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京大上海センターニュースレター
第288号 2009年10月19日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○ 「中国経済研究会」のお知らせ
○ 中国自動車シンポジウム:中国農村におけるモータリゼーション
○ 合同講演会:今後のアジア情勢を読む―日本の政権交代と日中協力の行方―
○
中国・上海ニュース 2009.10.12-2009.10.18
○ 上海汽車と双龍自動車(歴史的転換点に立つ中・韓)
○ 【中国経済最新統計】(試行版)
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「中国経済研究会」のお知らせ
2009 年度第5回目の研究会は日本を代表する経済学者大塚啓二郎教授を迎えて開催されますので、大勢のご参加を心待ちにしています。
記
時 間: 10月20日16:30-18:00
場 所: 京都大学吉田キャンパス・法経済学部東館3階第3教室
報告者: 大塚啓二郎(国際開発高等教育機構研究員、政策研究大学院大学教授)
テーマ: 「産業集積の発展過程:中国、ベトナム、アフリカの比較」
講師紹介:
■略歴:1971年北海道大学農学部農業経済研究学科卒、74年東京都立大学社会科学研究科修士課程修了、79年シカゴ大学経済学研究科博士課程修了、同年エール大学経済成長研究所ポストドクトラルフェロー、80年東京都立大学経済学部講師、81年同助教授、86-89年国際稲研究所客員主任研究員兼任、91年東京都立大学経済学部教授、93-98年国際食糧政策研究所客員研究員兼任、2001年本学連携教授、03年FASID大学院プログラムディレクター(現在に至る)。
■現在の研究対象:1.日中台の産業発展パターンの比較研究、2.貧困の動学的変化の研究
■受賞:1993年、アメリカ農業経済学会賞 (The Quality of Research Discovery);1995年、日経・経済図書文化賞; 1999年、日本農業経済学会誌賞; 2004年、NIRA大来政策研究賞;2004年、日経・経済図書文化賞など
■著作:『中国のミクロ経済改革』(共著)日本経済新聞社、1995年;『産業発展のルーツと戦略:日中台の経験に学ぶ』(共著)知泉書館、2004年;The Emergence of Land Markets in Africa: Assessing the Impacts on
Poverty and Efficiency.(共著) Baltimore, MD: Resources
for the Future, forthcoming in 2008 。他、著書や国際雑誌論文多数。
注:本研究会は原則として授業期間中の毎月第3火曜日に行います。2009年度における開催(予定)日は以下の通りです。
前期: 4月21日(火)、 5月19日(火)、 6月16日(火)、7月21日(火)
後期: 10月20日(火)、11月14日(土)、12月15日(火)、1月19日(火)
(この件に関するお問い合わせは劉徳強(liu@econ.kyoto-u.ac.jp)までお願いします。なお、研究会終了後、有志による懇親会が予定されています。)
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京都大学上海センター・東京大学ものづくり経営研究センター
共催
中国自動車シンポジウム
中国農村におけるモータリゼーション
――多元的発展プロセスの下での参入戦略――
後援:京都大学上海センター協力会
2009年11月7日(土) 13時
京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホール
総合司会 京都大学大学院経済学研究科教授 徳賀 芳弘
13:00-13:10
挨拶 京都大学大学院経済学研究科長
八木紀一郎
東京大学ものづくり経営研究センター 新宅純二郎
13:10-13:30
京都大学大学院経済学研究科 教授 塩地 洋 汽車下郷と参入戦略
―テーマと報告構成―
[第1部 中国農村における多元的発展プロセス]
13:30-14:00
桃山学院大学経済学部 教授 厳 善平 中国農村の経済社会構造
14:00-14:30
東京大学社会科学研究所 教授 田島 俊雄 軽型車から農用車へ―中国的モータリゼーションの展開過程―
同現代中国研究拠点・北京研究基地代表
14:20-14:40
小島衣料 元社長 小島 正憲 農村の交通事情
15:00-15:20
同志社大学商学部 准教授 西川 純平 農村における販売店・修理工場・中古車
[第2部 いかに農村に参入するか]
15:40-16:00
大阪商業大学経営学部 教授 孫 飛舟 石家庄市近郊農村でのアンケート調査
16:00-16:20
東京大学ものづくりセンター 助教 李 澤建 民族系メーカーの農村戦略
16:20-16:40
熊本学園大学経済学部 准教授 三嶋 恒平 タイにおける日系自動車メーカーの農村戦略
16:40-17:10
伊藤忠商事 シニアフェロー 石岡 徹 日系メーカーによる中国農村戦略
17:10-17:15
閉会挨拶
17:30-18:30
懇親会 カンフォーラ
司会 京都大学大学院経済学研究科 教授 劉 徳強
挨拶 京都大学上海センター協力会 副会長 大森經徳
*御参加希望の方は,塩地(shioji@econ.kyoto-u.ac.jp) まで連絡ください。
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合同講演会:
今後のアジア情勢を読む
――日本の政権交代と日中協力の行方――
日本と中国との関係は、1972年の日中国交正常化(日中国交回復)以降、特に経済、文化、教育交流活動を軸にして活発に進行し、まさにグローバル化の先端を走ってきました。
かくて時恰も中国建国60周年を迎えた年に、日本では総選挙の結果政権が交代しました。こうした背景のもとで、今後の日中関係はどのように展開していくのかを展望いたします。
主 催 京都大学経済学研究科上海センター、立命館孔子学院
場 所 京都大学時計台記念館国際交流ホールⅡ、Ⅲ
総合司会
劉 徳強(京都大学経済学研究科上海センター長、教授)
開会挨拶
西村周三(京都大学副学長・理事)
第1部
講演
鄭 祥林(中華人民共和国駐大阪総領事館大使級総領事)
野中広務(立命館大学客員教授、元内閣官房長官)
小原雅博(外務省アジア大洋州局審議官)
第2部
パネルディスカッション
コーディネータ
周 瑋生(立命館孔子学院長、立命館大学政策科学部教授)
パネリスト
鄭 祥林(中華人民共和国駐大阪総領事館大使級総領事)
野中広務(立命館大学客員教授、元内閣官房長官)
小原雅博(外務省アジア大洋州局審議官)
閉会挨拶
交渉中(立命館大学副学長)
第3部
懇親会(午後6:00-7:30) 国際交流ホールⅠ
参加者、講師、関係者の交流懇親
参加ご希望の方はメール、電話、またはFAXにて立命館孔子学院事務局(下記)へお申込み下さい。
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1 アカデメイア立命21内
TEL:075-465-8426 FAX:075-465-8429 E-MAIL:confuciu@st.ritsumei.ac.jp
◆参 加 費:講演、パネルディスカッションは無料
レセプションは3,000円を当日会場にて申し受けます
◆定 員:150名(申込み先着順)
◆申込締切:2009年11月13日
会場の地図等、詳細につきましては下記HPでご確認下さい。お車でのご来場はご遠慮ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map5r.htm
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中国・上海ニュース 10.12-10.18
ヘッドライン
■ 中国:貿易額1~9月で1.5兆ドル、回復傾向が鮮明に
■ 自動車:1~9月自動車販売966万台、業界利益は18%増
■ 中国:上昇続ける犯罪率、建国以来5回目のピークに
■ 産業:家電のネット販売が5000億円規模へ、電子商取引は重要な転換期に
■ 企業:中国の革靴生産量、EUの反ダンピング課税で20%減、2万人が失業
■
社会:中国の不妊率が先進国並みに、主因は仕事のストレスと環境汚染
■ 新疆ウイグル自治区:暴動に初の判決=ウイグル族6人が死刑
■
青海省:新型インフルで国内2例目の死亡者、流行は全土に拡大
■
江蘇省:日中韓僧侶1千人が世界平和の祈り=鑑真の故郷で仏教フォーラム
■
山東省:新種発見?世界最大規模の化石群擁する「恐竜谷」で新たな全身化石が出土
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上海汽車と双龍自動車
(歴史的転換点に立つ中・韓)
15.OCT.09
美朋有限公司董事長
中小企業家同友会上海倶楽部代表
上海センター外部研究員 小島正憲
中国の上海汽車工業(集団)総公司が韓国の双龍自動車有限会社から撤退した。この事件は中韓両国にとって歴史的な意味を持つ。今回は読者各位に早くこの歴史的事件に着目していただきたいと考え、自動車関連産業については門外漢である私の不出来な文章を、あえてお届けする。ご容赦をいただきたい。なおこの文章は京都大学経済学部の塩地洋教授の韓国自動車業界調査に便乗取材(韓国自動車関連学者、自動車工業協会幹部、民主労総元幹部、日系部品供給会社幹部など)させていただき、私の独断でまとめあげたものであり、責任は全て私に帰するものである。
≪双龍自動車の本社:京畿道平沢≫ ※経過説明 ≪双龍自動車:本社正門前で≫
中国の上海汽車は2004年10月、韓国の双龍自動車の株式48.9%を約5億ドルで取得した(後に51.33%を保有)。その後4年間は黒字基調が続いたが、08年9月の金融危機に遭遇し、09年1月深刻な資金難に陥り、ソウル中央地裁に法廷管理を申請した。この時点で上海汽車は双龍自動車の経営権を放棄した。その後、法廷管理人(会社側)により2600人余りの人員削減を含む再建案が出されたが、それに労組が猛烈に反発し、京畿道平沢の本社工場に労組員約500人が籠城。警察当局は工場内に部隊を突入させるなど、労組員との間に衝突を繰り返し、双方で20人以上の負傷者が出た。8/06、労使交渉が妥結。会社側は再生計画案をソウル中央地裁に提出。その中で上海汽車の持分について、減資を実施すると表明。現在、再生計画案が裁判所で審議中。
1.上海汽車の撤退に関する中国側の見解。
①この事件について中国のマスコミは、「上海汽車、双龍自動車に完敗。中国汽車業界の海外買収第1案件は5億ドルの損」と大きく報道した。そして完敗の理由として、世界金融危機下であり不可抗力であったとしながらも、上海汽車側の買収時期の選択、人材不足、危機処理能力欠如が大きかったとし、その上で韓国人との文化摩擦が最大の壁であったと下記のように述べている。
「上海汽車側から送り込まれた中国人経営陣の前に、韓国人労組が大きく立ちはだかり、結局、賃金や福利厚生面での交渉に明け暮れ、経営どころではなかったし、双龍自動車内に生産活動に従事しない労組幹部が100名以上在籍し、彼らがそれぞれ会社所有の専用車を乗り回していたり、会社の経営方針の決定に彼ら労組幹部の許可が必要であるなど、経営は困難を極めた。それでも上海汽車側は労組幹部を何回も上海に招待したりして融和をはかったが、結果として協調することができなかった。また、韓国特有の賄賂の習慣にもなじめず、中国と比べて経済犯罪に関する罰が軽いため会社内の不正の横行を糺すことができなかった。
上海汽車には国際経営経験の豊かな人材がいなかったことにも大きな反省材料がある。今回の完敗は不可抗力としての面もあるが、それでも上海汽車側は今後の世界展開のためによい経験をした。また現在、多くの中国企業の海外進出を、“走出去”政策として積極的に推進している中国政府にとっても大きな教訓であった」
②中国は膨大な貿易黒字を背景に、世界一の外貨準備高を持つようになり、企業の海外進出が人民元高の回避のためにも不可欠となってきた。なお、中国社会科学院の康栄平氏は、中国企業の海外進出の理由として、a自然資源の確保、b情報と技術の獲得、c市場の獲得、d金融資源の獲得、eグローバル競争の圧力、f輸出急成長の戦略的代替、g膨大な外貨準備の合理的使途、を挙げている。いずれにしても中国は、海外からの投資を引き続き呼び込まなければならないという開発途上国としての政策と、企業の海外進出を積極的に遂行していかなければならないという先進国としての政策を同時進行させねばならず、極めて難しい課題に直面しているといえよう。
最近、中国は日本でも、蘇寧電気がラオックスを買収するなど積極的な活動を始めているが、他国と比べると大型買収案件は少ない。しかし上述の康栄平氏によれば、中国企業も数年来の海外進出失敗例を教訓として、ニッチ市場を狙う戦略に切り替えているという。
2.双龍自動車側と韓国政府の見解。
①韓国側(今回取材した人たちの共通意見)は、上海汽車の買収策が、最初から技術を盗むことが目的であったと下記のように主張している。
「上海汽車は買収契約の際に、新規車種の開発に3兆ウォン(約2700億円)を追加投入することを明言したが、結局行わなかった。それを行っていれば、金融危機は乗り切れたはずである。しかし上海汽車は、オンラインで双龍自動車 の多くの情報を盗み出し、トラック2台分の技術を運び出し、さらにそれらを解読し伝授する韓国人技術者数十人を上海に連れ出し、双龍自動車のSUV車など数車種分の技術情報を完全に持ち去った。それらの技術を金額に換算すると、初期投資分(5億ドル)の3倍を超えるだろう。上海汽車はこれだけで大儲けをしたのである。
しかし韓国人自身の側にも、格下の中国人に買収されるという心理的な抵抗感があり、最初から上海汽車が技術の盗用を目的としていると決めてかかってしまい、協調姿勢を捨ててしまったことに反省材料がある。GMが大宇を買収したときのような感情で上海汽車を受け入れるべきではなかったのか」
②最近、韓国科学技術の多くが中国に漏洩する事件が増加しており、韓国政府は国家予算を投じて開発した技術が漏洩することに、極めて神経質になっている。2008年7月、韓国検察は双龍自動車が中国企業にハイブリッドカーの設計技術を渡したとして、同社本部および総合技術研究所の関連資料を取り押さえた。12月、現代自動車の変速器技術を中国に漏らしたとして、同社職員2名を起訴した。造船業界はさらに深刻で、韓国検察は、超大型原油輸送船などの構造図を中国企業へ渡そうとした韓国造船企業の前技術グループ長を起訴、三星重工から原油ボーリングの核心技術を持ち出そうとした中国船舶検査員を拘束、その他、現代や三星の中国人社員が重量大型コンテナ船や液化汽船の設計図を持ち出した事件も起きている。
3.中国政府と上海汽車の反省点。
①もし上海汽車側が主張しているように、この失敗が韓国労組の過激な行動にあるとするならば、中国政府はそれを反面教師とするべきである。なぜなら中国はまだ当分の間、外資の受け入れが必要な国であるから、工会(労組)や労働者が過激化しないように適度に調節しなければならない。一方的に労働契約法を労働者側有利な方向に押し進めるならば、やがては韓国のように労働組合が過激化し、収拾がつかないようになり、外資が逃げ出してしまうだろう。穏健な労使協調路線が取れるように、政府が工会や労働者を誘導しなければならない。
②今回の上海汽車の韓国撤退は、立場を変えれば、韓国企業の中国からの夜逃げと同様である。中国政府は夜逃げする韓国企業を無責任だとして強く批判をしているが、上海汽車も双龍自動車の従業員や多くの下請け企業、さらにその家族(総計19万名に及ぶという)を置き去りにしたわけで、それはいわば同罪である。したがって中国政府は、上海汽車のこの撤退方法が国際法上適法であったとしても、道義的にはそれを認めるべきではないし、他企業にこのような撤退を真似させるべきではない。
③ことに韓国側が主張しているように、上海汽車の買収が最初から技術の盗用だけが目的だったとするならば、それは褒められたものではない。今後も、このような買収劇を繰り返すならば、上海汽車のみならず、中国全体の企業が国際社会から孤立してしまうにちがいない。現在、中国政府は、国策として中国企業の海外進出を積極的に押し進めている。したがってこの上海汽車の失敗例から多くの教訓を学び、海外進出全企業を適切に指導すべきである。
9/11、上海汽車はGMのインド工場を買収交渉中であると発表した。インドも韓国と同様に、労働組合運動の過激な国であり、加えてインド人もプライドが高いので文化摩擦がおきやすい国であるから、慎重な経営姿勢がのぞまれる。10/09、四川騰中重工機械が、GMの「ハマー」を買収すると発表した。とうとう中国が米本国の大手メーカーの資産とその販売網などを買収するわけである。ここにも大きな文化摩擦が待っていると考えられるので、優秀な人材を大量に登用するなど適切な経営戦術を取り、上海汽車の轍を踏まないようにしなければならない。
④また当然のことながら、上海汽車の工会(労組)や労働者は、韓国の労働者を踏み台にして、利益をむさぼってきたわけであり、上海汽車経営陣が韓国撤退を決定する前に、同じ労働者として援助の手を差し向ける必要があったのではないか。また今後、上海汽車が本当の意味で海外進出し生産拠点を移動することになれば、上海工場は空洞化するわけで、それに諸手を挙げて賛成していてはならない。海外進出とは、本来、技術が流入してくるという側面が主要なのではなく、先進国同様に本国の労働者のリストラという運命に至るのが本筋だからである。まだ数年前まで技術を盗用しなければならなかった中国が、同時進行で海外に生産拠点を求めていくという動きとなり、そのスピードがあまりにも激しいので、工会も対応が難しいだろうが、労働者を守る立場を堅持するのならば、企業の海外進出にブレーキをかけなければならないし、進出先の国の労働者と連帯して行動を起こさなければならないはずである。
4.韓国政府と双龍自動車の反省点。
①上海汽車に双龍自動車が買収されるという事態に遭遇して、双龍自動車の労働者だけでなく、韓国人総体が格下の中国企業に買収されるということに心理的抵抗感があったという。今や中国は世界第2の経済大国にのし上がろうとしている。したがって今後、中国企業が他国の企業を買収することは日常茶飯事になる。また韓国政府も積極的に外資を導入して、経済の活性化をはからなければ、国際競争から落伍する。技術を盗まれることをこわがっていたら、この競争には勝てない。積極的に外資を受け入れ、それを自家薬籠中のものにすればよいのである。韓国政府を含め双龍自動車の韓国人経営者や労働者にはこの度量と努力が欠けていたのではないか。
双龍自動車の労働者は、今までの韓国人経営者ではなくて、中国人経営者のもとで働くことになったわけであるから、今までの労使慣行を見直すべきだった。もしこれからも過激な労働運動を続けるならば、この会社には永遠に外資の救世主は現れないだろう。
②今回、上海汽車の撤退と労組の不法占拠が終結後、9/08、双龍自動車労組の総会が開かれ、民主労総からの脱退が可決された。つまりそれまでの過激派路線が否定されたわけである。最近の情報では、生産が再開された現場では労働者が嬉々として労働に励み、会社再建に向けて努力しており、スト以前と比べ生産性が大幅に向上してきたと伝えられている。なお、現代自動車の労組委員長選挙でも中道実利路線の候補が、15年ぶりに過激派候補を抑えて当選した。これらの傾向は、韓国労働運動に歴史的転換点が訪れたことを証明している。反面、民主労総には官公庁系3労組が新規に加盟を決定し、その実力を保持しているという見方もある。
④1990年に韓国の10数名の女子労働者が、韓国からの日本企業の撤退に抗議して、その企業の日本の本社前(四国)で座り込みデモを決行したことがあった。その先例にならえば、双龍自動車の過激派労働組合の闘士たちは、工場の煙突に上って抗議するというような馬鹿げた行動ではなくて、中国本土の上海の上海汽車の本社前で座り込むべきではなかったのか。そして上海汽車の労働者はそれを全面的に支援すべきではなかったのか。企業はグローバル化し、世界を股にかけて活動している。このような時期には、労働組合もインターナショナルな活動をしなければならないのではないか。労働組合が外資にいかに対応するか、またその外資の本国の労働者といかに連帯するか、これが今後の世界の労働組合運動の大きな課題となるだろう。
⑤米国の新車市場で、韓国勢の販売シェアが急速に拡大しているという。長引く不況で消費者の低価格志向が定着し、ウォン安の恩恵を受けた韓国小型車が価格面で優位に立っているからである。この状況を活かせば、双龍自動車の復活再生も不可能ではないと思われる。上海汽車の撤退は時期尚早であったかもしれない。
以上
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中国経済最新統計】(試行版)
上海センターは、協力会会員を始めとする読者の皆様方へのサービスを充実する一環として、激動する中国経済に関する最新の統計情報を毎週お届けすることにしましたが、今後必要に応じて項目や表示方法などを見直す可能性がありますので、当面、試行版として提供し、引用を差し控えるようよろしくお願いいたします。 編集者より
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① |
② |
③ |
④ |
⑤ |
⑥ |
⑦ |
⑧ |
⑨ |
⑩ |
⑪ |
⑫ |
2005年 |
10.4 |
|
12.9 |
1.8 |
27.2 |
1020 |
28.4 |
17.6 |
0.8 |
▲0.5 |
17.6 |
9.3 |
2006年 |
11.6 |
|
13.7 |
1.5 |
24.3 |
1775 |
27.2 |
19.9 |
▲5.7 |
4.5 |
15.7 |
15.7 |
2007年 |
13.0 |
18.5 |
16.8 |
4.8 |
25.8 |
2618 |
25.7 |
20.8 |
▲8.7 |
18.7 |
16.7 |
16.1 |
2008年 |
9.0 |
12.9 |
21.6 |
5.9 |
26.1 |
2955 |
17.2 |
18.5 |
▲27.4 |
23.6 |
17.8 |
15.9 |
1月 |
|
|
21.2 |
7.1 |
|
194 |
26.5 |
27.6 |
▲13.4 |
109.8 |
18.9 |
16.7 |
2月 |
|
(15.4) |
19.1 |
8.7 |
(24.3) |
82 |
6.3 |
35.6 |
▲38.0 |
38.3 |
17.4 |
15.7 |
3月 |
10.6 |
17.8 |
21.5 |
8.3 |
27.3 |
131 |
30.3 |
24.9 |
▲28.1 |
39.6 |
16.2 |
14.8 |
4月 |
|
15.7 |
22.0 |
8.5 |
25.4 |
164 |
21.8 |
26.8 |
▲16.7 |
52.7 |
16.9 |
14.7 |
5月 |
|
16.0 |
21.6 |
7.7 |
25.4 |
198 |
28.2 |
40.7 |
▲11.0 |
38.0 |
18.0 |
14.9 |
6月 |
10.4 |
16.0 |
23.0 |
7.1 |
29.5 |
207 |
17.2 |
31.4 |
▲27.2 |
14.6 |
17.3 |
14.1 |
7月 |
|
14.7 |
23.3 |
6.3 |
29.2 |
252 |
26.7 |
33.7 |
▲22.2 |
38.5 |
16.3 |
14.6 |
8月 |
|
12.8 |
23.2 |
4.9 |
28.1 |
289 |
21.0 |
23.0 |
▲39.5 |
39.7 |
15.9 |
14.3 |
9月 |
9.9 |
11.4 |
23.2 |
4.6 |
29.0 |
294 |
21.4 |
21.2 |
▲40.3 |
26.0 |
15.2 |
14.5 |
10月 |
|
8.2 |
22.0 |
4.0 |
24.4 |
353 |
19.0 |
15.4 |
▲26.1 |
▲0.8 |
15.0 |
14.6 |
11月 |
|
5.4 |
20.8 |
2.4 |
23.8 |
402 |
▲2.2 |
▲18.0 |
▲38.3 |
▲36.5 |
14.7 |
13.2 |
12月 |
9.0 |
5.7 |
19.0 |
1.2 |
22.3 |
390 |
▲2.8 |
▲21.3 |
▲25.8 |
▲5.7 |
17.8 |
15.9 |
2009年 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1月 |
|
|
|
1.0 |
|
391 |
▲17.5 |
▲43.1 |
▲48.7 |
▲32.7 |
18.7 |
18.6 |
2月 |
|
(3.8) |
(15.2) |
▲1.6 |
(26.5) |
48 |
▲25.7 |
▲24.1 |
▲13.0 |
▲15.8 |
20.5 |
24.2 |
3月 |
6.1 |
8.3 |
14.7 |
▲1.2 |
30.3 |
186 |
▲17.1 |
▲25.1 |
▲30.4 |
▲9.5 |
25.5 |
29.8 |
4月 |
|
7.3 |
14.8 |
▲1.5 |
30.5 |
131 |
▲22.6 |
▲23.0 |
▲33.6 |
▲20.0 |
25.9 |
27.1 |
5月 |
|
8.9 |
15.2 |
▲1.4 |
(32.9) |
134 |
▲22.4 |
▲25.2 |
▲32.0 |
▲17.8 |
25.7 |
28.0 |
6月 |
7.9 |
10.7 |
15.0 |
▲1.7 |
35.3 |
83 |
▲21.4 |
▲13.2 |
▲3.8 |
▲6.8 |
28.5 |
31.9 |
7月 |
|
10.8 |
15.2 |
▲1.8 |
(32.9) |
106 |
▲23.0 |
▲14.9 |
▲21.4 |
▲35.7 |
28.4 |
38.6 |
8月 |
|
12.3 |
15.4 |
▲1.2 |
(33.0) |
157 |
▲23.4 |
▲17.0 |
▲2.05 |
7.0 |
28.5 |
31.6 |
9月 |
|
|
|
|
|
129 |
▲15.2 |
▲3.5 |
10.6 |
18.9 |
29.3 |
31.7 |
注:1.①「実質GDP増加率」は前年同期(四半期)比、その他の増加率はいずれも前年同月比である。
2.中国では、旧正月休みは年によって月が変わるため、1月と2月の前年同月比は比較できない場合があるので注意
されたい。また、( )内の数字は1月から当該月までの合計の前年同期に対する増加率を示している。
3. ③「消費財小売総額」は中国における「社会消費財小売総額」、④「消費者物価指数」は「住民消費価格指数」に対応している。⑤「都市固定資産投資」は全国総投資額の86%(2007年)を占めている。⑥―⑧はいずれもモノの貿易である。⑨と⑩は実施ベースである。
出所:①―⑤は国家統計局統計、⑥⑦⑧は海関統計、⑨⑩は商務部統計、⑪⑫は中国人民銀行統計による。