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京大上海センターニュースレター
第98号 2006年3月3日
京都大学経済学研究科上海センター
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目次
○上海センター「比較経済改革セミナー」のご案内
○ 中国・上海ニュース 2.20-2.26
○「北東アジア研究交流ネットワーク」設立総会開催の報告
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上海センター・セミナー「共産党政権下の経済改革を比較する」のご案内
開催日時 2006年3月4日(土)13:00-17:30
会場 経済学研究科第311教室
開会挨拶 山本裕美(京都大学経済学研究科上海センター長)
会議の趣旨説明 大西 広(京都大学経済学研究科教授)
報告と討論
第T部 ラオスとベトナム(通訳あり)
「ラオスにおける経済改革の特徴について」(13:20-14:20)
スサバンディット・インシシェンメイ(ラオス計画投資委員会国家経済調査研究所)
「ベトナムの経済改革と比べたラオス改革の特徴について」(14:20-14:40)
ヌゲン・ノグトアン(ベトナム国立政治アカデミー専任講師)
討論(14:40-15:15)
休憩
第U部 キューバと中国
「キューバにおける経済改革の特徴について」(15:30-16:30)
新藤通弘(アジア・アフリカ研究所・研究員)
「中国の経済改革と比べたキューバ改革の特徴について」(16:30-16:50)
大西 広(京都大学経済学研究科教授)
討論(16:50-17:25)
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中国・上海ニュース 2.20−2.26
ヘッドライン
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中国:2005年金融分野へのFDI、120.81億ドル
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中国:上海−杭州間リニアを国務院が認可、2010年操業へ
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中国:天然ガス発電が燃料不足で苦境、原子力発電などに活路
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上海:国内外商業銀行オペレーションセンターが30に
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大連:不動産価格高騰続く、1月は前年比18.9%上昇
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上海:加工貿易方式転換、OEMからODMへ
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上海:国有企業集団など幹部の所得を年末公開へ
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上海:「上海汽車」、独自ブラント車生産へ
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武漢:東風ホンダ、武漢工場4倍に拡張
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広州:日系ビッグ3生産体制固め、乗用車生産全国2位に
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「北東アジア研究交流ネットワーク(NEASE-Net)」
設立総会開催の報告
去る1月28日、標記の総会が総合研究開発機構大会議室で開催され、NEASE-Net(Northeast Asian Studies & Exchange Network)が正式に発足いたしました。設立総会には、発起人74名のうち34名、新入会員1名、およびNIRAの事務局関係者など総勢40名が出席しました。
同ネットワークの設立趣旨は、日本国内における北東アジア関連の研究機関や研究者を有機的にネットワークで結び、共同研究が可能な分野においてはそうすることでより高い効率と効果を目指し、それによって研究機関・団体および研究者がお互いに横の連携を強化し、研究の能力と効率を向上させることにあります。さらには、そうした活動の研究成果の発信すること、つまり政界や政府に対する政策提言、マスコミを通じた社会への発信を強化し、社会や市民に対して北東アジア地域への関心を高めることを狙いとしています。
同ネットワーク設立目的は、会則第3条“北東アジア地域を研究対象とする研究機関・団体および研究者の間の研究交流を推進することにより、当該研究機関・団体および研究者の研究能力、政策提言能力および情報発信能力の強化を図り、もって北東アジア地域の平和と発展に寄与する”に表現されています。その目的を達成するため、同ネットワークは、@北東アジア地域に関する研究交流会議の開催、Aニューズレターの刊行、B北東アジア地域に関するデータベースの構築および研究機関等が発行する出版物または刊行物等の相互交換その他の情報交換に対する支援、C北東アジア地域を中心とするアジア地域に関する喫緊の課題または共通課題に関する共同研究およびその成果に基づく政策提言、D研究者の相互派遣の仲介、E研究交流会議ならびに共同研究等による研究成果の出版に対する助成などの活動を展開する予定です。
総会は増田祐司 島根県立大学副学長の司会の下、塩谷隆英 総合研究開発機構理事長(当時)により、開会の挨拶およびネットワーク発足の経緯についての説明で始まりました。塩谷氏の説明したネットワーク発足の経緯を改めて簡単に紹介しますと、最初は2003年12月、東北大学東北アジア研究センターの呼びかけで北東アジアに関する研究をする環日本海経済研究所、島根県立大学と総合研究開発機構の4機関が東北大学に集まり、お互いの研究を紹介し合う機会を持ったことに端を発します。各自が研究している内容を発表いたした所、あまりにもお互いの研究を知らずにいたことに一同驚き、研究者同士がもっと連携し協力し合えば北東アジアに関する研究はもっとレベルアップできるのではないか、研究機関と研究者が連携して共同研究や政策提言を行なえば政策当局あるいはマスコミに対してもっとインパクトを及ぼすことができるのはないか、ということになりました。そこで集まった4人が呼びかけ人となりネットワーク設立の発起人を募った結果、当初の予想を超える人数の方々が発起人に名乗りを挙げてくださいました。その事実から、それぞれの立場でネットワークの必要性を感じていたことを改めて確認できました。
総会では続いて、平川新 東北大学東北アジア研究センター長が会則案に関して説明し、それに基づく討議を経て、会則が承認されました。
引き続き、役員の選出が行なわれ、吉田進 環日本海経済研究所理事長より準備委員会で提案された幹事会候補者が推薦された後、出席者からの推薦を加え、代表幹事1名、副代表幹事4名、幹事16名、会計監査1名の総勢22名の役員が承認されました。
谷口誠 岩手県立大学総長より、「21世紀はアジアと付き合っていくことが日本の将来になると考えておりまして、日本のためにもアジアのためにも頑張っていこうと思う。忌憚ない意見交換、活発な意見交換をしながら、本当によいネットワークを築いていきたい。我々はこのネットワークで、日本のアジア政策を変えていこうという意欲でありたい」との初代代表幹事就任にあたっての挨拶がありました。
最後に、李鋼哲 NEASE-Net幹事兼事務局長がネットワークの運営方式と活動内容について説明し、総会の了承を得ました。
総会議事の終了後、西原春夫 アジア平和貢献センター理事長より「アジア政策について考慮すべき4点」という題で記念講演をいただき、総会は終了しました。(以上)
2006年2月8日
北東アジア研究交流ネットワーク
事務局長 李鋼哲