黒澤ゼミの雰囲気を言い表すなら、「知的好奇心に溢れ和気あいあい」です。
知的好奇心の例を一つ上げれば、黒澤ゼミ前期で行われる「輪読」は普通の輪読(各自持ち回りでレジュメを作り議論。その週だけで担当箇所は完結)とは少し違います。その週で扱われたページの中から、さらに深く理解したいトピックをゼミ生の間で出し合い、それを次週までに調べ発表することで作者の視点に留まらない輪読書の内容の掘り下げを行います。
他にも、後期で行われる今年度からの試みの個別発表はなんでもありで各自が興味範囲を追求する一方、インゼミ準備ではゼミ生一丸となってディベートテーマの理解を行います。何か面白そうなことを加え続けるようとするのが黒澤ゼミです。
和気あいあいさはゼミの至るところに現れています。お茶を飲みながら、学年を超えて和やかにときに白熱した議論が行われます。しかし、なんといってもこのゼミの特徴は先生との距離が近いことです。前後期2回のコンパに加え、一年に一回、黒澤先生の自宅に招待していただき、ゼミ終了後急遽決まった臨時コンパでも学生は財布を忘れた設定で容赦なく群がります。
黒澤ゼミは「ゼミらしいゼミ」だと思います。そして、常にありたい(自分の、ゼミの等)姿に近づけるよう動くゼミです。
後期の黒澤ゼミでは,,12月上旬に開催予定の3大学(京都大学・関西学院大学・神戸大学・)4ゼミナール(黒澤ゼミ,今久保ゼミ,藤井ゼミ,橋野ゼミ)共同のインゼミ・ディベート大会に向けて準備をすすめています。テーマは,他の2大学のゼミ生たちとの討論の結果,外国人介護士の受け入れと,消費税の引き上げの是非に決まりました。11月から論題設定のための議論を行い,準備をすすめていますが「,他流試合」とあって,自ずと真剣味が増します。
前期のゼミは,ヨーロッパ社会の歴史的・地域的基盤を探るという趣旨で,E.トッドの『新ヨーロッパ大全』(藤原書店)を輪読しました。なかなか読み応えのある大著で,咀嚼は容易ではありませんでしたが,ゼミは毎回,活発な議論でもりあがりました。
来年には,某学会で始まるという,経営史関係の学部生大会へのエントリーも予定しています。
第1セッション(肯定・否定はじゃんけんで決定) |
【命題】日本は今や,外国人介護士を受け入れるべきである | |
| 肯定側 | 否定側 | |
橋野ゼミ(神戸大学) |
黒澤ゼミ(京都大学) |
|
| 第2セッション |
【命題】 2010年までに消費税を10%まで引き上げるべきである。ただし,引き上げは段階的に行い,あらゆる物品に課税するものとする |
|
| 肯定側 | 否定側 | |
今久保ゼミ(京都大学) |
藤井ゼミ(関西学院大学) |
|
(当初予定のタイムテーブルと違ってしまいましたが・・・)
| 肯定側立論 | 4分 |
| 否定側立論 | 4分 |
| 作戦タイム | 3分 |
| 否定側からの質問 | 7分 |
| 肯定側からの質問 | 7分 |
| 作戦タイム | 2分 |
| フリーディスカッション | 10分 |
| 判定員から両チームへの質問 | 5分 |
| 作戦タイム3分 | 3分 |
| 否定側最終弁論 | 5分 |
| 肯定側最終弁論 | 5分 |
| 判定 | 10分 |
他大学との合同ゼミ(インゼミ)は昨年度から先生方の間でアイディアがあったようで、当初は研究報告会をしてはどうかという話が出ていたそうである。しかし、今年度前期の終わり頃に藤井先生(関西学院大学)からのご提案でディベート大会をするということになった。後に神戸大学の橋野先生のゼミも加わることになり,結局,黒澤ゼミ、今久保ゼミ、関西学院大の藤井ゼミ、そして神戸大の橋野ゼミの4ゼミで開催が決まった。
後期が始まって間もない10月14日、京大で各ゼミの代表者がディベートの開催方法やテーマを決める準備会(右写真)に集まった。ゼミ毎に4つ前後のテーマ案が出され、全部で15テーマほどの候補が挙がり、その中から4つのテーマに絞ったあと、論じたいテーマについてのマッチングが行われ、黒澤ゼミと橋野ゼミは外国人単純労働者の受け入れの是非、今久保ゼミと藤井ゼミは消費税増税の是非に決まった。
本番のメンバーは2回生の喜多くん、3回生の井澤くん、岡村くん、北澤くん、4回生の野口の5人に決まった。黒澤ゼミでは10月中は3、4回生による研究発表を行ったので、ディベートの準備は11月に入ってから始められた。初回の5日には外国人労働者について扱っている本2冊の読み合わせが行われた。
しかしその後、学生側と先生との意思疎通の手違いからテーマが移民受け入れの是非に変更され、2週目の12日には移民関連の事実を各自で調べて発表ということになった。だが移民受け入れというのが一体どういうことなのか、微妙な論理が学生にとってはなかなか理解しづらく、ゼミの後や翌日13日に学生の間で話し合いが持たれた。そしてさらに先生とも話し合った結果、専門知識や高度技術を持つ外国人へのグリーンカードの交付の是非と、外国人介護士の受け入れの是非がテーマ候補として挙がり、14日橋野ゼミに外国人介護士の受け入れをテーマとして選んでもらい、黒澤ゼミは否定側と決まった。
3週目19日のゼミではテーマに関して肯定材料、否定材料に使えそうな事実や論理を持ち寄って議論(写真は先生の研究室内での後期のゼミの様子,残念ながらディベートの準備をした時の写真ではないのですが・・・)が行われた。24日には相手の橋野ゼミとの立論交換が行われた。4週目26日のゼミでは立論の組み立ての確認が行われた。このあたりになるとゼミの時間外で、学生のみでかなり盛んに議論が行われていた。
12月の1日月曜日の午後には、先生に付き合っていただいて本番のリハーサルをした。この本番前練習で、論理の弱さに気づくことができ、何よりどのような質問をして相手を攻めれば効果的かということに関して初めて実践的な練習ができた。この練習後、ディベートメンバーたちは夜10時まで効果的な質問を考えたり、本番での役割分担を決めたりした。後から考えてみると、この日の準備は本当に役に立ち、本番での出来に決定的に影響を与えたと思う。お忙し中付き合ってくださった先生には感謝しきれない。
12月3日、午後3時から京大経済学部の大会議室でいよいよディベート大会の本番が行われた。
黒澤ゼミと橋野ゼミが一組目であった。立論が喜多くん、最終弁論が野口、質疑応答とフリーディスカッションは全てのメンバーで分担した。喜多くんはパワーポイント資料の作成を行いこれが大変好評を得たが、立論も資料作成者らしく明瞭で時間配分も完璧なものとなった。
ディスカッションでは綿密な準備が功を奏して、相手側からの質問に間髪入れない対応が出来、また結果的に矛盾に近い言質を引き出すことに成功した。特に井澤くんの対応力は非常に高いものだった。岡村くんと北澤くんも準備していたものを十分に発揮していたように思う。私、野口は揚がってしまい十分に強い質疑応答が出来なかったのが残念である。
最終弁論は、私はあらかじめ審判の感情に訴えつつわれわれの主張を整理するための文章を書き起こしてきていたのだが、これに相手側の漏らした矛盾点への指摘を組み込みながら読み上げた。なかなか好印象を持ってもらえたようで、自分としても手応えのあるものになったと思う。全体を通して私たちのチームは非常に良く準備が出来ており、それを十分に発揮することができた。
黒澤ゼミに有利な条件もたくさんあった。相手方の橋野ゼミのゼミ生は授業との兼ね合いで準備会合に参加できず,準備のスタートが遅れざる得なかったようである。また橋野ゼミは大学院生との混成チームだったが,大学院生はむしろ学部生の自主性に配慮してあまり準備に口を出さなかったとのことで,当日も発言を遠慮してくれた。しかし審判はそうした裏事情を知らなかったため,チームワークの判定では不利になってしまった。その点,橋野ゼミには最初から大きなハンディがあったかもしれない。
とはいえ,無事相手チームに勝利することができたのは,やはり入念な準備とチームワークのおかげだと思う。またディベイター以外のゼミ生によるサポートにも助けられた。
後から思えば相手から引き出した矛盾点をもっと活用できただろうし、もっと悔しいことには、相手の論理を崩しうる材料を持っていたにもかかわらず、それを十分に活用できる論理を本番までに思いつけなかったという反省点もある。
とはいえディベート自体ほぼ初めてのメンバーばかりだったことを考えれば、ベストを尽くし結果も出せたものだと胸を張って良いと思う。本当に満足のいくディベート大会であった。来年度以降もインゼミでのディベート大会は続けられるそうなので、2、3回生には今年度の経験を生かして頑張ってもらいたいと思う。
橋野先生(神戸大学,左端),藤井先生(関西学院大学,右から二人目)には大変御世話になりました。
皆,緊張から解放されて晴れ晴れの表情。右の写真の左端奧が黒澤准教授。
黒澤ゼミの雰囲気を言い表すなら、「知的好奇心に溢れ和気あいあい」です。
知的好奇心の例を一つ上げれば、黒澤ゼミ前期で行われる「輪読」は普通の輪読(各自持ち回りでレジュメを作り議論。その週だけで担当箇所は完結)とは少し違います。その週で扱われたページの中から、さらに深く理解したいトピックをゼミ生の間で出し合い、それを次週までに調べ発表することで作者の視点に留まらない輪読書の内容の掘り下げを行います。
他にも、後期で行われる今年度からの試みの個別発表はなんでもありで各自が興味範囲を追求する一方、インゼミ準備ではゼミ生一丸となってディベートテーマの理解を行います。何か面白そうなことを加え続けるようとするのが黒澤ゼミです。
和気あいあいさはゼミの至るところに現れています。お茶を飲みながら、学年を超えて和やかにときに白熱した議論が行われます。しかし、なんといってもこのゼミの特徴は先生との距離が近いことです。前後期2回のコンパに加え、一年に一回、黒澤先生の自宅に招待していただき、ゼミ終了後急遽決まった臨時コンパでも学生は財布を忘れた設定で容赦なく群がります。
黒澤ゼミは「ゼミらしいゼミ」だと思います。そして、常にありたい(自分の、ゼミの等)姿に近づけるよう動くゼミです。
黒澤ゼミは,少人数のこじんまりとしたゼミですが,顔ぶれは多彩です。今年は,正規のゼミ生4名のほか,他ゼミに所属する経済学部生,総合人間学部生,チューリヒ大からの短期留学生など3名のオプザーバーも参加し,合計7名でゼミを行ってきました。国籍でも,日・中・タイ・ドイツの4ヵ国を数えます(昨年はさらにロシアも加わっていました)。所属や国籍の多彩さは毎年のことで,今後も,国色豊かなゼミを続けていきたいと考えています。
ゼミは輪読とディスカッションを基本にしています。ゼミの主題は,毎年少しずつ変わっていますが,ここ数年は,ヨーロッパの経済社会の探求を基本テーマにしています。とはいえ,下記の海外ゼミ旅行の紹介や,「工業経済論」の講義でも東アジアの事例を主に取り上げているように,担当教員の関心はヨーロッパに限られず,したがって,個別のテーマ学習や,卒論の主題はヨーロッパに限るものではありません。来年度の共通テーマは未定ですが,強い外国関心・現代社会の多様性に対する関心に応えるようなテーマを設定したいと考えています。狭く定義された教科書的「経済学」に飽きたらぬ学生,文化・歴史・政治など,社会の様々な側面に幅広い関心を持つ学生の参加を歓迎します。
なお後期には,卒論(必須ではありませんが,強く推奨しています)を念頭に,各自が設定した主題に即したテーマ学習を予定しています。
上写真: コンパの一こま
通常のゼミの他,毎年2回,今久保ゼミと合同で,工場見学を実施しています。また,数年に一度,課外活動(学生生の自主的な学習旅行)として,東アジア各国に,海外ゼミ旅行をおこなっています(もちろん参加は任意です)。
右写真 サンヨー電機見学
黒澤准教授は,在外研究制度で2004年度に一年間,京都大学を留守にしており,その前後にはゼミ生を募集せず,また既存のゼミ生は他のゼミへと移籍してもらいました。そのため,これまでの卒業者・卒業予定者は3名とごくわずかです。そのうち2名は,京都大学学術出版会(法学部大学院経由)や野村証券に就職・内定し,残る1名は進学準備中です。
以上の次第で直接の先輩の数は少ないですが,今久保ゼミと合同・連携して多くのゼミ企画をおこなっており,人的ネットワークの点でも繋がりがあります。