京大上海センターニュースレター
第76号 2005年9月27日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○ 上海センター・自動車シンポジウムのご案内
○ 中国・上海情報 9.19 -9.25
○我が社の対中経済交流−新疆・ウルムチに魅せられて−
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京都大学上海センター・中国自動車シンポジウムの御案内
日時・会場 2005年11月5日(土)12時 京都大学法経総合研究棟大会議室
プログラム
挨拶 京都大学総長 尾池和夫
第1部 市場はどこまで拡大するか――需要面の定量分析――
報告(1)現代文化研究所中国研究室研究主事 廖静南
報告(2)野村総合研究所事業戦略コンサルティング部
グループマネージャー上級コンサルタント 北川史和
報告(3)三菱総合研究所産業・市場戦略研究本部産業戦略研究部
国際産業研究チーム主任研究員 赤羽淳 (社名五十音順)
第2部 パネル 品質・開発力をどう見るか――供給面の定性分析――
松下電器産業グローバル戦略研究所首席研究員 安積敏政
元東風本田発動機技術顧問 小澤晃
小島衣料代表取締役社長 小島正憲
ダイハツ工業製品企画部副部長 津曲正人
元いすゞ中国事務所所長・中国担当部長 中村研二
愛知大学経済学部教授 李春利 (氏名五十音順)
懇親会
なお,事前のお申し込みがなくても御参加頂けますが,会場準備の都合上,下記までEメイルで御連絡頂ければ幸いに存じます。シンポジウム,懇親会とも参加費はございません。
京都大学大学院経済学研究科 塩地洋
shioji@econ.kyoto-u.ac.jp tel:075-753-3428 fax:075-753-3492 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
中国・上海ニュース 9.19−9.24
ヘッドライン
■ 世銀報告:中国の貯蓄率25.5%、世界第2位
■ 中国:2004年産業事故で13万人死亡
■ 中国共産党中央党校:中国の貧富格差を強く警告
■ 中国鉄道部:民間資本による鉄道投資を奨励へ
■ 中国:1−8月所得税収入35%増、10年で6.6倍
■ 中国:2005年9月現在自然災害による死亡者1630人、損失1630億元
■ 上海:鉄道南駅、ガラス張り天井が今月中に完成へ
■ 広東省:超過残業など労働法規違反企業を公開
■ 河南:鄭州・西安間の旅客鉄道が着工、新交通圏形成へ
■ 西安:28日から欧米7都市へ旅客便就航
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我が社の対中経済交流−新疆・ウルムチに魅せられて−
日中経済貿易センター理事 辰野株式会社 代表取締役専務 辰野元彦
私と新疆・ウルムチ市とのご縁は、今から丁度9年前、1996年の夏に遡る。
ウルムチから大阪教育大学に来ていた留学生から、「是非一度ウルムチに来て欲しい」と言われたことがキッカケである。年齢も50歳に近くなり、「新しい海外の仕事を始めるなら今しか無い!」という気持ちも有って夏休みを利用して初めてウルムチを訪問した。
何ヶ所かを視察したが、一言で言って「新疆の無限の可能性」に感動した。石油・天然ガス・石炭をはじめとする豊富な地下資源、広大な土地での農業・牧畜業、ウルムチ市の成長力、雄大な自然・観光資源などなど、日本には無いものばかりである。他方、技術・ノウハウや資金面での立ち遅れが目立っていた。もしも日本と新疆との経済交流が盛んになれば、双方にとって大きなプラスになるに違いないと確信し、「こことビジネスをしよう」と直感的に意思決定した。
それでは、どんな仕事をするか?現地ではいろんなプロジェクトの紹介を受けたが、当社の本業(繊維・不動産経営)にも関連しており、ウルムチ市政府も全面的協力を約束してくれた「地下商店街開発」の事業に取り組むことにした。帰国後、社内で報告もしたが、誰一人として賛同者はいなかった。無理も無い。上海・北京あたりなら兎も角として、当時「ウルムチ」といっても殆ど情報も無く、リスクの有無を検討することすら出来ない状況だった。
しかし、「もう決めてきた」と言って、強行にスタートした。(大企業ならば、当然に却下されていたに違いない。これが実現出来たのは、中小企業の長所であり欠点だと思っている。)
いろんな苦労も有ったものの、契約締結からオープンまではトントン拍子に進める事が出来た。全長139m、幅24mと小規模な地下街ではあるが、1997年4月に着工して8ヶ月後の1998年の元旦にはオープン出来たのだから、日本では考えられないスピードである。「その秘密は?」とよく聞かれるが、@当時はオープンカット方式が可能だったこと、A24時間3交代で休日一切なし、B雨が殆ど降らない、の3点がその理由である。
オープン後も、手塩にかけて教育した社員を多数引き抜かれたこと等々、頭を打つことも多かったが、日本流の「お客様を大切にするサービス精神」も行き届き、今ではウルムチを代表するファッション・ストリートになる事が出来たと自負している。ここまでこれたのも、現地の若い中国人スタッフの知恵と情熱に依るところ大であり、私としては感謝の気持ちで一杯である。中国の若い人達の向上心・バイタリティ、新しいものを吸収する積極性には敬服している。
この地下街の事業をご縁として、これまで7回に亘り「中国新疆視察旅行」を主催し、毎回20名近くのご参加を得ている。今後も毎年続けていく所存であるが、一人でも多くの日本のビジネス関係の方々に新疆を知って貰い、両者のパイプが少しでも太く短くなることを願って止まない。
今後、中国と日本との相互理解を深めることはますます重要になってゆく。そのために、我々民間経済人の責任も重大であることは言うまでも無い。私は全く微力ではあるが、「新疆と日本との橋渡し」のために、些かなりともお役に立つべく努力したいと考えている。