=======================================================================================
京大上海センターニュースレター
243号 2008128
京都大学経済学研究科上海センター

=======================================================================================
目次

     京都大学・ソウル大学共同国際シンポジウムのご案内

     中国・上海ニュース 12.1-12.7

     「時が滲む朝」感想特集−第1

     目下、日本企業の夜逃げはゼロ

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

京都大学ソウル大学共同国際シンポジウム 案

テーマ「東アジア経済の競争力と持続可能性」

主催 京都大学上海センター

日時 1218日(木曜)・19日(金)午前

会場 経済学部2階大会議室

 

第1セッション  1218日(木曜)9:0012:00

李根教授(京大)「韓国と日本の企業間における産業間の革新と生産性のキャッチアップ

植田和弘教授(ソウル大)  東アジアの持続可能な発展――:環境ガバナンスと環境経済の視点から

司会                   コメンテーター

 

第2セッション  13:0015:15

表鶴吉教授(ソウル大)  - 日本と韓国における全要素生産性の比較推計

遊喜一洋准教授(京大)  地域経済統合動学のシミュレーション分析

司会                    コメンテーター 大西広

 

第3セッション  15:3017:45

趙東成教授(ソウル大)   -最適企業の設計と持続可能性評価への前進

塩地洋教授(京大) 東アジア優位産業の競争力――その要因と競争・分業構造――

司会 渡辺純子              コメンテーター 黒澤隆文

 

レセプション 1218日(木曜)18:00   会場 カンフォーラ(京大正門横)

 

第4セッション  1219日(金曜) 9:3012:00

李天杓教授(ソウル大)   - 世界金融危機と東アジア企業の競争力

白須洋子准教授(京大)  流動性への逃避及び質への逃避−日本金融危機からの教訓.

司会 岩本武和 コメンテーター 山本信一(立命館大学経済学部教授)J.C.マスワナ

 

The sponsorship hall   It is symposium main theme 'Competitiveness & sustainability of East Asian economies.' sponsorship in the Kyoto University department-of-economics large conference room Kyoto University soul university common host nation case.   The Kyoto University Shanghai center time   12 month 18 day (Thursday) and the 19 day(Fri.) morning hall   The second floor large conference room of the department of economics

 

The 1st session (9:00on Thurs., December 18 -Prof.)

Lee Jisoon - Some remarks

on the long run prospects

of Japanese, Chinese

and S. Korean economies

Prof.

Ueda,Kazuhiro  Environmental

Governance and Economics

The for Sustainable Development in East Asia 2nd session   (13:00 - Prof.Pho Hak-kil-A comparative estimation of total factor productivity in Japan & KoreaProf.Yuuki, Kazuhiro A Simulation Analysis of the Dynamics of Regional Economic Integration)

 

The 3rd session (15:15 - Prof.Cho Dong-Sung(趙東成)-Designing a sustainable enterprise, and developing a guideline for sustainability reportProf.SHIOJI, Hiroshi-Competitive Advantage of Manufacturing Industries in East Asia reception    night (Thursday) of December 18)

 

4th session Fri., December 19 9:30 - Prof.Lee Chonpyo-Global Financial Crises and Competitiveness of East Asian EconomiesProf.Shirasu, Youko Flight to Liquidity and Flight to Quality, Lesson from Japanese Financial Crisis

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

中国・上海ニュース 12.1−12.7

ヘッドライン

 

■ 中国4日連続の人民元安、元安に容認政策か

■ 中国:共産党政治局会議、09年の経済政策に方針決定

■ 中国:政府が国有電力、鉄鋼大手を救済か

■ 中国:メラミン・ミルクで29万人が健康被害

■ 中国:HIV感染70万人、44万人は気付かず

■ 広東:深圳、新規失業者5万人、市長「アジア通貨危機より深刻」

■ 山東:煙台、暴風雪で交通が完全マヒ

■ 青海:ツァイダム盆地、砂漠化した土地が回復へ

■ 陝西:小学女子生徒11人、一酸化炭素中毒で死亡

■ 上海:老舗ホテル閉店、中高級ホテルの入居率が10%下落

=============================================================================

「時が滲む朝」感想特集−第1

                                    01.DEC.08

                                               香港:美朋有限公司 董事長  小島正憲

 

08年度の芥川賞の受賞作品は、「時が滲む朝」であった。作者の楊逸氏は中国生まれの44歳の女性である。年頭に私は「共に“44歳必読書”から学ぶ」と題した小論を書き、中国の未来を考える上で注目しておかねばならないのが、1964年生まれの44歳の中国人たちの動向であると指摘しておいた。今回の楊逸氏の受賞は、その一端を示すものである。

私はこの作品が、中国人や日本人にどのように受け止められているかを知りたかったので、多くの人たちに頼んで感想文を書いてもらった。それを今回から3回に分けてお届けする。

                                                                  

 

「時が滲む朝」を読んで

                     中小企業家同友会上海倶楽部:事務局長 山田正平

「在日中国人作家の作品が芥川賞を受賞した」として評判になった佳作である。けっしてこなれた作品とは言えないが、外国人が日本語で「日本文学する」に挑むことの難しさを考えれば、充分に評価を与えるべき作品であろう。そのことを前提として以下の感想をもった。

まず、主人公浩遠が民主化運動に参加していく動機である。人がひとつの運動(それが政治的な圧力を受けることが予想される運動ならなおさら)に参加していく場合、なんらかの動機なしに行動に移ることはできない。しかし、この主人公が行動に走る背景は何も目に見えてこない。テレサテンの音楽=「資本主義的不健康さ」に魅せられながらも、それに恐れを抱く程度の社会主義思想ですっぽり教育された田舎の純朴青年が、なぜアメリカ型民主主義に傾倒できるのだろう。甘先生の影響としても、主人公の琴線に触れるような教えや、彼の生き方を変えるような理論が与えられた形跡はない。「役人の腐敗」と聞いて、農村生活の貧しさや都市で見る官僚の横暴さを思い浮かべるでもない。さらには、下放によって奪われた父親の人生の「不条理」への抗議もまったくでてこない。主人公はただ、周りの雰囲気にあおられ、突然与えられた学生の特権をもて遊ぶ、安易に立身出世を夢見るだけの田舎青年に過ぎない。

作者は、作中第2部といってもいい、日本に来た主人公を描くにあたっても、肝心の日本へ来る動機を示さない。大学を放校された後、民工にまで落ちぶれた自分を再び立身させる道が「日本行き」だったことを想像させるに過ぎない。だから東京の民主同志会のリーダーとまでなる浩遠になんら思想的意思を感じられないのだ。政治より金儲けに精を出す仲間を批判するより、それを内心肯定しているような、少なくともそれを自然なものとして受け取っていく主人公と、そういう主人公を描く作者。私は、はじめ作家の描写能力の不足と思ったが、よく考えるとそれこそが現代中国人の姿なのだと得心した。ここでも主人公は生きることには貪欲でありながら、個としての意思は無い中国人である。

魯迅は小説「阿Q正伝」で、自身は冷徹な変革者の眼をもったつもりで時代を乗じようとしながら、実際は時代に翻弄されていくにすぎないエゴイスティックな無能者・阿Qを描いた。「時が滲む朝」では、作者の意図を離れて、現代の阿Qが描かれている(作者の意図がそこにあったならすごいことだが)。中国人論が巷にあふれる中、久しぶりに本物の「中国人」を堪能した。

                                               以上

 

「時が滲む朝」感想文 「もし19年前に浩遠が甘先生に出会っていなかったら

                          中国生まれ:日本へ帰化 30代女性  

浩遠は大学生活において、「民運」で時間がたっぷりでき、馬先輩のように自分にとって好きな本ばかりを読み、気分転換に夕食後大学のグランドで学生リーダーのスピーチを聞き、時々賛同の拍手を送り、一方で学生らしい生活を送って、無事に卒業していたと思います。数年後、海外留学ブームにのって、日本でマスターの学位を取得し、日本上場企業勤務経験を積み、さらに母国の高度成長期の波に身を任せ、日中間のビジネスを立ち上げていたでしょう。文学出身の感性で、海外の日常生活の中で、欧米をはじめ、先進国の民主主義や、政治、文化等の知識を身にしみこませ、「秦漢大学」に客席教授として迎えられ、学生に堂々と民主主義の真理を教えることができたにちがいありません。田舎で、父親を校長にした「民生小学校」を作り、「四川大地震」で会社のすべての現金を寄付したでしょう。「愛国」という重たそうなものを彼の人格で自然に実現させたことでしょう。

「時が滲む朝」を読んだあと、自分と同じ年(おそらく)の彼を同情してしょうがない。

印刷会社の仕事を終え、狭い中華料理屋でお酒の勢いを借りても、「僕は愛国者」だと語られないでしょう?たとえそれができても、その虚しさが中華料理屋のもともと油っぽい空気をさらにキツイものにさせてしまうでしょう

どうして浩遠が日本に来てまで再び甘先生を探したのでしょう?彼は母乳をほしがっていたと私は思います。田舎から純粋な、母乳を飲んで、すくすく成長していくはずの赤ちゃんが、行きなり成人の食事をさせられ、消化不良で、成長が止まっていたからです。

いまの中国は、彼のような消化不良の人も、過食症のひとも、様々の成長ぶりを見せている人々が共存しています、この本を読んで、私は母親や回りの大人たちが、子供の成長時期に合わせて、正しい食べ物を与えてほしいと願っています。

以上

 

「時が滲む朝」を読んで

                           中国生まれ:日本へ帰化 40代女性

 在日中国人作者が日本で芥川賞を受賞したと聞き、その作品≪時が滲む朝≫を読みたくなり、時間を掛けて読み終えた。

「時が滲む朝」は中国人の青年の物語であった。1988年夏中国の名門大学に進学した二人の学生、梁浩遠と謝志強が全国各地の学生達と出合って、二人は「愛国」「民主化」「アメリカへの憧れ」などに共感し行動を起こした。またその時代の特有な文化背景であるテレサ・テンの歌つまり「不健康な靡靡之音」であるとされていた曲を、「就寝する前の三十分間だけ、寮の外に漏れないように、音量を下げ、全員が布団に入って息をひそめつつ」聞きながら生き抜いていった。しかし小料理屋で学生運動を侮辱した男たちと殴り合いの大乱闘で退学処分となった。主人公梁浩遠と謝志強二人の学生生活はわずか九ヶ月で終わってしまった。

その後、作者は主人公に新たな人生を用意した。梁浩遠は中国残留日本人孤児2世である女性と結婚し、日本へ渡った。一方、謝志強は中国で工房を作りデザイナーになって、十数名のデザイナーを抱えるまでの規模に発展させることになった。そしてまた作者は、在日ビザの心配をせず民主主義を追いかける梁浩遠、妻子を連れ渡米した張北松、「集会に参加すれば、中国に帰ったら政治的迫害を受けるかもしれないから、特別滞在ビザの申請ができる」ことを目的に行動している「ご都合主義なヤツ」の黄などの人物を登場させて、その時代の人間の多様な動きを描くことによって、真実を浮き彫りにしようとした。

彼らは私にとっても凄く身近な人物であった。作者の「六・四天安門事件」について描写は飛び飛びになっていたが、確かにあの事件はどの角度から描いても非常に難しいものである。「革命家は孤独だ」と主人公に未熟さを生々しく告白させているが、主人公を含む彼らが動機、考え方、生き方がないままその時代に流されたとの指摘には同感できる。

「時が滲む朝」は日本に住んで、日本から祖国を見つめている中国人という立場から、人物の心理状態やストーリーの経緯など細かいところまで、十二分に書かれていた。とても素晴しい作品である。しかしながらストーリーの基軸が最後まで見えなく、作者が伝えたいテーマが明確に示されていない点が物足りない。残念に思う。

                                                以上

 

「時が滲む朝」を読んで

                        中国生まれ 日本へ帰化 44歳男性

「時が滲む朝」という芥川賞を受賞した作品を手にとって、一気に呼んで感想文を書こうと思いながら、本を開いて読み始めた。しかし自分自身の日本語の語学力の問題があり、なかなか読みきれなかった。本文を3回読み直したが、作者が表現したい主題がなかなか理解できなかった。どのように感想文を書いたらよいかがわからなかったので、まず山田事務局長の感想文を読ませてもらった。その結果、やっと作者の心境が少しわかるようになった。

 この時代を自ら体験してきた私も、作者と同じような経歴をもって、時代に押され、日本社会に流れ込んできた。山田事務局長が指摘されているように、「日本へくる動機を示さない」ということは、私を含めたこの時代の中国人留学生、就学生たち特有な特性である。

「人がひとつの運動に参加していく場合、なんらかの動機なしに行動に移ることは出来ない」と山田事務局長は書かれているが、私はこのことを今ではとても理解できるようになってきた。いろいろな体験を積み年齢を重ね、残念ながら自分が負け組に入っていることを自覚できるようになったからである。自分はなぜ、負け組になってしまったのか。やはり山田事務局長が指摘されているように、動機そのものが普段の生活の中で明確でなかったからである。つまり私も時に流されていたのである。

私から見たこの本の作者の内面の心理は、私と同じく大変貧しい状態にあるのではないだろうか。

作者を、時に流され、社会に泣かされ、失敗している「現代中国人の姿」と理解した方かいいと思う。「時が滲む朝」を「個としての意思はない中国人」の作品と見るべきだと思う。

私は「時が滲む朝」の本文より、山田事務局長の感想文に多いに啓発された。

                                                以上

 

「時が滲む朝」感想文

                                   日本人 24歳男性

一個人。その個人が自分の国の政治を変えようと奮闘する。結果的に彼のやったことは大きな影響を与えられなかった。そんな状況下での葛藤が本書を通じ伝わってくる。中国人作家のため、日本語の表現が分かりにくいところが多々あり、読みにくかった。しかし一方で海外の人がここまでの日本語の文章が書けることに驚いた。もし、彼女が日本語でなく、中国語でこの本を書いていたら、より素晴らしい作品になっていたと思う。

                                               以上

****************************************************************

目下、日本企業の夜逃げはゼロ

                                    04.DEC.08

                                               香港:美朋有限公司 董事長  小島正憲

 

今年の旧正月明け、中国の実業界では派手な韓国企業の夜逃げの話題で持ちきりだった。その後も、韓国企業の夜逃げは後を絶たず、とうとう「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(大原弘著:講談社刊)という本が日本で出版されるような始末となった。さらに数か月後、台湾や香港企業も中国から夜逃げするようになった。それらを見て、日本のチャイナウオッチャーたちから、「日本企業も今すぐ逃げろ」という声があがった。しかしそれらの声にそそのかされて、中国の地から日本企業が夜逃げしたという情報は、目下のところゼロである。

最新の情報では、浙江省だけでも、年初から11/15までに賃金未払いのまま経営者が行方不明になったのは351件を数え、2万1000人の労働者が被害にあっているという。つまり企業経営者の夜逃げが続出しているということである。しかしここでも日本企業の経営者が行方不明つまり夜逃げしたという話は聞かない。

上海マートでも日本企業の退去はゼロである。中小企業家同友会上海倶楽部の事務所は上海市内の上海世貿商城(通称:上海マート)にある。このビル内には923社の会社が入居し(このうち日本企業は114社)、ビジネスを展開している。先日このビルの管理事務局からも上記の状況を裏付ける情報を入手した。金融恐慌の影響で、最近退去する会社が多くなり入居率が徐々に下がってきているが、退去する会社は中国の地場企業や欧米、韓国企業がほとんどで、日本企業は1社も退去していないというのである。その結果、事務局員の間では、日本企業への信用が抜群に高くなっているという。

海外での事業展開には信用が大事である。今後とも日本企業の信用が、一夜にして崩れるような夜逃げがないことを切に願うものである。私がこのように主張すると、「だから日本企業は逃げ遅れて大損をするのだ」という叱声が浴びせられると思う。また「日本企業は情勢判断が甘い」、あるいは「危機意識がない」という批判もあるだろう。しかしながら私のビジネス経験からすれば、早く逃げすぎて損をすることもあり、逃げないで得をするということもある。私は気が小さいので、韓国・中国・ミャンマーなどの各国で、危機を察知したら早めに撤退してきた。今から考えてみると、これでずいぶん損をしてきたように思う。

たとえばミャンマーでは1998年に、東南アジア通貨危機のあおりを食らって、わが工場の経営が行き詰った。追加投資をして乗り切るという手もあったが、私は早めの決断が重要だと思い、香港企業に売却して撤退した。ところが3年後には、日本企業がその工場を香港企業から買い取り経営を続け、現在では大儲けしているという。また中国でも合弁相手の経営者が銀行から借金をして、どんどん工場を拡大するので、私はその金額に恐れをなしてその公司の株を手放した。ところがそれから10年余、その公司の借金は順調に減って、あと数年で完済するという。もちろん企業は隆々と発展している。さらに私の大先輩の株式会社サンテイの会長は、天安門事件のとき、多くの企業が撤退する中、逆にどんどんと事業を拡大し、地元の絶大な信頼を得て、その後の大発展の基礎を築かれた。このようにビジネスでは、逃げないで残って成功するということも多いのである。  

ことに最近、中国政府は急減速している景気の浮揚を狙って、57兆円の財政出動を決めた。これに地方政府などが景気刺激策を総額250兆円ほど独自に展開するようである。つまり大量の資金が中国内にあふれかえることになる。これらは内需の拡大をめざし、地方のインフラ整備を中心とすると報道されているが、なにやら日本の池田首相時代の所得倍増政策と田中角栄首相時代の日本列島改造政策が合わせて実行されるような雰囲気である。これは実業家にとっては、絶好の稼ぎ場になるのではないだろうか。いずれにせよ中国経済はしばらくドサクサが続くであろう。しかし中小企業にとってはそのドサクサがまた儲けどきなのである。だから企業は逃げないで残るという作戦も選択肢の中に持つべきだと思う。

それでも好不況にかかわらずビジネスに失敗はつきものである。その場合は適時、撤退という作戦をとらなければならない。しかし現在の中国では、正式に撤退しようとすると、清算手続きが厄介で、法律も未整備であるため、会社の清算にきわめて長時間を要する。これが、韓国企業などが夜逃げという手段を選ぶ大きな理由ともなっている。今年、当社もコンサルティング公司を清算したが、董事会で清算を決議し、書類を整備し、当該地方政府部局に申請を出してから、外貨管理局の承認を受けて残余資金を日本に送り返すまで、約1年間を要した。この間、役所との間を何回も往き来し、書類を書き直したり、新しく追加したり、本当に面倒だった。目下、中国政府もこれらの事態を憂慮して、清算手続きの簡素化やスピード化を図っているところである。したがってこの問題もほどなくして解決されるものと考える。だから日本企業は撤退する場合でも、正式な手続きを踏むべきである。夜逃げはこれまで日本企業が作り上げてきた信用を、一瞬のうちに壊してしまうことになるので、絶対に避けて欲しい。

                                                        以上