進化経済学会・塩沢由典(編)

『方法としての進化』 ゲネシス進化経済学

ISBN 4-431-70860-X 定価 2500円 2000年6月 シュプリンガー・フェアラーク東京


各章の執筆者
序章・第1章 塩沢由典(大阪市立大学経済学部)
第2章 藤本隆宏(東京大学経済学部・大学院経済学研究科)
第3章 丹沢安治(専修大学経営学部)
第4章 尾近裕幸(國學院大学経済学部)
第5章 森岡真史(立命館大学国際関係学部)
第6章 吉地 望(北海道大学経済学研究科博士課程)
第7章 中島義裕(京都産業大学経済学部)
第8章 竹田茂夫(法政大学経済学部)


目次

「ゲネシス進化経済学」刊行にあたって

序章 方法としての進化・解説

1 はじめに
2 進化経済学の方法/第1部
3 進化概念の再検討/第2部
4 金融市場の進化論的考察/第3部
5 むすびと期待

第I部 進化経済学の課題と展望

第1章 進化経済学の課題

1 はじめに
2 生物進化論と進化経済学
3 経済における進化
4 ふたつの「選択」概念
5 いわゆる「進化ゲーム」について
6 環境と複製子の共進化
7 エージェント・べースの進化ゲーム
8 まとめ

第2章 実証分析の方法

1 はじめに:方法論的進化論
2 既存社会科学研究における進化概念の再検討
 2.1 進化概念の多義性
 2.2 社会システムに適用される進化概念とは
 2.3 「進化」と「進歩」
 2.4生物進化論と社会システム進化論
3 実証的社会システム進化論の方法
 3.1システムが合目的性をもつことの推定
 3.2システム安定性とシステム変化が観察(あるいは推定)されることの確認
 3.3変異のメカニズムに対する説明:非目的論と「意図せざる結果」
 3.4保持のメカニズムに対する説明:遺伝子とルーチン
 3.5選択のメカニズムに対する説明:「緩やかな淘汰」と「不器用な適応」
 3.6「発生の論理」と「存続の論理」の分離
4まとめ

第II部「進化」という方法の遺産

第3章 制度と進化論的アプローチ

1 現代の制度問題と新制度派経済学
 1.1 問題状況
 1.2 制度とは何か
 1.3 制度の発生と変化に対する競合的アプローチ
2 制度の発生とナッシュ均衡へのロックイン
 2.1 サグデンの制度発生の理論
 2.2 マクロレベルでの制度の発生[自生のメカニズム]:市場メカニズムの発生
 2.3 発生した制度の暫定性:弱い進化観の反映
 2.4 ナッシュ均衡へのロックインと効率性の観点による制度分析
3 進化論的アプローチと新制度派経済学の統合
 3.1 新制度派経済学:3つのアプローチ
 3.2 所有権理論と外部性のコントロール
4 取引費用理論と進化論的アプローチの統合
 4.1 取引費用理論
 4.2 進化的新制度派経済学のアプローチ
5 まとめ

第4章 進化経済学へのハイエクの遺産---脱均衡・自生的定常秩序・局所的適応

1 はじめに
2 「均衡」概念からの離脱のための奮闘---ハイエクの知的生涯
 2.1 動学的一般均衡理論への期待
 2.2 一般均衡理論の方法論的研究とその帰結
 2.3 「均衡」から「自生的秩序」へ
 2.4 「自生的秩序」概念との相互作用
 2.5 「均衡」概念からの離脱のための奮闘
3 カレン・ボーンの「ハイエクの隠れた経済学:ルールと秩序の間題」
 3.1ボーン論文の特徴
 3.2ハイエクにおける「隠れた経済学」の発展
4 進化経済学への「ハイエクの遺産」
 4.1 「隠れた経済学」から明示的な「経済学」へ
 4.2 自生的定常秩序の再生産
5 まとめ

第5章 進化における定常性

1 はじめに なぜ定常性か
2 定常性と循環視点・進化視点
3 定型行動の諸側面
4 定型行動の合理性
5 定型行動と定常過程
6 定常性を支える諸要因
7 まとめ

第III部進化経済学の諸相

第6章 不確実性下での期待形成と仮説の進化---為替相場における期待形成をとおして

1 主流派為替理論のハードコア脱構築
2 外国為替相場の枠組み
3 外国為替デイーラーの期待形成
4 複雑な課題環境としての為替市場
 4.1 ファンダメンタルズ概念とその不明瞭性
 4.2 為替相場変動理論モデル
5 内部環境(主体側の合理性の限界、ルール支配戦略、発見的探索法、階層的意思決定)
 5.1テクニカル分析
 5.2市場心理分析
 5.3ファンダメンタル分析
6 適応行動と市場動態
 6.1 期待制約相場
 6.2 期待無制約相場(バンド・ワゴン効果)
 6.3 権威と市場
7 まとめ

第7章 経済の揺らぎとフラクタル

1 はじめに
2 相関次元分析
 2.1 フラクタル次元
 2.2 カオスとアトラクタ
 2.3 Takensの埋め込み
 2.4 相関次元分析
3 TOPIXの相関次元分析
4 モデル
5 モデルの比較分析
6 議論と課題

第8章 市場を理解するために:行為、メカニズム、制度の視点から

1 市場の失敗
2 コンテージョン(危機の伝染)
3 金融的連関
4 市場・政府の二分法
5 制度フェティシズム
6 市場を理解するために:研究プログラムの提案