経済学の研究対象である経済活動は、人間が生きていくためにもっとも基本的なものです。私たちが毎日生活しているのは、多くの人々が日々経済活動を営んでいるからこそ可能となっているのです。しかしその経済活動は決して単純なものではなく、産業の空洞化、雇用問題、財政赤字、地球環境問題など、私たちが解決すべき経済問題が、次々と新たに発生し、複雑性を増しています。
このような状況を前にして、経済学の課題を解決するためには、即効性のある個々の断片的な知識をつめこむよりも、どのような事態になっても対応できる柔軟な思考力と創造性を備えることが、むしろ重要であると私たちは考えています。
本学部は、大正8(1919)年に創設された、日本でもっとも古い伝統を誇る経済学部のひとつですが、この長い歴史を通じて、基礎的な科目の教育を充実すると共に、絶えず新しい分野の学問を教育することを心がけ、社会経済の激動に柔軟に対応し、解決策を発見、創造できる人材を育成することを目標としてきました。
そして現にわが学部は、学界、官界、産業界などで、このような能力を持つ多くの人材を輩出してきたと自負し、またそのような評価も受けています。
私たちは、このような京都大学経済学部の良き伝統を継承し、そこに新たな歴史の一ページを刻み込む強い意欲を持つ学生諸君が門を叩いてくれることを望んでいます。
多様な背景をもつ学生を受け入れるため、本学部では、前期日程試験において「一般入試」、「論文入試」および「理系入試」という3種類の学力検査を実施しています。これら3種類の入試すべてで、高等学校までに十分な基礎的学力を身につけることを求めていますが、とくに論文入試においては、総合的な学力とともに自学自習の能力を重視した選抜を行います。また理系入試では数理的能力を重視した選抜を行います。
