=========================================================================================================================================京大上海センターニュースレター
252号 200929
京都大学経済学研究科上海センター

=========================================================================================================================================目次

     上海センター学術セミナー「中国農業:持続的発展への諸課題」のご案内

     中国・上海ニュース 2009.2.2-2009.28

         09年01月:暴動情報

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上海センター学術セミナー

「中国農業:持続的発展への諸課題」のご案内

 

 京都大学上海センターでは昨年度に続き、中国の農業問題についての以下のような学術セミナーを計画しました。「三農問題」といわれる現代の農業問題とともに、中国農業史の長い歴史を振り返る部分も含んだものとなっています。我々と学術協定を結ぶ中国人民大学と西安交通大学から2名ずつの専門家をお呼びして開催するものです。参加費は無料ですので、多くの参加を期待します。また、上海センター協力会の後援もいただきます。記して感謝いたします。なお、本事業は現代中国地域研究京大拠点の事業の一環として行なわれます。

 

会場はすべて京都大学経済学研究科2F大会議室です。

 

■第1セッション 2009216() 午前 10:00-12:00

山本裕美(京都大学教授)  日中農業政策の比較

高徳歩(中国人民大学教授) 農村自治:古代と現代の比較

 

■第2セッション 2009216() 午後 1:30-6:00

張思鋒(西安交通大学教授)  農村人口都市移住の問題について

(西安交通大学准教授) 農民生産技術を革新する新しい農村金融メカニズムの構想

(中国人民大学准教授) 中国農業成長段階の変化と発展方向

沈金虎(京都大学講師)     家族経営体制、経済発展と草原地域の砂漠化

−中国草原地域の砂漠化の原因と今後の対策について−

 

レセプション 2009216() 午後 6:00 

於 カンフォーラ(京大正門横)

 

■第3セッション 2009217() 午前 10:00-12:30

大西広(京都大学教授)      中国農業史研究におけるチベット農奴制研究の意義について

安部治平(青海民族学院講師) アムド=チベットの土地家畜所有について

宮崎卓(京都大学准教授)  中国農業に対する日本の支援問題について

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中国・上海ニュース 2.2−2.8

ヘッドライン

■ 中国:50年一遇の大旱魃、T級災害緊急対処案発動

■ 中国:出稼ぎ農民2000万人が就業難で帰郷

■ 中国:新たに8つの石油備蓄基地を建設

■ 中国:繊維産業、機械設備製造業の振興策が公布

■ 中国:鉱物資源備蓄の国家戦略を発表

■ 自動車:奇瑞、低排気車人気で1月売上が過去最多に

■ 中国:PHSサービスを2011年までに全面停止

■ 新疆:天然ガスの確認埋蔵量1.4兆立方米、国内1位

■ 上海:春節中の浦東空港利用者数16%減、初の前年割れ

■ 上海:インテル、浦東工場閉鎖、四川・成都に移転

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09年01月:暴動情報

09.FEB.09

小島正憲

 

1月は現地検証が必要なほどの特異ケース(暴動レベル1以上)はなかった。また旧正月に入り民族大移動に阻まれ交通手段を確保することが難しかったので、現地検証を断念した。したがって下記の暴動情報は未検証である。

※暴動評価基準は文末に掲示。

@1/04・05 広東省陽江市 教員抗議デモ  暴動レベル0

・市の教員5千人が待遇の改善を訴えて、街中をデモ行進し、市政府前で座り込み。

・武装警察700人が市政府前に出動。教員の行動を規制。

A1/04 北京市 マンション建設中止被害者抗議デモ 暴動レベル0

・マンション業者が贈収賄事件に関与し、業績不振となり建築中のマンションを中止した。すでにそのマンションを購入していた被害者120人が損害賠償を求めて北京市政府庁舎前で請願デモ。

・マンションが清華大学や北京大学など大学集中地域であったため、被害者には大学教授らが多いという。

B1/06・07 山東省煙台市 漁業会社の労働者デモ 暴動レベル0

・煙台市の漁業会社で、従業員が数年来の業績不振の会社経営を懸念して、雇用の安定や賃金の確実な支払いを求めて、会社周辺の道路を封鎖。

C1/08 陝西省西安市 退役軍人2千人抗議 暴動レベル0

・西安市で退役軍人約2000人が、退役軍人の待遇改善を求めて抗議。

・退役軍人には、現役の年代によって、退職後にかなりの待遇格差がある模様。それの是正を求めた。

・武装警察が出動。抗議者と衝突。67歳の抗議者が病院へ搬送中に死亡という情報あり。

D1/10 湖南省吉首市 不正融資事件被害者抗議デモ 暴動レベル0

・昨年9月暴動発生時に、当局が約束した解決方法が実行されなかった。1/10、やっと当局が保証金支払いの通告を発表したが、被害者は補償金額が不満で、約1万人が街頭デモ。

・武装警察が出動し、群集を他所に強制連行。

・一人の女性抗議者が市政府前で焼身自殺したという。

E1/13 安徽省蕪湖市 出稼ぎ農民工デモ 暴動レベル0

・地元最大の不動産会社が住宅販売不振で経営難になり給与が未払いとなった。従業員の出稼ぎ農民工約1000人が、給与の支払いを求めてデモ。

・市内の橋を占拠したため、特殊警察500人が出動し排除。その際、農民工10人が負傷。

F1/14 北京市 中国各地から直訴者 暴動レベル0

・北京市中国国務院新聞署前に、中国各地から約350人の請願者が集結。 

・請願内容は社会的弱者の国家人権行動計画策定への参与を求めたもの。

・警察車両12〜13台が来て、請願者を他所に強制連行。午後数百人の警察が来て残った請願者を追い払った。

G1/18 広東省茂名市 中・高校生数千人校内デモ 暴動レベル0

・茂名市電白中学(中・高一貫教育校)の校内食堂が昼食に腐敗した豚肉を出したので、生徒数千人がデモ。

・学校当局が改善を約束したため収束。

H1/20・21 雲南省西双版納州府景洪市 退職従業員の抗議デモ 暴動レベル0

・市農業開発局傘下の国営ゴム工場の退職従業員約4000人が、未払い補助金の支払いを求めて抗議デモ。

・高速道路を20時間に渡り封鎖したため、武装警察が出て対峙。死傷者なし。

・省政府幹部が現地入りし、話し合いで解決。

 

≪私の暴動評価基準≫

暴動レベル0 : 抗議行動のみ 破壊なし

暴動レベル1 : 破壊活動を含む抗議行動 100人以下(野次馬を除く) 破壊対象は政府関係のみ

暴動レベル2 : 破壊活動を含む抗議行動 100人以上(野次馬を除く) 破壊対象は政府関係のみ 

暴動レベル3 : 破壊活動を含む抗議行動 一般商店への略奪暴行を含む  

暴動レベル4 : 偶発的殺人を伴った破壊活動

暴動レベル5 : テロなど計画的殺人および大量破壊活動

以上