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京大上海センターニュースレター
212号 200858
京都大学経済学研究科上海センター

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目次

○上海センター・シンポジウムのご案内

      中国・上海ニュース 4.28-5.4

      狂牛病肉と毒入りギョーザ

      前号小島レポートについて

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上海センター・シンポジウムのご案内

アジア共同体を京都から構想する」

 20021月、シンガポールで当時の小泉首相が「東アジア共同体」を提唱して以来、日本でも「東アジア共同体」の枠組みに関する議論が日本国内で、また多国間で交わされています。「ASEAN+日中韓」なのか、さらにインド、オーストラリア、ニュージーランドを含めた「ASEAN+6」なのか、などが論点となっています。今回は、これらの論点に加え、共同体の必要性、条件、現実性などの問題について、中国、韓国の関係部門の責任者に論じていただきます。日本側からも、この分野の研究書を最近出版された坂東慧国際経済労働研究所会長、また本上海センター設立に貢献された本山美彦京都大学名誉教授・大阪産業大学教授のご報告をいただきます。

 なお、本シンポジウムに先立ち、13:00-13:45には上海センター協力会総会を経済学部大会議室で開催、シンポジウム終了後には、再び当会場にて懇親会を開催します。合わせご参加いただければ幸いです。

日時 2008630() 午後2:00-5:45

会場 京都大学時計台記念館2階国際交流ホール

報告者

@張 燕生 中国国務院発展改革委員会対外経済研究所所長「東アジア共同体-中国の視点-

A安 乗直 ソウル大学名誉教授「東アジア共同体-韓国の視点-

B坂東 慧 国際経済労働研究所会長「東アジア共同体かアジア共同体か」

C本山美彦 京都大学名誉教授、大阪産業大学教授「日本は米国の軛から逃れることができるか」

 

共催    京都大学上海センター協力会  後援(予定) 北東アジア・アカデミック・フォーラム

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中国・上海ニュース 4.28−5.4

ヘッドライン

■ 中国:食糧の安定供給が保障

■ 人民銀総裁:4−6月はインフレ圧力下がる見通し 

■ 中国:中央政府とダライ・ラマ特使、深圳で対話 

■ 中国:1−3月、都市部の可処分所得実質3.4%増

■ 中国:1−3月、農産物生産者価格が大幅上昇

■ 内モンゴル:満州里、ロシアへの自動車輸出が不振−

■ 広東:コメ価格、連休中値上げ続く

■ 上海:バス火事、3人死亡 3人重傷

■ 上海:手足口病の患者数は1988例で、死亡例無し

■ 甘粛:酒泉市、世界最大の風力発電基地を建設

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狂牛病肉と毒入りギョーザ

05.APR.08

香港:美朋有限公司 董事長 小島正憲

数年前の米国からの狂牛病肉輸入騒動のとき、私の家の周辺の焼き肉屋でも、その余波によりいろいろなことが起きた。大手の牛丼チェーン店では豚丼などのメニューを追加したり、オーストラリアからの輸入に切り替えたりしたが、それでも業績の悪化は食い止められず、大手同士の企業合併に至り店の看板が変わった。また近くの個人焼き肉店では、ぱったり客足が途絶え、半年後には店を閉めてしまった。ところが国産和牛の飛騨牛専門の焼き肉店では、逆にそれまでの低価格のメニューをすべてやめ、値段を3倍ぐらいにして高級化路線を取った。その結果連日大盛況となり、毎年新店舗を開店する勢いで3年後には4店舗目を出し、さらに私の家の近くの山際に豪華な自宅を新築するに至った。近所の人はそれを飛騨牛御殿と呼んでいる。  

米国からの狂牛病肉の輸入騒動は、結果的には危険部位を取り除くなどの措置で、輸入を再開することとなった。若干の反米運動も起きたが、米国産牛肉がなければ日本の食卓が成り立たないことも事実だったため、日本政府と日本国民も米国の横車にしかたがなく黙って従った。周知のように狂牛病はいまだ解明されておらず、毒入りギョーザのように消費者の口に入れば、すぐに結果がでるものではなかったため、結局、リスク回避対策があいまいなままの輸入再開を許したのである。この再開の決断の是非は、10年ほどの歳月を経なければ判断できない。その後、危険部位の混入などの問題もあったが、双方の国で検査を拡充するということで、米国に押し切られ、輸入が続けられている。最近、米国で大量にへたり牛が発見され、狂牛病の発生が指摘されたがこれも看過されている。いまだに狂牛病の危険性は去ってはいないのである。

いずれにせよ私は糖尿病なので肉をあまり食べないようにしているし、10年後は多分あの世だから狂牛病には関係がないが、さて狂牛病肉をたらふく食べた若い人たちは、今後どうなるのだろうか。狂牛病が怖い人でなおかつ裕福な人は、値段の高い和牛を食べるので狂牛病にはならないだろう。その結果、10年後には、安い米国産輸入牛肉を食べた人は病院通いで、高い和牛を食べた人は健全であるという事態になるかもしれない。これこそ貧富の格差の拡大再生産であり、大きな社会問題になる可能性がある。また10年後に多くの消費者が狂牛病を発病した場合、輸入業者の罪や許可省庁の罪はどのように問われるのだろうか。

日本はバブル経済崩壊後、デフレ社会に突入した。多くの会社が価格破壊という美名のもとに、世界中から安いものを買いあさった。その結果、消費者は安価で便利なものを手にいれることができ、デフレの恩恵を最大限に享受することができた。価格破壊競争開始から15年余、安さの追及は極限まで行き着き、たとえ開発途上国であっても、現地工場で手抜きをしなければ赤字になってしまうほどの低価格になった。それにもかかわらず、さらなる値下げ要求によって、現地工場の経営はさらに苦しくなり、従業員の待遇はよくならず、彼らのモラルも落ち、その結果品質の低下を招いているのが現状である。我々は安物を追い続け、自業自得ともいえる解決不可能なリスクを背負い込んだわけである。今や安全・安心を追及しようとすれば、それはきわめて高い代償を払わなければならないことになった。

さて今回の毒入りギョーザ事件だが、狂牛病肉の輸入事件の場合とでは、二つの大きな違いがある。一つには毒入りギョーザが食べたらすぐに発病するという事件であり、次に輸入元が米国ではなく中国であったという点である。今回、政府や関係者は狂牛病肉のときのように、どうせ10年後にしか発病しないのだからというような悠長な姿勢を許されず、眼前の緊急事態をとにかく解決しなければならず、昼夜を別たず対応に追われた。またマスコミなどは米国だから仕方がないというあきらめではなくて、即座に中国現地の工場へ取材に向ったし、日本各地で起きた消費者からのクレームを詳細に報道した。中には反中意識を増幅させるような報道姿勢もあった。それらが結果として、日本社会に、過剰反応とも思える大きな騒動をもたらし、この事件の本質をしっかりとらえる方向とは大きくかけはなれたものにしてしまったとも言える。

今回の事件が起きてすぐに、私はあるジャーナリストから電話でこの事件へのコメントを求められた。私の発言が誤解を産む可能性があると思ったので、慎重に「故意であれ過失であれ、中国や他の開発途上国では、このような事件が十分に起こりうる。しかし反日意識からの故意行為だとは考えにくい」と、私の工場の具体的な例もあげて答えておいた。数日後、私のコメントは他の中国関係者の発言といっしょに記事になった。その記事は少々反中意識を感じさせるものだった。のちほどそのジャーナリストの方から、「編集の段階で、若干、みなさまの主旨から外れた記事になった」との謝罪のメールが入った。そのころ他のマスコミでは、「毒裁国家中国」・「報復の武器は農薬、中国農民の逆襲」などという文字が躍り、反中意識をかきたてていた。

私はこの毒入りギョーザ事件について、基本的には反日を目的とした故意行為ではないと考えている。

一部の人たちは、かつての反日騒動を想起して、日本を狙った食品テロだと騒いでいる。しかしそのような行為を、五輪間近で国際関係に神経を尖らせている中国政府が容認するはずはない。したがって我々もこの事件を利用した反中扇動には乗るべきではないし、冷静に対処すべきである。いずれにせよ故意か過失かなどの判断は、日中の警察・公安組織の結果を待つより方法がない。現在、我々が行わなければならないことは、このような事件の再発がないように、関係者全員に防止に向けて全力を尽くさせ、それをしっかり監視することである。故意であっても過失であっても、日中双方における完璧な検査網を敷けば、その多くは解決可能であると考える。この点において専門家の大島一二氏は、2002年の残留農薬問題以降、日中双方の規制強化によって、すくなくとも日本に輸入されてくる農産物・食品の安全性の確保については、それ以前の段階とは比較にならない高い水準となったと言っている。つまり今回の事件を契機として、更なる検査や規制強化を行うべきなのである。

その上で、この毒入りギョーザ事件から、そこに横たわる幾多の問題点を考えておかなければならない。

@日本人の食生活は中国などの安い労働力の収奪の上に成立していることを自覚するべきである。

マスコミなどでも報道されているように、日本の食生活は中国からの安い輸入食品で充足されている。もしこの輸入を止めるならば、日本の店頭の食品は極端な物不足にもなり、価格はつりあがることになる。現状では日本の消費者は中国からの安い輸入食品によって、低価格の恩恵を受けているといえる。一方、中国の現地では、これらの食品は中国人労働者の安い労働力によって、きわめて安価で作られている。つまり日本の消費者は中国を始めとする開発途上国の労働者の収奪の上に、豊かな食生活を堪能しているわけである。我々はそのことをはっきり自覚しておく必要があると思う。

A低価格の追及は限界にきている。

中国でも日本向けの食品は、これ以上低価格を追及できないほどの限界にきている。中国現地では、人件費アップや原材料費の高騰、環境規制の強化、税制変更などの結果、昨年から急に経営環境が悪化し、製造業者も中間業者も倒産寸前の状態になっている。外資企業でも韓国や台湾の業者は夜逃げまでするようになった。このような経営環境の中で、更なる品質向上と管理の徹底を目指すならば、当然大幅なコストアップが避けられない。

B中国では人手不足が進行し、品質管理水準が落ちてきている。

現在、中国では無尽蔵だと思われていた労働者が枯渇しはじめている。今までは人手が過剰であったので、態度が悪く規則を守らない不良社員には、罰金をかけたり解雇したりしてきた。そのような厳しい労務管理でかろうじて品質を維持してきたのである。ところが最近では罰金などというとすぐにやめてしまうし、不良品を作った社員に厳しい指導を行うとすぐに他社に移っていってしまう。その後の人員補充はなかなかできないので、どうしても労務管理に厳しさがなくなり、それにつれて品質基準が守られなくなってしまう。つまり労働力不足→労務管理の不徹底→労働者のモラルの低下→品質の低下という悪循環に入ったわけである。これは現実に私の縫製工場で起きていることであり、食品などの他産業も同様である。

中国に進出した日系企業は、品質管理を厳しく教えてきたし徹底してきた。そしてそれは成功した。ところが数年前からの人手不足によって、せっかく築きあげた品質管理体制が崩壊しつつあるのである。今回の天洋食品会社も同様であったと思う。それが証拠に、事件後の工場審査マニュアルの中には、各工程の従業員の就業履歴を明確に書き込む欄が付け加えられた。工場内に立派な品質管理マニュアルができていても、それを実施する従業員が日替わりの未熟練者で、なおかつ教育したり監視したりする上司も短期間で替わってしまうような状況では、高度な品質管理は維持できないからである。

このような転職率の高さに加えて、今年度からの労働契約法の施行によって、多くの企業で永年勤続者の解雇が行われた。これは品質管理水準の低下と同時に労働者の恨みを買った。天洋食品でも昨年後半に、解雇された従業員が多かったと報じられていたが、この人たちの会社への恨みが今回の事件につながった可能性もゼロではない。

今回日本では、他の中国工場の輸入食品からも、農薬などが検出された。その工場の中には日本の独資工場も含まれていた。おそらくこれらの工場では、日本人の管理者が全精力を込めて品質管理手法を教え込み、数年前までは完璧な状態ができっていたにちがいない。しかしながら上述した人手不足の結果、残念ながらその仕組みが骨抜きになってしまい、検査の目を逃れた不良品が出荷されてしまったものと思われる。

Cこのような状況の中で、品質管理を徹底しようとするならば、コストアップは避けられない。

人手不足下では、従来の労務管理方針は通用しない。したがって従業員のやる気を出させ、品質管理を徹底するためには、大幅な人件費アップ、賞金制度などの導入、福利厚生の充実などをはからなければならない。そのことは即刻、製品価格の大幅アップとなる。

D今後、中国の品質検査は充実するが、その結果、日本向け輸出が減少する可能性がある。

天洋食品の工場内がテレビで放映されたが、あれはやらせや特別な映像ではないと思う。他の食品工場でも品質管理や検査面ではすでにかなりのレベルにあり、日本の食品工場よりもはるかに徹底されている。2月末に、私は大連の割り箸の製造工場を見学させてもらったが、実に清潔で、衛生・検査面ともに文句のつけようがないほどの管理水準であった。

これから中国の工場は品質管理や検査体制をさらに充実させるであろう。しかしそれはコストアップにつながり、工場の経営を大きく圧迫する。今でも日本向け食品は価格が安く品質は厳しいので、多くの工場が日本向けを敬遠し始めている。この上、更なる負担を工場にかければ、ほとんどの工場が日本向けを断るようになるだろう。かつて狂牛病肉のとき、米国は肉を買ってくれと日本政府に頼んだ。ところが今回、中国は頭を下げて買ってくれとは言わないだろう。なぜなら工場にとって、日本市場よりも欧米や内販の方がはるかに儲かるし、品質管理もゆるやかで、しかも引き合いが多いからである。このままの状態が続けば、おそらく日本向け食品はなくなり、日本では食料品が底をつき、市場ではパニックが起こるのではないか。

今やほとんどの業界で、「日本向けは価格が安く、発注量が少なく、品質が厳しいので儲からない」が、共通認識になっている。その結果、各工場では欧米向けや内販市場に活路を見出している。私の属する繊維業界もまったく同様である。

中国の公的機関も検査検疫をかなり徹底してきている。そのため検査待ちやら、検査を合格しない食品が大量に滞貨しているという。繊維業界でも中国の公的機関の検査がかなり厳しくなり、日本から進出している民間検査業者よりも不合格率が高くなってきた。それをクリヤーしなければ輸出できないので、さらなる品質のアップに努力する工場が多くなった。

E日本の公的監視を強めれば、国民負担が増える。

 今回、日本の中間業者や公的機関の対応が問題視されている。したがって今後、それを監視する機構や人員が拡充されることになる。その結果中間業者の負担は増えるので、これまたコストアップ要因となる。さらに品質管理のための行政機構が肥大化し、役人の天下り先が増え、ますます国民の負担が重くなる。日本で公的監視機構を作るとそれが特殊権益と結びつき、将来に禍根を残すことになる可能性もある。

たとえば以前より、中国の吉林や黒竜江省から家畜の飼料用の稲わらが大連港から輸入されている。これを他港から輸入すればかなり安くなるのだが、それができない。なぜならば大連港をめぐって、中国の検査検疫機関・中国の輸出関連団体と日本の検疫機関・日本の輸入関連団体などの権益構造が完全にできあがっており、移行が不可能だからである。

F食料自給は必要だが、実現可能性が少ない。  

食料の自給率を高めなければならないと識者は言う。しかし農業を誰が担うのであろうか。おそらく日本の若者はだれもやらないであろう。労働力不足の結果、中国人など他国からの労働者に頼らざるを得ない。ところが現状の日本では単純労働には入国ビザは発給されないので、研修生や実習生ということになる。それでも彼らは原則として農林漁業には携われない。それぞれの部分に政府関係者・関係諸団体などの特殊権益がからみ、なおかつ日本の労働者の権益の保護という大義名分があるため、この問題の解決が先送りされているためである。日本はすでに食糧を自給できない構図になってしまっている。

G食料品におけるユニクロの出現と格差社会の拡大。

そしてこの結果、やはり中国から輸入せざるを得ないということになる。やがて激烈な競争の結果、中国でも安くて安全・安心なものを作り出して1人勝ちする企業が出現する。食品業界でのユニクロの出現である。おそらく日本国内でも高価格で安全・安心を売り物にし、一人勝ちする企業が出現するであろう。飛騨牛御殿のように。そしてそれは中小零細企業の淘汰となり、その過程で、複雑で前近代的だと言われている食品業界の流通構造が改革されていくことだろう。

H安全・安心な食料品が中国に買い占められる可能性も否定できない。

中国人も自国の食料品が安全・安心だとは思っていない。だから高くてもよいので外国から安全・安心なものを輸入しようと考えている。すでに中国には金持ちがあふれており。彼らがどんどん安全・安心な製品を買いあさっている。食品では日本米や青森りんごなどが高額で売れているというニュースが流れているが、今後、多くの日本産食品が中国の金持ちに買い占められる可能性が大きい。日本の生産者にとってみれば、日本の消費者よりも中国の金持ちの方が2〜3倍の高価格で買ってくれるのであれば、当然、中国に売る。その結果、日本の安全・安心な食料品が中国に大量に輸出され、中国の廉価品が日本に来るという珍妙な現象が起きるかもしれない。

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前号小島レポートについて

  前号に掲載しました小島正憲氏のレポート「実況速報:カルフールと聖火リレー」は、今最も人々が知りたい情報を現地のナマ情報としてレポートしたものとして大変好評でした。編集担当として改めて御礼申します。ですが、そのレポート中の下記の内容について、復旦大学の学生から質問が来、その旨小島さまに連絡しましたところ、数ヶ月の内に改めて返答したいとのお言葉でした。また、この質問は掲載した編集担当に対する質問でもありそうですので、ここで編集担当としても最低限のコメントをします。

  まず、指摘された箇所は、以下の部分でした。

「かつて毛沢東率いる紅軍が長征のとき、チベット族やウィグル族と激しい戦闘を行った。他の少数民族の地域は意外にすんなり通ることができたが、この地域だけは簡単ではなかった。たとえばウィグル族との戦闘では紅軍女性部隊の2000人が捕虜となり、奴隷として売り飛ばされてしまったという。チベット族との間でも同様の激戦が展開されたという。したがってその怨念から、解放後中国政府は両族を徹底して制圧したと思われる。」

  それで、このうち、紅軍は長征の際、チベット族地域を通過していますが、ウイグル族地域は通過していませんので、これは回族の誤りと思われます。また、阿部治平『もうひとつのチベット現代史』明石書店、2006年によりますと、チベット族地域でも国民党が現地チベット族に共産党討伐を命令したものの、ダライラマ13世の信頼篤かったポンダ・ドルジがチベット族の独立政府のメンバーとして逆に紅軍の北上を助けた、となっています。ので、紅軍とチベット族との戦闘があったとしても当時のダライラマとは距離を持った国民党側のチベット族と思われます。(編集担当)