京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

留学体験談 -experience-

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ルーヴェン・カトリック大学 -KU Leuven-

研究・学習成果 -studying-

  • 当初は授業どころかオリエンテーションや様々な手続きでの英語の聞き取りや会話に苦労し、授業についていくだけで精いっぱいでしたが、授業の予習や録音を用いた復習などを重ねるうちに、授業で取り扱われる分野の語彙が増えていき、また英語への慣れからリスニング能力が向上したこともあって、講義内容は理解できるようになっていきました。それでも、他国の留学生のように授業中積極的に手を上げて自分の意見を述べていくといったことはまだ困難で、英語「で」学ぶ場を、英語「を」学びに行く場にしてしまったのが少しもったいなかったです。
  • 講義に関しては、ヨーロッパの統合の過程における政策の展開や、一般的な政治学など、自分が学んでいる分野のものを受講しました。正義論や言語政策の正当性など、様々な政策課題を倫理や正義といった側面からとらえることのできる科目もあり、貴重な体験になりました。ヨーロッパは日本よりも目に見えて多民族化、混血が進んでおり、あらゆる政策を決定する中で、それを万人に平等なものに近づけていくことの社会的、倫理的意義の大きさとその必要性を肌で感じることができました。
  • ブランドの構築、国際経営、消費者行動、イノベーション、ベネルクス三国の歴史についての5つの講義を通して、それらの理解が深まると同時に、英語のリスニング、スピーキング、リーディング、ライティング能力が向上しました。
  • 海外の学生の自身の学習や職業に対する考え方、社会情勢に対する考え方、また生活に触れ、日本という国を客観的に見ることができるようになりました。

出発前の各種手続き、準備 -preparation-

  • 留学ビザの取得手続きが困難で、非常に時間と費用がかかりました。また、ベルギー大使館は東京にしかないので、必要書類を正確に準備していく必要がありました。
  • 21歳以上は「無犯罪証明書」が必要で、依頼から発行までにとにかく時間がかかりました。
  • 「英文健康診断書」を作成してくれる病院が限られていました。
  • ベルギーでの生活費の保証として、奨学金の受給予定がない場合や自分自身の収入が基準に満たない場合は、保証人(親など)と同行して大使館に行かなければならず、親の予定調整も必要でした。

寮生活、その他生活 -living-

  • 寮生活は非常に満足いくものでした。私は留学生向けの大規模な学生マンションのようなところに入居しましたが、一般的な現地での寮を選ぶ基準としては、学校運営の物件か個人所有の物件か、一人部屋か二三人の相部屋か、プライベートキッチン・バスルームの有無などがあげられます。値段はプライベートな部分があればあるほど高価で、私の場合は駅にほど近いキッチン共用、プライベートバスルームの一人部屋で、家賃は月500ユーロくらい(水道光熱費インターネット込)でした。
  • ルーヴェンは町の中心に大学があり、それを囲むようにして半径2-3キロの環状道路(リング)が走っていて、学生は主にそのリングの内側で生活しています。スーパーなども豊富にあり月極自転車貸し出しサービスや自転車専用道も非常に発達していて、自転車でどこでも行ける京都に近い感覚があります。家賃はリング中心や駅に近いほど高くなるものと思われますが、駅を利用する場合を除いては、自転車での移動が便利なため中心から離れた場所でも不便を感じることは少ないでしょう。逆に町の中心地ではバーが集積し毎日明け方まで飲む学生や住民がいるため、騒音に悩まされる可能性があります。
  • 留学生が比較的多い寮へ入寮。12人の学生でキッチンをシェアしながら生活しました。共同スペースでは趣味について、授業について、それぞれの国の文化について、政治についてなど様々な話題で盛り上がりました。クリスマスパーティや誕生日会なども開催し、和気藹々とした雰囲気でした。
  • 留学生の待遇が非常に良いです。学期初めには多くの交流イベントが企画され、容易にコミュニティを広げることができた。Buddy Programに登録すると、現地生徒がチューターとなって街を案内したり様々なことを教えてくれます。
  • 日本語学科があるため、日本に興味のある現地学生が多く、友人を作りやすいです。
  • ヨーロッパ諸国へのアクセスが抜群。(空港や鉄道の駅まで20分でアクセス可能)

留学中の問題点・困難な点 -difficulties-

  • 物価が日本より高く、経済的な苦労がありました。
  • 現地の人々は基本的にはオランダ語で会話するため、常に英語を目にしたり耳にしたりする環境ではありませんでした。(ただし皆流暢に英語を話すので、生活する上で支障はありませんでした。)
  • 店が閉まる時間が早い。(18時)

当初の目標と達成度、これから留学する人へのアドバイス -achievement and advises-

  • 英語「で」学ぶのではなく英語「を」学びに行くことにならないよう、しっかりと語学力をつけておく必要があります。私の当初の目標は授業についていき現地で友人をたくさん作るというものでしたが、これらはある程度達成できたと思います。ただ、より英語力があれば留学の充実度はもっと高いものになったと考えられます。
  • いろんな国の学生と話をすることで様々な価値観を学ぶことができました。特に大学において専門性を身につけようとする意識、政治への関心の高さ、また家族を大切にする思いなどは日本の学生と比較して非常に高く、見習いたいと感じた点でした。
  • ルーベンは治安が良く美しい街で、教授や学生のレベルも高く、学生の交流も盛んで、留学生活を送るには素晴らしい環境であると思います。留学を考えている方にはぜひお勧めしたい場所です。留学中に最も大切なことは、目的をもって自分から動くことだと思います。私は、英語力をあげ、多くの方の考え方を聞きたかったので、グループワークがある授業を受講したり、パーティなどにも積極的に参加したりするようにしていました。是非目的意識を持って有意義な留学生活にしてください。