2005年度後期の演習概要


■後期の演習の進め方
  演習は以下の3つの組み合わせで進めていく。

1. テキストの輪読とケース討論
2. 企業訪問やビジネスマンとの討論
3. サブ・グループ調査


1. テキストの輪読とケース討論

 後期のテキスト輪読では,組織論,特に意思決定論をベースとした組織的意思決定の理論を少々掘り下げてみたい。
 これまで,戦略に関する文献を多く見てきたが,戦略は実行されなければ意味はなく,また実行されることを通じて形成される側面があること,そしてその戦略の実行を担うのは組織だ,ということが分かってきたのではないだろうか。そこで,後期は,「戦略の実行」という観点を意識しつつ,組織論,特に意思決定論をふまえた行動科学ベースの組織的意思決定の理論について,読んでもらうことにした。
 
 テキストは,以下のとおり。
1.沼上 幹 『組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために』ちくま新書
2.沼上 幹 『組織デザイン』日経文庫
3.印南 一路 『すぐれた意思決定―判断と選択の心理学』中公文庫
4.印南 一路 『すぐれた組織の意思決定―組織をいかす戦略と政策』中公文庫
5.高橋 伸夫 編『超企業組織論』有斐閣(共同購入を勧める)


2. 企業訪問やビジネスマンとの討論


 企業人とのディスカッション2回を予定している。春のゼミ合宿は2月中旬に予定していて,後期試験が終了した直後になる。ディスカッションに参加してもらう企業人としては, シリコンバレーのコーポレートベンチャーキャピタル経験者,村田製作所,島津製作所の方などを予定。どちらも,事前準備として,担当者に企業のデータを収集して報告してもらい,どんな論点があるのか議論しておくことになる。

 テキスト購読の日程は次の通り。
1. 『組織戦略の考え方』前半(10/11)
2. 『組織戦略の考え方』後半(10/18)
3. 『すぐれた意思決定』第1章~第8章(10/25)
4. 『すぐれた意思決定』残り,『すぐれた組織の意思決定』第4章~第5章(11/1)
5. 『すぐれた意思決定』第9章~第11章(11/8)
6. イノベーションと意思決定(配布資料を用いる)(11/15)
7. ビジネス・トークスⅠ(11/29)元ミノルタCVC 宮本氏
8. 『超企業・組織論』イノベーション関連の章(12/6)
9. 『超企業・組織論』企業間関係の章(12/14)
10. 『超企業・組織論』意思決定と組織の生態系関係の章(1/11)
11. ビジネス・トークスⅡ(1/18)村田製作所の方 or 島津製作所の方


3. サブ・グループ調査

• 提出されたレポートを修正して,PDF形式でウェブサイトにあげる。
• 2回生は春休みから来年の夏にかけて,自由テーマによるサブ・グループ研究を実施してもらう。後期はその準備段階として,どのようなテーマが可能になるのかをサブ・グループ単位で検討してもらう。サブ・グループの組み合わせは前期から変更する。
• 調査方法について,10月から11月にかけて学習する。『組織調査ガイドブック』などを参考に,担当者が『講義』する。
 
 調査法講義スケジュール
1. 『良い研究テーマの見つけ方』(10/11)
2. 『質的データの収集方法』(10/18)
3. 『量的データの収集方法』(10/25)
4. 『質的データの分析方法:コーディングとデータベースの構築』(11/1)
5. 『ケース・スタディの作成』(11/8)
6. 『仮説と証拠の育て方』(11/15)