=======================================================================================================================京大上海センターニュースレター
第254号 2009年2月23日
京都大学経済学研究科上海センター
=======================================================================================================================目次
○
シンポジウムのお知らせ
○
中国・上海ニュース 2009.2.16-2009.2.22
○
李天杓教授論文「世界金融危機と東アジア企業の競争力」
へのコメント
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
シンポジウムのお知らせ
京都大学経済学研究科上海センター/経営管理大学院関西アーバン銀行寄付講座
中国企業シンポジウム
「中国の内需拡大政策下における日本のビジネスチャンス」
2009年3月16日(月)13:00-17:45
京都大学時計台記念館2F国際交流ホール
改革開放以降、中国経済は外資を積極的に取り入れることにより急速な成長を遂げ、GDPや対外貿易大きく拡大させ、世界経済におけるその存在感の高まりには目を見張るものがある。こうした中で、最近起きた世界的な規模での金融危機・経済危機は外需依存の強い中国経済を直撃し、輸出の急速かつ大幅な落ち込みにより、中国経済は急激な縮小傾向を示している。こうした事態を受け、中国政府はこれまでの外需依存体質を改め、内需依存への転換を目指して4兆元とも言われる大規模な内需拡大策を打ち出し、鉄鋼、自動車、造船、石油化学、紡織、設備製造、電子情報などの主要産業を対象として「重点産業進行計画」を策定中である。すでに飽和点に達している日本の内需と異なり、中国の内需は拡大の余地が膨大であり、そこに日本のビジネスチャンスがある。
本シンポジウムでは、中国政府が現在策定しつつある「重点産業振興計画」の内容を明らかにし、外需依存から内需依存への転換を図る中国経済に日本はどのように対応していくべきかを検討する。その上で、そこに日本にとってどのようなビジネスチャンスが存在しているのかについて、内外の研究者や実務家をお招きして検討していきたい。
報告内容(案)
杉本孝:大阪市立大学大学院創造都市研究科教授/京都大学経営管理大学院客員教授
「経済危機下の中国産業振興政策 −鉄鋼業の事例−」
稲田堅太郎 :法円坂法律事務所弁護士「中国の内需拡大策と対中ビジネス」(仮題)
山本晃:信永中和会計師事務所会計士「経済危機下の中国会計制度が直面する諸課題」(仮題)
宮崎卓:京都大学大学院経済学研究科准教授「京都環境企業の対中協力の可能性」
懇親会 18:00-19:30(会場検討中)
協力 京都大学上海センター協力会
*************************************************************************************
中国・上海ニュース 2.16−2.22
ヘッドライン
■ 中国:1月実質外資導入額32%減
■ 中国:ロシアに250億米ドル融資、石油で返済
■ 中国:発展改革委員会、通貨値下がり予測の報道をデマと否定
■ 中国:1月の航空旅客輸送量17.6%増
■ 中国:中低速リニアモーターカーが完成間近
■ 自動車:吉利、農村部に販売拠点1000カ所を確立へ
■
チベット:外国メディアの取材再開
■
台湾:1月大陸との貿易額55%減
■ 北京:地下鉄駅での押収物を公開、中に練習用迫撃砲弾も
■ 山西:太原市、炭鉱事故で74人死亡
=============================================================================
李天杓教授論文「世界金融危機と東アジア企業の競争力」 へのコメント
京都大学ソウル大学共同国際シンポジウム
マスワナ ジャン・クロード
2008年12月
李天杓教授の論文「世界金融危機と東アジア企業の競争力」を大変興味深く拝読しました。また、2008年京都大学ソウル大学共同国際シンポジウムにて本論文にコメントする機会を得たことに感謝申し上げます。
李教授論文の要旨
本論文は、2007年アメリカのサブプライム危機を発端とする世界金融危機の本質を考察し、東アジア経済の競争力への影響や当該地域の適切な政策反応について議論している。東アジアは、世界金融危機までは成長、インフレ、国際収支において概ね好調であった。膨大な外貨準備高によって、世界的な不均衡を維持する大きな役割を担い、アメリカ金融産業で行われていた複雑な金融イノベーション(たとえば証券化やデリバティブ)の取引を従順に受け入れていた。アメリカ金融危機の負の影響においては、東アジア経済はアメリカ金融会社から購入した金融商品価値の下落による直接的な影響や、金利、株価、為替相場変動から受ける間接的な影響を避けることは出来なかったと述べている。
第2節では、アメリカ金融危機の性質について考察している。この危機によって、投資銀行は追い出され、新自由主義に代わり金融セクター救済のため政府の積極的関与を歓迎することになり、事実上金融構造が変化した。第3節では、1997年アジア金融危機における政策反応と現行の危機に対するアメリカ景気刺激策の比較がされている。第4節では、金融危機の東アジア経済への影響が議論されている。なぜ東アジアが外貨準備高を多く保有しているのかという点について議論され、それらの理由が支持されるべきか検討されている。第5節では、東アジアの競争力および持続可能性における変化について考察が加えられている。第6節では、東アジア経済への政策提案がなされている。これらの政策のうち、本論文は、地域通貨の導入が重要であるとしている。最後に、アメリカは貸し手であると同時に借り手であり、サブプライムローンに依存していたアメリカ経済の発展途上部分に対して、アメリカ経済の先進部分が貸し付けを行っていたと述べている。アメリカは、自国に対する主な貸し手となると同時に自国および他国に対して、より大きな借り手となったと議論している。
李教授論文が提供しているサブプライム問題と金融危機、そして東アジアの政策反応についての分析は、重要な問いを投げかけるものであり、今後の研究に新たな方向性を示唆するものである。さらなる議論のために、本論文に対して以下にコメントする。
金融危機の根本的原因と広がりについて
まず、世界金融危機の主な原因として本論文が挙げている点について述べる。李教授は、「たとえサブプライムローンや不健全なクレジットカードローン、車のローンがあったとしても、格付け会社とクレジット・デフォルト・スワップに代表される保険制度に支えられたモーゲージ証券、資産担保証券、債務担保証券、投資ビークルなどの商品のついた証券化が多過ぎなければ、2008年アメリカ金融危機は避けられた」と述べている。この見解に全く同意するものの、住宅バブルはその他の要因がなければ起こらなかったと考えている。他の要因としては、貸出し基準の緩和、規制機関の介入失敗、金利の急激な下落、そして住宅価格は下がらないという考え方、といったことが挙げられる。
金融リスク理論が正しいという範疇において、忘れてはいけない要因の一つとしてレバレッジがある。1990年代半ばから、アメリカ政府は二つのことを行っている。一つは、不動産キャピタルゲインに対する減税。この減税によって単身者であれば25万ドル、夫婦であれば50万ドルまで2年以上所有している家一軒の不動産に対するキャピタルゲイン税が廃止された(Bajaj &
Leonhardt, 2008)。このような大減税によって、不動産が最も好まれる投資先となった。続いて、金融リスク理論が正しいという範疇において、忘れてはいけない要因の一つとしてレバレッジがある。1990年代半ばから、アメリカ政府は二つのことを行っている。一つは、不動産キャピタルゲインに対する減税。この減税によって単身者であれば25万ドル、夫婦であれば50万ドルまで2年以上所有している家一軒の不動産に対するキャピタルゲイン税が廃止された(Bajaj &
Leonhardt, 2008)。このような大減税によって、不動産が最も好まれる投資先となった。続いて、不動産価格が約10年間かつてないほどに高騰し、住宅バブルにつながった。抵当市場というのは、複雑な金融商品を通して負債をさまざまなリスク・セグメントに分散し、これらのセグメントを別々に売る能力が鍵を握る。リスクの一番高いセグメントは高利回りを求める買い手、時には高くリベレッジドされているヘッジファンドといった買い手に売られる。
二つ目に2001年9月11日以降、連邦準備制度は低い金利を維持していた。低金利と不動産価格の高騰で、投機熱が政府後援企業のFreddie MacとFannie Maeで奨励されていた。これらの機関は、NINJA(No Income, No Job, No Assets)と呼ばれる人々へのローンとして、抵当市場に多額の供給をしていた。そのプロセスで、不動産担保から興した会社は、担保をリーマン・ブラザーズといったウォール街の会社に売却することができた。リーマン・ブラザースのような会社は自己取引ポートフォリオに対して高い収益を狙っており、リバレッジを30倍以上として、バブルがはじけるまでは収益性は非常に高かった。しかし、30倍のリバレッジというのは会社の損失が3%超えた時点で会社が倒産することも意味している。
深刻な不良債権率が2006年から2007年にかけて6%から9%に上昇したこと(Dodd, 2007)とサブプライムの損失により、信用格付けへの不信感が生まれた。これらの証券価格は下がり始め、金融機関の支払い能力が失われていった。そして、銀行間市場と実体経済に流動資産がなくなるまでこのプロセスが続けられたのである。
以上の説明は重要な問題点を指摘するものであり、見通しに対する分析の必要性を示唆している。しかしここで、2007年にアメリカ抵当市場の10%(約1兆4千億ドル)を占めた不良ローンについて考察する必要がある。どうしてこのような小さなセグメントの失敗が破滅的な結果を招いたのであろうか。ここで、証券化の問題が出てくるのである。
証券化というのは、非流動性資産(優良およびサブプライム住宅ローン、商業用不動産担保貸し付け、住宅担保ローン、クレジットカード債権)から流動化証券を作り出すプロセスである。この点において、李教授の証券化の説明は正しいといえる。一方で、Minsky(1987)のように金融破たんを資本主義の内生的性質から捉えることも有益であろう。Minskyによれば、証券化は二つの追加的な変化を反映している。まず、証券化は国境に左右されない金融書類となるため、金融のグローバル化の一部となる。ドル建て資産を手に入れようとしているグローバル投資家にとっては、格付け会社のリスク測定済のパッケージ化された証券は魅力的であった。たとえば、アメリカの自宅所有者に直接のアクセスを持たない日本人投資家は、アメリカ不動産市場に参加することができる。そして続いて、好循環が生まれたのである。パッケージ化された証券はローンの供給を拡大し、住宅購入を増やし不動産価値を押し上げた。このことにより、必要となるローンが大きくなり、リバレッジ率の向上を正当化(ローン対価値とローン対収入)した。なぜなら、住宅はいつでも借り換えができるし、問題が起こってもより高い価格で売ることができると考えられていたからである。
李教授がほかに指摘した点として、現行の金融危機と1997年アジア金融危機の政策比較が挙げられる。この点が指摘されたことは高く評価されるべきであろう。1997年のアジア金融崩壊というのは、資本勘定の危機が突如表れたものであった。典型的には、国際通貨投機筋による一国の通貨価値に対する急激な信頼喪失の後、外貨価値の急激な上昇、そして銀行や企業の大規模な倒産、金融パニックそして急激かつ深刻な景気後退へと続くものである。以上、李教授論文で説明された金融危機の主な原因を要約し、いくつか付け加えたが、次に李教授が主張された点で議論が必要だと思う5点について以下に述べる。
議論点
第1点として、本論文での証券化の概観については同意するものの、巧妙な金融慣行を可能にした金融化プロセスについて適切に述べられていないと考える。金融不安定性理論でMinsky(1987)は、「市場」優遇のために銀行(狭義で預金およびローンを行う金融機関)の役割が比較的低下すると予測した。アメリカの金融化は、金融資産に占める銀行の割合の変化に反映されている。その割合は1950年代の約50%から1990年代は約25%に低下している(Kregel 2007)。この変化は1990年代初頭の規制撤廃の動きによって促進された。以降、金融市場の機能は大きく変化している。リスク格付けが監視の役割に取って代わり、債権がローンに変わり、証券化商品が非常に複雑になった。この複雑性は、債務担保証のようなクレジット・デリバティブの結果である。ウォール街はこのような複雑な証券を創りだしたのだが、それは貯蓄の多いアジアの投資家を含む投資家がそのような商品を喜んで買っていたからである。驚くことに、このような今では怪しいテクニックが、以前は新しいリスク・マネジメントの礎であると賞賛されていたのである。金融危機が訪れ、AAA証券にも以前には考えられなかった不履行率が起こったのは明らかである。
どこへ行っても金融規制緩和は市場効率性への唯一の道であると考えられていた。実のところ、アメリカの規制基準や慣習は世界中で真似されてきた。特にアジア金融危機以降の東アジアと2001年WTO加盟以降の中国において顕著である。中国のように金融化の波に乗らなかった国は圧力を受けていたし、そういった国こそが世界危機が始まる場所であると考えられていたのである(Maswana, 2005)。
最も効率的な金融システムを謳っていたアメリカの金融化は、FIREセクター(金融、保険、不動産)の拡大に特徴付けられた。FIREセクターは製造業よりも重要となっていった(アメリカの製造業は1970年にGDPの約23%を占めていたが、2006年にその割合は13%と減少)。一方で、金融セクターは1982年には全企業収益の5%を占めていたが2007年にその割合は40%となっている(Chandrasekhar,
2008)。この傾向は東アジアでも同様である(Rossman & Greenfield, 2006;
Chang & Yo, 2002)。
新たな価値の創造なしに利益を得ることができるという根拠のもと、各世帯は会社のように振舞うよう促され、会社は銀行のように振る舞い(GMやクライスラーは車の生産よりも金融活動から収益を多く得るようになった)、銀行はヘッジファンドのように振舞うように促されたのである。危機の影響を軽減するためには、東アジア経済の非金融化が必要であることは明らかである。生産的投資よりも投機的投資を好む傾向を、どのようにすれば覆すことができるのであろうか。
第2に、危機への対応として李教授は、東アジアの金融統合を提案している。1997-98年のアジア金融危機以降、東アジアは地域間協力を進め、地域間金融財政協力を推し進めている。2001年ASEAN+3のチェンマイ・イニシアティブにより、メンバー国間の為替相場の安定を確保するための試みが開始されている。金融協力は、アジア金融危機のような金融障害には有効な手段だったかも知れない。しかし、ユーロ圏(ユーロ加盟国は現行の金融危機から逃れてはいない)がこの方法の限界を示している。さらに、金融統合への条件を見ると、東アジアにとってマクロ経済協調と為替政策の一貫性は当然望ましいのだが、Mundellが先駆けた最適通貨圏がまず重要であると考えている。今回の場合、金融統合が有効な手段であるとは言い切れないと考える。というのも、東アジア諸国では統合への必要条件がまだ揃っていないからである。そもそも、これらの関係諸国はすべて債権国で、少なくとも中期的には「最後の借り手」という役割を果たすことができないという状況で、東アジアの金融統合というのは現実的で望ましいと言えるのであろうか。
第3に、金融危機のグローバルな側面をMinskyの仮説に関連付けることができると同時に、いわゆる世界の余剰貯蓄(Bernanke, 2005)にも関連付けることができる。これは、金融崩壊の一番の源は、特にアジアの余剰貯蓄であり、これがアメリカを最後の借り手という立場に追いやったとしている。特に東アジア諸国は、国内資産市場や国内経済で吸収できる能力をはるかに超えた貯蓄を形成していた。個人貯蓄率は高く、経常黒字と経常黒字確保のための介入によって、外貨準備高が飛躍的に増加した。前述のように、これらの貯蓄が債権(Fannie MaeやFreddie Macといった政府後援企業の証券を含む)を通して世界経済にリサイクルされていた。これがさらなる長期金利の低下に貢献していた。李教授は、アジア経済が世界的な不均衡を維持している主な要因であると言及しているのだが、なぜ東アジア経済への政策提言として、当該地域の過剰外貨準備高の方向転換やリサイクルを狙ったグローバル調整を含まなかったのか疑問に思った。
第4に、地域による金融危機の現れ方の違いに注意が必要であると思う。現行の危機は三層になっている。アメリカでは、サブプライム住宅の崩壊が流動性危機の引き金になった。ヨーロッパでは、アメリカの流動性危機がより広く深い金融危機の引き金となった。そして日本や他の東アジア諸国ではアメリカとヨーロッパからの需要衰退により輸出危機となった。この三つの非常に異なるが連結した景気後退が今の世界経済の不況を形成している。上記の東アジアに対する金融危機の影響は、当該地域が輸出主導型成長とアメリカ市場への過度の依存を継続するのではなく、内需拡大を狙う当該地域特有の政策の奨励を示唆している。しかしながら、李教授は明らかにアメリカ市場に対する東アジアの輸出競争力保護のための金融・外国為替の協定に焦点を当てている。輸出型の経済政策ではなく、中国を中核に東アジアを、サポートや安定性を提供することのできる比較的自立した成長地域にする政策を考えてはどうだろうか。
第5に、経済理論が現在の混沌を招いたともいえよう。金融規制と安定性の問題を無視し、アメリカのように短期間のリターンに焦点を当てた市場が効率的であるとの考え方である。特に市場原理主義によって、銀行や国家介入は非効率と同義であり、中国の金融システムのようなシステムは本質的に非効率であるという考えに導かれていた(Maswana, 2005)。今後も効率基準への依存を続けるべきなのであろうか。金融工学に頼り続けるべきなのであろうか、それとも理論的基礎を変えるべきであろうか。李教授は、「金融工学の拡大はリスク・マネジメントを混乱させ、金融新商品を介したリスク分散はリスク除去を意味すると思わせた」と述べている。格付け機関への過剰依存の意味についてさらなる議論も有益であろう。例えば、サブプライム危機が、私たちの考える負債・リスクの「許容範囲」にどのような影響を与えたか、といったことが挙げられる。この点については本論文においても示唆されていた。
最後に、支配的な経済理論が現行の危機を予測できなかったことから、Minskyの効率的市場仮説を再考察する必要があるだろう。そして、複雑な金融システム機能についてさらなる示唆を得るために、生態系メタファといった代案を考える必要があると考える。
以上、李教授の論文へのコメントを述べた。本論文は世界金融危機の理解に重要な貢献をしていることは明らかである。今回、李教授の論文について議論できたこと、そしてシンポジウムに参加できたことを大変光栄に思う。
参考文献
1. Bajaj, V. and Leonhardt, D. 2008. Tax
Break May Have Helped Cause Housing Bubble; Newspaper article; New York
Times; December 19.
2.
Ben S Bernanke.
2005. The global saving glut and the US current account deficit; Remarks at the Sandridge Lecture, Virginia Association
of Economics, Richmond, March 10.
3.
Chang, H.J. and Yoo,
C. 2002. The Triumph of
Rentiers? The 1997 Korean Crisis in a Historical Perspective”, in John Eatwell
and Lance Taylor eds.
4. Dodd, R. 2007.
Subprime: tentacles of a crisis, Finance
and Development, Vol. 44, No. 4, 15-19.
5. Kregel, J. 2007. The natural
Instability of Financial Markets, The Levy Economics Institute, W.P. 523.
6.
Maswana,
J.C. 2005. Reconciling the Chinese financial development with its economic growth:
a discursive essay,
7. Minsky, H.P. 1987. Securitization, Handout
Econ 335A, Fall 1987. Mimeo, in The Levy Economics Institute archives.
8. Rossman P. and
9.Wade,
R. 2008. The First-World debt crisis
of 2007-2010 in global perspective, Challenge:
The Magazine of Economic Affairs, July-August.