今久保ゼミ・黒澤ゼミ合同

工場見学・海外ゼミ旅行の記録

1.工場見学

 今久保ゼミ・黒澤ゼミでは,毎年2回(通常春・秋)大学院ゼミとも合同で工場等,各種経済関係施設の見学を行っています。最近では経済学研究科の他の先生が参加されることもあります。毎回和気藹々とした雰囲気の中,刺激的で有意義な現場学習を行っています。

これまでの訪問先
実施年度 見学先/訪問日 みどころなど【略記。詳細は下に】

写真
平成21(2009)年度

日本製紙クレシア(株)京都工場

舞鶴赤レンガ博物館

準備中 準備中
神戸港・三井倉庫(株) 神戸市所有船で神戸港の港湾機能の解説を受けながら港内クルーズ,昨年見学した三菱重工や,2005年の見学先である神戸製鋼の工場を海からみることもできました。下船後,三井倉庫(株)にて,コンテナ埠頭を見学。ロジスティクスの最前線について学習しました。
平成20(2008年)年度 清水焼団地 京都の伝統産業の一つ,清水焼の展示場と工房を見学。いわゆる大工業とはことなる,工芸型のものづくりについて,理解を深めました。清水焼の消費地型産地としての特質や,技能継承,技巧の過去・現在・未来についての解説は興味深いものでした。また工房では,何人かのゼミ生が自ら作陶に挑戦し,体験型のユニークな工場見学を堪能しました。
三菱重工業(株)神戸造船所 MRJをはじめハイテクでも知られる総合エンジニアリング企業である三菱重工の神戸造船所を訪問しました。原子力機器をはじめ,社会インフラとして暮らしを支える製品群の工場から,重厚長大・質実剛健のモノづくりの王道を学びました。
平成19(2007年)年度 明治製菓 作成中
川崎重工業明石事業所 多角的エンジニアリング企業として近年,業績を急速に伸ばしている川崎重工。今回は,モーターサイクルエンジン工場・同組立工場,それに,産業用ロボット工場を見学しました。四輪とはひと味違う生産システムの世界を垣間見ました。

平成18(2006)年度 ハードロック工業/企業家ミュージアム 新幹線に使われている,どんな衝撃が加わっても緩まないボルト! 独自の発明・技術革新で注目をあびるベンチャー型小企業を訪問しました。ミニSL乗車体験のあとは,大阪産業創造館で関西の企業家について学びました。
シャープ八尾事業所+亀山事業所 テレビの宣伝でもお馴染みの「世界の亀山モデル」。門外不出のハイテクに触れる機会を得ました。超微細加工の「重厚長大」装置産業の姿は圧巻でした。また,これとは対照的ですが,「どっこい生きてる」日本の家電産業,八尾の冷蔵庫工場も,興味深い見学でした。
平成17(2005)年度 神戸製鋼神戸製鉄所/灘浜サイエンスパーク 天に聳える高炉。灼熱の棒鋼が猛スピードで突進する工場。これぞ,地に足つけたものづくりの神髄です。自動車エンジン用スプリングなど高付加価値鉄製品で世界的シェアをもつ神戸製鋼と,隣接の神鋼神戸発電所(石炭火力発電所),さらには,鉄鉱石の気持ちがわかる?,灘浜サイエンスパークを見学しました。

【写真】同社HP,http://www.kobelco.co.jpより転載

三洋電機大東事業所/サンヨーミュージアム デジカメ製造で世界的シェアをもつサンヨー。エレクトロニクス産業の現況を学び,また軽薄短小品ならではの加工組立の世界を垣間見ました。
平成16(2004)年度 スイス・チューリヒ交通連合オフィス・保守工場

2004年,黒澤准教授は在外研究で一年間,スイスチューリヒ大学へ。ゼミ生は他ゼミに移るなどしましたが,今久保ゼミと福島大学の森ゼミの合同海外ゼミ旅行をスイスで受け入れ,特別版工場見学となりました。

環境に優しく都市渋滞を解消した交通システムで世界最先端をゆくチューリヒ。

平成15(2003) 年度 関西空港二期工事 訪問先は工場ばかりではありません。今回は,想像を絶する規模で埋め立てが進む関西空港二期工事を見学。
松下電器 PAVC社門真工場 急拡大するDVD/HDDレコーダ市場。その生産現場を訪れて,「セル生産方式」はじめ,最新の生産システムとエレクトロニクス産業の現況について学びました。
平成14(2002) 年度 キリン京都ビアパーク ビールの原料にある「コーン・スターチ」とは,コーンとスターチか,いわゆる「コーンスターチ」か? いろいろ勉強になりました。(1999) 残念ながらその後閉鎖
日本電産滋賀技術開発センター/自動車用パワステ工場 過去10年の株式時価総額伸び率日本企業Nr.1。今や京都を代表する企業となった日本電産。

【写真】同HPより転載

平成13(2001) 年度

オムロン綾部事業所

グンゼ記念館

ハイテク産業が海外移転し,伝統産業のイメージが強い繊維・アパレルが日本で生き残る。通俗的な製造業認識では知り得ない現代のものづくりの妙を,この京都の2つの工場で発見しました。
住友博古館ほか 準備中 準備中

2008年12月 清水焼団地訪問記

黒澤ゼミ2回生 喜多泰弘

今回の訪問先は,京都市山科区にある清水焼団地であった。日本有数の伝統工芸品「京焼・清水焼」はここで作られている。

まずはじめに清水焼団地展示場・事務所に立ち寄った。展示されている作品を見るに,京焼・清水焼のバラエティさを実感した。陶器,磁器,形状も食器や花器,インテリアに至るまで多種多様である。

 次に,私たちはギャラリー洛中洛外へ移動した。ここで,京焼・清水焼の歴史を教えていただき,また質疑にも応じていただいた。都である京都では生産地=消費地であるという市場としての特殊性を有していたこと,絵かき・作陶などの分業によるレベルの向上,煙による公害問題もあり共同釜を設置していたことなど多くのことを学ぶ。5世紀から続く伝統技術の重みがひしひしと感じられた。

 また,店名の由来ともなっている「国宝・洛中洛外図屏風」が,縦1.6メートル,横3.5メートルもの壮大な24枚の京焼によって再現されていたのには,ただただその細かさに驚かされるばかりであった。

 作陶家の方の工場にもお邪魔させていただいた。壁には作品がところ狭しと並べられていたが、どれ一つとっても同じものはない。全てが職人の手作りなのである。釜の温度調節,焼き加減の判断には温度計など役にたたない。自らの腕のみが頼りというところに職人の凄みを感じた。最後に,希望者には作陶を体験させていただけるなどいろいろお気遣いいただいた。お忙しいなか見学を受け入れていただき,さらに作陶の機会まで与えていただき,感謝するばかりである。

見学を通して,随所で京焼・清水焼への自信,職人としてのプロ意識を感じた。1500年以上続いている伝統もかくしてまた引き継がれるのだろう。

2008年6月 三菱重工神戸造船所訪問記

黒澤ゼミ3回生 井澤龍

 梅雨の中休み、神戸市営地下鉄海岸線「和田岬駅」を出ること徒歩3分、正門の遥か手前で、我々を迎え入れるため笑顔で駆け寄る今回工場見学受け入れ先,三菱重工神戸造船所の社員の方の姿を見た。 

 正門をくぐると、私たち30名弱は構内に設置された横断歩道を渡り、設計開発センターにある一室に招かれた。深い背もたれ付の椅子の横に一つ一つ丁寧に置かれたヘルメットを見ると、今日見学させて頂く場所の正装とはこれなのだと身が引き締まる。我々の工場見学をより実りあるものにしようという神戸造船所関係者の御好意で当室において三菱重工の事業説明を40分ほどして頂く。三菱重工の製品とは産業基盤そのもの(発電所、産業機械、H2Aロケットなど)であるという説明に三菱重工が果たしてきた使命とその重みを感じる。事前学習を一週間前に行ってきたこともあり、40分中半分弱を占めた原子力事業の説明に、三菱重工、特に神戸造船所における意気込みを書物で感じる以上の生の実感で得ることが出来た。さて、事業説明が終わるとヘルメットの出番がやってきた。ヘルメットの装着に加え、レシーバーも装着し、耳にイヤホンを着け、ガイドの方の指示が聞こえるようにする。準備が済むと、いよいよ構内の見学である。

 まずはじめに、料金機械の製造工場を見せていただく。高速道路で見かけるような料金支払い装置が横一列に並ばれている様はなんともおかしみのある光景であった。この料金機械の中にはETC向け機器(路側機器、車載器共)が含まれるが、路側機器を作り上げた技術力に感嘆する共に、ETC車載機が群を抜いて三菱重工最小の機械であるらしく、そこにも三菱の新しい挑戦があったのだと納得する。

 料金機械製造工場を見終えると一団は海の方向へ誘導される。目前に広がるのは全長200mの船の製造現場と背景としての海。排水量6万トンのコンテナ船の製造現場にただただ口を広げて仰ぎ見るだけである。時折発せられる溶接による火花にこの巨大な物体が船になろうとする意思を感じる。通りがかった作業員の方が我々の素人質問に丁寧に答えてくださりしばし船に魅了された。

 次に我々は船に設置されるディーゼルエンジンを見学する。当日はディーゼルエンジンの試運転日であったらしく工場半径100m辺りからもうレシーバー無しではいられない。ついにはレシーバーによる指示ですら聞き取りにくくなるほどの轟音であったがいざ機械に近づくとその装置への関心に心が奪われ、立ち止まり出来る限り近くで機械を見ようとする者が多かった。

 最後に見たのが神戸造船所が誇る原子力発電プラント機器であった。工場は先ほどと打って変わって全くの静寂の中作業が行われていた。静かに最先端機器を誇るその工場の様は自信に満ちていた。その後、設計開発センターに戻り、展示ホールにおいて神戸造船所の道のりについての展示を見、1時間余りであったが非常に満足した構内の見学を終えた。一室に戻った我々は今回の工場見学に尽力してくださった京大OBによる和やかな会社説明の案内と質疑応答をし、三菱重工 神戸造船所の工場見学を終えた。

 今回の工場見学で最も強く感じたのは尽力頂いた京大OBの方、事業説明をして下さった社員の方等々三菱重工関係者全てに見られる「社会の基盤を自分たちの製品が荷っている」という高いプライドと責任感であった。そのエンジンの轟きはまだ私たちに残っているのである。


2008年6月 明治製菓 訪問記 

今久保ゼミ3回生 吉川 長伸

小さなころから慣れ親しんでいたお菓子ですが、どのように作られているのか目にする機会はほとんどありませんでした。しかし今回の工場見学でカカオや小麦粉からどのように味付けされ、かわいいパッケージに入っていくのかを垣間見ることができました。すこし不思議な気持ちでした。生産ラインは機械化されており規則正しくマシーンがお菓子を作り出していく風景はその名のとおり、お菓子工場なのですが、普段自分たちが食べているお菓子とはどうしてもつながりません。カールはカールおじさんが作っているのでは?という小さいころの呪縛がいまだにあるようです。しかし機械化部分が多くてもチョコレートに入れるアーモンドやマカダミアナッツの大きさや形は人の目で確認されており、CMで言っている事は嘘ではありませんでした。僕たちの子供が今よりももっとおいしいお菓子を食べられるように、明治製菓さんにはがんばってもらいたいと思います。


2006年2月,ハードロック工業 (東大阪市)訪問

大貝健二,D1,岡田ゼミよりゲスト参加

 大阪府東大阪市、大阪市営地下鉄中央線高井田駅をでて徒歩5分、工場と住宅地が密接している場所に今回の見学先であるハードロック工業株式会社はあった。
 東大阪と言えば、一時期「まいど1号」の名で、町工場のおやっさんたちが人工衛星を作ろうとしているテレビCMなどでもおなじみである。このCMが示していたように、東大阪は、現在でこそ工場数は7000強とピーク時の10000から減少してはいるものの、従業者数50人未満の工場が全体の98%を占める、中小零細工場の集積地である。業種では金属製品、一般機械、プラスチック製品製造業が中心である。ハードロック工業株式会社も従業者数が40名弱とその例外ではなく、ゼミでは中小企業に訪問するのは初めてのことだった。
 ハードロック工業株式会社は、ナットを製造している企業である。しかし、ただのナットではない。1度締めたら半永久的に緩むことはないナットを製造しているのである。その構造は、凹凸の2つのナットを用いることに特徴がある。つまり凸型ナットの中心軸をずらした偏心設計を導入することにより、凸部分がくさびの役割を果たすことになる。そこに凹型のナットをかぶせると強力な締め付けが発生し、緩まなくなるのだという。驚くことに、この方法でナットを製造している企業は、世界のどこを見渡しても、ハードロック工業だけなのである。
 そしてくさびの原理を用いたナットは、私たちの目に見えない場所で使われている。例えば、新幹線、本四連絡橋、原子力発電所、レールの継目など、「安全は威力」というキャッチフレーズが表すように、安全が要求される大型構造物を支えているのだ。
 「あらゆるモノに完璧なものなどない、まずは疑ってみること」という社長の言葉が示すように、絶えず挑戦し、既存の製品に+αを付け足すことによって、新製品を作り出している企業であり、活発な質疑応答、工場見学の後、社長の趣味でもあるミニSLへの試乗、電車模型の操縦など、おまけのついた企業訪問だった。 
 企業訪問の後、大阪市中央区の大阪企業家ミュージアムへ向かった。ここでは、大阪商人、企業家の「志・変化・先見性・変化・挑戦・創意・自助・意志」という7つの気風や、展示されている企業家のうち、大阪出身者は20名(19%)に過ぎず、府外出身者が多いことが説明された。また、江戸時代の大阪では、街にかかっている橋190弱のうち、幕府が造成した橋はわずか12にとどまり、残りは淀屋橋や心斎橋に代表されるように商人が作ったものであるということも熱く説明していただいた。その後の展示を通じて、実利を求めるだけでなく、社会的な責任も担っていたという当時の商人の気概は、明治?現代に至るまでの大阪の企業家にも引き継がれていることを、改めて感じさせられた見学だった。

右上写真: 工場見学後,若林克彦社長の(趣味? 営業用の小道具?)のミニSL(プロパンガスを燃焼させて蒸気で走る超本格派)に乗車させていただく。運転も台で社長じきじきに操作方法の指南を受けるシリンさん(当時学部3回生)

左写真 緩まないナット。この単純だが極めて難しい課題を,創意工夫と熱意で克服。


2.海外ゼミ旅行

ベトナム 2007年8月

南ベトナム・カンボジアを訪問しました。

内容 旅程
8/22(水)
  • 関西空港(VN941)11:00→Ho Chi Minn 14:20
  • ホーチミン市内(メリン広場・旧市場・ベンタイン広場)
大阪→ホーチミン
8/23(木)
  • Ho Chi Minn Stock Exchange訪問
  • ORS, Orient Securities Corporation(証券会社)訪問
  • ホーチミン日本商工会訪問(島崎隆平氏,大西範和氏,浅見賢志氏よりベトナム経済他について解説を受ける)
ホーチミン市内

8/24(金)
  • 矢崎総業現地法人(Yazaki EDS Vietnam, LTD.)訪問(杉本吉生社長・高野敏行Factory General Managerより事業概要他についての解説受け,ワイヤー・ハーネス工場を見学)
  • Open University訪問(教員のみ)
  • Yurtec訪問(教員のみ)
  • Open Univeristy大学院生主催学生・教員親睦会に招待出席
ホーチミン市内・郊外
8/25
  • メコンデルタ地帯のボートでの見学
  • ココナツ飴工場見学
  • カントー泊
ホーチミン→カントー(メコンデルタ)
8/26
  • 水上マーケット見学
  • 製麺所見学
  • メコンデルタ地帯のボートでの見学
カントー(メコンデルタ)→ホーチミン
8/27
  • Ho Chi Minn→Siem Reap(空路)
  • 各自自由行動(アンコール遺跡群等)
ホーチミン→シエム・リアップ
8/28
  • 各自自由行動(アンコール遺跡群。 Phnon Bakhen,Bayon,Baphuon他)
  • 20:25 SiemReap 発[VN848] 21:25ホーチミン着,23:35 ホーチミン発 [VN940]
シエム・リアップ→ホー・チ・ミン
8/29
  • 06:45 関西空港帰着

中国 2006年9月

ゼミ旅行ではありませんが,これまでに蓄積した海外ゼミ旅行のノウハウを活かして,今久保教授,黒澤准教授の両名で,全学共通科目「中国の社会・経済・文化」を担当し,参加希望のゼミ生は通常の枠組みで同講義を受講(中国旅行への参加)することなりました。変則的ながら,海外ゼミ旅行を実施したとも言えましょう。

日程
9/4
  • 関西空港→上海
  • オリエンテーション
大阪→上海

9/5
  • 講義「中国の経済」講師 孫立堅教授 経済学院副院長
  • 城市計画展示館見学
上海

9/6
  • 講義「中日文化比較」講師 徐静波教授 日本研究中心文化研究室主任
  • 嘉定区訪問(宮後電子有限会社・孔子廊見学)
上海

9/7
  • 講義 中国の伝統文化:琵琶演奏 上海琵琶協会会長周教授
  • 復旦学生と交流会(餃子パーティ)
上海
9/8
  • WSEC(無錫夏普電子元器件有限公司,シャープの液晶テレビ生産拠点)見学
  • 無錫の景勝地見学
無錫日帰り訪問

9/9
  • グループ別テーマ学習
  • 日系企業有志(青年経済懇話会)との交流会
上海
9/10
  • 魯迅記念館訪問
上海→温州
9/11
  • 「温州モデル」代表の康奈革靴工場訪問
  • 郊外の渓谷・農村見学
温州
9/12
  • 世界最大級の卸市場,小商品市場見学
温州→義烏→杭州
9/13
  • 杭州の景勝地見学
  • 浙江省杭州市七格子汚水処理場見学
  • 長距離鉄道乗車体験
杭州→上海
9/14
  • グループ別テーマ学習
上海
9/15
  • リニアモーターカー乗車体験
  • 上海→関西空港
上海→大阪

スイス・ドイツ(今久保・森ゼミ[福島大学]合同ゼミ旅行,黒澤はスイスで受入) 2004年9月

チューリヒ交通局訪問
ベルナー・オーバーラントで

宿泊先のロッジ。なんとも不思議な宿でした。

アイガー北壁と登山電車。

台湾 2001年

作成中