. UETA Kazuhiro (KU.)
Environmental Governance for Sustainable Development in East Asia
Prof. KIM Jong-dall (Kyungpook N.
University)
Environmental Problem (Prel.)
Prof. WEI Quanping and ZHU Zhweing (Fudan
Univ., Shanghai)
Government and NGO in the Environmental Protection
Prof. CHENG Hua (Renmin
University)
The Private Money from the Perspective of Network
Economics
SESSION 6 14 :00 – 15 :00 Governance in
Trade and Investment
Prof. LEE Joung-Woo
(Kyungpook N. University, Daegu)
Trade, Investment, and Governance: The Case
of Kora-U.S. Free Trade Agreement
Prof. UNI Hiroyuki (KU..)
Export biased Productivity Increase and Exchange Rate
Regime in East Asia
SESSION 7 15:15-16:00 Governance
in Business and Industry
Prof. SHIMOTANI Masahiro (KU..)
Direct M&A, or Holding Company?:
Alternative Choices in Corporate Integration
Prof.
CHEN Ping (China Center for Economic Research, Peking Univ.)
Limits of transaction Costs Approach and the
Evolutionary Perspective of Corporate Governance
Prof. CHOU Teyu (NCCU,
Taipei)
Corporate Governance, Business Ethics, and
the Revival of Contemporary Confusianism in Asia
SESION 7
16 :45-17 :45 History and Future of Institutional Transformation in
East Asia
Prof.
SHENG Hong (Unirule Institute, Beijing)
Prof. LIN Chian (NCCU, Taipei)
Prof. LEE Joung-Woo (Kyungpook N. Univ.)
Prof. HORI Kazuo (KU.)
Prof. Hiromi YAMAMOTO
(KU.)
Closing Remark 17:50
Prof. YAGI Kiichiro (KU..)
September 20 (Thurs.)
9:30 – 10:00 GENERAL DISCUSSION (A)
Impressions from the
preceding Conference on 18-19 September
10:15 – 12:45 Pararel Sessions (I)
THEORY OF SOCIAL
ECONOMICS (A)
ENVIRONMENTAL POLICY (B)
14:00 – 14:45
Guest Lecture 1
15:00– 17:30 Pararell Sessions (II)
JAPAN AND KOREA (A)
SOUTHEAST ASIA (B)
September 21 (Friday)
9:30 – 12:00 Paralell Sessions (III)
EXCHANGE RATE AND PUBLIC
FINANCE (A)
ECONOMIC IMPACT OF
CHINA'S RISE (B)
13:00-13:45 Guest Lecture 2
14:00-17:00 Pararell Sessions (IV)
GOVERNANCE OF CORPORATION
AND ECONOMIC DEVELOPMENT (A)
REGIONAL PROBLEMS IN
CHINA'S ECONOMY (B)
September 22 (Saturday)
9:30- 12:00 CONCLUDING DISCUSSION 3 (A)
Remarks from Participants and Advisors
Free
Discussions
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中国・上海ニュース 8.27−9.2
ヘッドライン
■ 中国:1−7月重点国有企業売上高が7兆元に迫る
■ 中国:四川−上海間天然ガスパイプライン敷設工事開始
■ 中国:固定・携帯電話契約総数、8億8000千万件に
■ 天津港:野菜輸出24%増、日本向けが1位
■ 山東:コマツ、新会社を済寧市に設立
■ 上海:労働者賃上げ制度を構築、GDP成長率と連動制か
■ 遼寧:北方重工集団、国内最大級のシールドマシンメーカーが誕生
■ 北京:外国人ビザ・居留証の申請がもっと便利に
■ 北京:供給量増加でガソリン値下がり
■ 上海:地下鉄10号線路線図公開
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迅速・適切な中国当局の対応
13.AUG.07
株式会社小島衣料 小島正憲
激変する中国の諸相について、私は自身の拙い体験をもとにして分析し、その見解を発信し続けてきた。最近、それらが当局の発表などにより、追認される事態となっている。以下にそれを紹介したい。
@私は7月30日に、自分の実体験をもとにした「フライト遅延とゴネ得」という短文を配信し、乗客の横暴さについて詳述し、航空各社や当局がしかるべき対応をしなければ、異常事態に突入するだろうと警告を発しておいた。まさにその予言を裏書するように、8月13日付けの上海の時事速報には、「航空会社、強硬乗客提訴も=遅延補償目当てのトラブル増加で」という見出しの記事が掲載された。
「8月10日付けの上海紙:労働報によると、中国の航空各社は、乗客が利用便の遅延を理由に補償金を得ようと騒ぎを大きくし、出発を遅らせるケースが増えていることを重視し、正常な運航を妨害する乗客には訴訟で臨む事を検討している。一部の航空会社はすでに法律専門家と作業を進めているという。
中国では旅客機が定刻通りに出発できなかった場合、遅延原因が解消され離陸準備が整った後も、ゴ ネ得で遅延補償金をつり上げることを狙い、一部の乗客が機内で談判を続けることがある。最長では14時間、乗客が旅客機を占拠したことがあるという」
この記事を読んでわかることは、すでにフライト遅延に対してゴネ得の事態が全国各地で頻発していたということである。今後、航空各社の対応で、この手のゴネ得は姿を消すであろうが、中国社会ではこれと似た現象が多くの場面で登場するにちがいない。中国当局は、もぐら叩きにも似た行為を続行しなければならないだろう。
A7月25日には、「中国株とトランプ賭博」という短文を発信した。私は株に振り回される中国市民の実態を報告したかったからである。そのとき、本来ならば証券会社の店頭を少なくとも10社ほど見て回って、その実際を報告したかった。しかしその時間の余裕がなかったので、1社を見ただけで類推し短文にまとめた。それでもその現場をリアルにわかってもらいたかったので、トランプ賭博の現場の写真を撮り、それを報道したかった。しかし現場でフラッシュをたく勇気がなかったので、それも断念した。
1週間後、この短文を読んだ中国の友人が、1冊の最新の週刊誌を送ってきてくれた。その週刊誌の中には、「騒々しい株取引者」という見出しで、証券会社の中でトランプ賭博をしている人たちの写真がデカデカと掲げられていた。中国の私の友人も、私の短文を読んだときは半信半疑だったが、この週刊誌を見て、私の情報の的確さにびっくりしたという。
もちろん週刊誌の本文は、一般の個人投資家が株取引に浮かれることを戒めるものであった。このような論調が一般誌で語られることは、中国社会の健全な面を示していると思うべきではないか。
B6月20日、「やがて中国人が観光で世界を制す」という短文を発信した。これは、それまでの私の格調高い?文章ではなく、少し低劣なため発信をためらったものである。しかし中国人の観光旅行の実態を知ってもらうことが大事だと思い、自分が誤解されることをおそれず発信した。それが意外にもこの短文は、多方面から各種の関心をよせてもらうことができたので、私は胸をなでおろした。
この私の短文が当局を刺激したわけではないだろうが、最近、中国各地の空港で、「海外へ観光に出かけるみなさんへ」というポスターを見かけるようになった。これは国家旅遊局のものであり、そこには中国から海外へ観光に行く人民に当てた注意事項が書かれている。内容は、「海外では中国人民として恥じない行動をしよう。大声で騒ぐ、痰を吐く、列に横入りする、などのマナー違反をしないように。現地の法律を必ず守るように。安全注意怠らないように」などである。このポスターの効果があるかどうかは定かではないが、少なくとも当局が、中国人民の海外での傍若無人ぶりを認識しただけでも効果があると思うべきであろう。