京都市伝統産業活性化検討委員会提言(中間報告)発表(3)

提言(中間報告)の内容を何回かに分けて紹介します。

今回は、伝統産業の意義について。



さて、意義という場合、誰にとっての意義でしょうか。

今回の提言は京都市のものですから、京都市、京都市民、ひいては、日本社会にとっての意義というように広がってとらえていくべきでしょう。



その意味で、まず「京都」の特別の位置についておさえておく必要があります。



「歴史都市・京都創生策(案)」(京都市 平成16年10月)は冒頭にこう 述べています。



「1200年を超える悠久の歴史と文化が息づく山紫水明の京都は、日本の財 産であり、世界の宝である。この京都を守り伝えていくことは、歴代の京都市民に 課せられてきた使命である。同時に、この混迷の時代にあって、日本国民が日本人 としてのアイデンティティを自覚し、21世紀の国際社会の中で自らの誇りを持って 生きていく上で、自立した日本文化、日本人の精神の原点たる京都を守り伝えるこ とは、国家的にも重要な意味を持っている。」



このように、日本人としてのアイデンティティの確立と、国際的理解の拡大の ために、京都を活用すべきであると主張しています。そして、 具体的には,「景観の保全・再生」,「伝統文化の継承・発信」,「観光の振興」 を3つの柱として国家戦略として振興すべきだと提案しています。



 このような京都の特別の役割・使命を発揮する上で、伝統産業は重要な担い手の一つである、そう位置づけるべきです。



 その上で、提言では、京都市にとっての伝統産業の意義として4点指摘しています。



第1の意義は、日本のアイデンティティに関わる「和」の文化の担い手である。

第2に、日本の伝統産業全体の拠点たる位置にある。伝統産業は多く地場産業であり、地域経済の中核をなしてきた。京都はその中で拠点としての位置にあり、多 くの伝統産業業種が集中している。

第3に、京都というまちの担い手、地域づくりの基盤である。京都のまちの特徴 の1つが職住接近の都市であるという点である。

第4に、京都経済にとって雇用と新産業の苗床としての役割を担っている。



つまり、伝統産業が特別の意義を持つのはなによりも、それが日本の文化とともに歩む産業だからなのです。今回、日本のアイデンティティ、日本の文化、「和」ということを、伝統産業の意義としてみるべきであると、本提言(中間報告)は主張しています。

05/02/27 : Comment(0) : TrackBack(0)

(宣伝)京都市伝統産業活性化シンポジウム

昨年から今年にかけて、京都市伝統産業活性化検討委員会に関わっているのだが、先日、提言(中間報告)がまとまり、このブログでも内容の紹介を始めています。



来週の土曜日、3月5日に、このテーマでシンポジウムが開催されます。

私も前半で提言の内容を説明します。

後半のパネルディスカッションは、新しい息吹を感じさせる人たちばかりですので、自分自身、とても楽しみにしています。



伝統産業に関わられている方々はもちろん、着物や伝統工芸品等に関心のある方はぜひご参加ください。



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京都市伝統産業活性化シンポジウムの開催について

伝統産業の魅力や今後の展開について考えるとともに,平成17年度に制定予定の「京都 市伝統産業活性化条例」(仮称)に資する提言の内容を市民に広く周知し,ご意見をいただ くために,京都市伝統産業活性化シンポジウムを,下記のとおり開催します。



主 催 京都市伝統産業活性化検討委員会,京都市

開催日時 平成17年3月5日(土) 午後2時〜4時15分 入場無料

会 場 池坊短期大学 こころホール(下京区室町四条下る)



構 成

第1部 <60分>

○基調講演(30分) (テーマ:「伝統,伝統と言わない 京の伝統」)

 西島安則氏(京都市産業技術研究所長,京都市伝統産業活性化検討委員会委員長)

〇京都市伝統産業活性化検討委員会提言中間報告の概要説明(25分)

 若林靖永氏(京都大学大学院経済学研究科教授,京都市伝統産業活性化検討委員会 ワーキング委員会委員長)

休憩 <10分>



第2部 <65分>

〇パネルディスカッション(55分) (テーマ 伝統産業の活性化策について)

・コーディネーター

 高木壽一氏(京都市副市長,京都市伝統産業活性化検討委 員会委員)

・パネリスト(6名)

<五十音順>

 麻生圭子氏(エッセイスト)

 柿野欽吾氏(京都産業大学経済学部教授,京都市伝統産業活性化検討委員会委員 長代理)

 通崎睦美氏(マリンバ奏者,エッセイスト)

 中村翠嵐氏(財団法人京都陶磁器協会副理事長)

 服部正毅氏(西陣織工業組合副理事長)

 福井芳秀氏(京都扇子団扇商工協同組合理事長)

05/02/25 : Comment(0) : TrackBack(0)

京都市伝統産業活性化検討委員会提言(中間報告)発表(2)

提言(中間報告)の内容を何回かに分けて紹介します。

今回は、伝統産業の定義について。



定義なんていうのは、普通、あまり気にせずにしゃべっているわけですが、厳密に意思疎通をする、議論する、意思統一をするためには、定義が曖昧ではすすみません。

ましてや行政の施策の対象はなにかということを明確にすることは重要なことであるので、本提言(中間報告)では、これまでの国・京都府・京都市の考え方・指定をふまえて、定義について整理しました。



(4つの要件)

要件1 生産される工芸品等については伝統的な技術・技法を用いている。

要件2 生産される工芸品等については、京都のひいては日本の伝統的生活様式・ 文化、芸能等と密接に結びついたものである。

要件3 一定の地域に一定の企業数と生産量等を伴った企業群として集積してい る、つまり産地を形成している。

要件4 京都市内で企画・デザイン、かつ、主要な製造工程が行われている。



以上4つの要件が満たすものが京都市の伝統産業である。



(例)

西陣織 京鹿の子絞 京友禅 京小紋 京くみひも 京繍 京黒紋付染 京房ひも・撚ひも

京仏壇 京仏具 京漆器 京指物 京焼・清水焼 京扇子 京うちわ 京石工芸品 京人形 京表具 京陶人形 京都の金属工芸品 京象嵌 京刃物 京の神祇装束調度品 京銘竹 京の色紙短冊和本帖 北山丸太 京版画 京袋物 京すだれ 京印章<印刻> 工芸菓子 竹工芸

造園 清酒 薫香 伝統建築



 産地を形成していない(要件3を満たさない)ものは、その規模からして、産業振興施策の対象として捉えることは難しい。しかしな がら日本の生活文化の継承・創造という重要な使命を持ち、かつ、これらが京都に 集まっていることが京都の特質でもあることから、その重要性は決して軽んじられ るものではなく、「伝統産業」の中に含め、個別の保護・継承・振興を図るべきもの と考えられる。



(例)

額看板 菓子木型 かつら 金網細工 唐紙 かるた きせる 京瓦 京真田紐 京足袋 京つげぐし 京葛籠 京釣竿 京丸うちわ 京弓 京和傘 截金 嵯峨面 尺八 三味線 調べ緒 茶筒 提燈 念珠 能面 花かんざし 帆布製カバン 伏見人形 邦楽器絃 矢 結納飾・水引工芸 和蝋燭



最後に、要件1、要件2のいずれかしか満たさないもの、つまり、要件1 だけ満たして要件2を満たさないといった、伝統産業の技術・技法の他分野への活用、逆に要件2だけ満 たして要件1を満たさないといった、機械化、あるいは、新しい技術等による「和」 スタイルの提案、といったものも、視野に入れる。



以上のような整理を行いました。

まず技術と文化で伝統産業を定義し、産地と京都市で京都市の産業であることを要求しています。

05/02/23 : Comment(0) : TrackBack(0)

未来にはばたく京都[経営者大会]第2分科会「京のあきない」(1)

21日、京都ホテルオークラで、京都商工会議所主催で、未来にはばたく京都[経営者大会]が開催されました。



その第2分科会の「京のあきない」(05.11.13プレ商店街サミット)に参加しました。



この分科会は今年60周年を迎える京都商店連盟の記念事業の1つとして企画されました。

3人の事例発表がありました。



まずは、西新道錦会商店街振興組合の乙脇栄仁さんの報告でした。西新道錦会は壬生寺近くの商店街で、プリペイド機能を持ったエプロンカード事業、インターネットで注文できる買い物代行サービス事業、医者や介護などの情報を提供するホームページ事業、高齢者給食事業、など実に多くの事業を先駆的に取り組んで展開しています。

話を聞いていて、その特徴は、商店街は各商店にメリットがある、地域の住民にメリットがある事業をつぎつぎと生み出す、各商店は自らメリットを感じたらその事業に自らの意思で参加するという点です。全員一致型の運営ではなく、メリットのある事業を自らつくりだすということに積極的に取り組んできています。



つぎはKICS(きょうと情報カードシステム)のリーダーである樋爪保さんの報告でした。KICSはクレジットカードの一括処理を目的にスタートし、現在、日本初のデビットカードシステムの導入、物流経費合理化事業、インターネット事業の自主運営、通販サイトの構築などに取り組んでいます。商店街等によって構成された組織で、個店にメリットのある共同事業について、情報化を活用して創造的に展開してきました。

この特徴も、上と同じく、個店にメリットのある共同の事業を創造的に展開してきた、そのために商店街等から代表として参加されたメンバーが積極的に取り組んできたことにあります。



最後に、伏見のTMOである「伏見夢工房」の商業部会担当部長で、納屋町商店街の理事長の石本正宣さんの報告でした。

伏見のTMOはこれまで、伏見のまちの魅力を再発見しアピールする事業、十石舟の運航、7商店街合同の夜市などに取り組んできました。これをきっかけに、伏見の7つの商店街が合同して、地域・面として取り組むようになったこと、観光は強化されつつあるけれどもそれを商業につなげる点ではまだまだであること、などが指摘されました。

観光を軸とした地域振興において商業とうまく結びつけるのは、ほかの地域のTMOにも共通する課題です。



今回の企画を機会に「21世紀・京都の商業活性化・まちづくりを考える若手ワーキングメンバー」が募集されます。

資格・商業関係者または一般の方(10名)

申し込み 締切は3月10日。 400字程度の意見、提案を書いて提出。詳しくは下記に問い合わせください。

問い合わせ先 京都商店連盟 075-221-5915 s.renmei@vega.ocn.ne.jp

05/02/21 : Comment(0) : TrackBack(0)

ビッグイシュー、京大で販売

ビッグイシューという雑誌はご存じですか?

ホームレスの自立支援をホームレスの方が雑誌を販売することを通じて実現しようというので、1991年にロンドンで始まりました。

日本では一昨年秋、大阪でスタートしました。

一冊につき90円で仕入れ、200円で販売し、その差額110円が販売員の方の経済的自立の援助になります。



と同時に、僕は、自ら街頭に立って販売するということが、人と人の関係をつくるということにこのスタイルの価値を見出しています。

そこに挨拶があり、顔なじみになり、応援する人たちが生まれます。そのことで販売員は励まされ、力を取り戻していきます。



京都では、ビッグイシュー販売員応援団というホームレス支援団体があり、販売員さんを中心に、販売場所の巡回や、相談、精神的サポートなどをすすめています。ビッグイシューを普及する団体ではなく、販売員(ホームレス)の応援をする組織です。



そこから京都大学で販売したいのだがという打診があって、18日販売に取り組みました。

生協のルネのところの横断歩道のところで販売に取り組んだのですが、6部販売できました。

初日としては上々です。

購入していただいたみなさん、ありがとうございました。



ビッグイシュー日本

05/02/19 : Comment(0) : TrackBack(0)

市場創造と社会貢献の新しい関係(2)

1月19日のサントリー不易流行研究所での勉強会での報告の続き。



金儲けの事業こそが社会貢献の事業でもあるべきだし、そうであることが金儲けのチャンスにもなっているというコンセプトを前回は主張した。



この続き。

CRMというと、一般には Customer Relaitonship Management のことをいう。

これは顧客一人ひとりのデータベースをもとに顧客ごとの対応したマーケティングを構築するというアプローチであり、それを実現する情報システムである。



もう1つのCRMが今日の本題。

それは Cause related Marketing という。

ここで言う cause は、主義主張というような意味で、社会問題解決のための主張を意味する。

Cause related Marketing とは、社会問題解決に関連づけたマーケティングという意味で、重要な社会問題に取り組む企業、ブランドを消費者は選好する、ロイヤルティを感じる、という仮説にもとづく新しいプロモーションである。



このプロモーションの新しさはつぎの点にある。

従来は、事業の結果の儲けの一部を寄付、社会問題の解決に当てるというものだった。

これは、事業活動そのものと結びつけて、自社の事業、ブランドの利用を通じて社会問題解決につながるというもの。

従来は、社会問題解決に企業が貢献する責任があるというものだった。

これは、社会問題解決に取り組むことで、自社の事業、ブランドへの消費者のロイヤルティが向上し、自社の事業成果が向上することが期待されるというもの。



いくつかのパターンがあるが、代表的なものは・・

・商品の売り上げに応じてある社会活動に対して寄付しますというもの

・商品の販売や宣伝を通じて、社会問題キャンペーンを行うというもの

・NPOのロゴなどを商品につけて関連づけるというもの

などがある。



現代の消費者はなんらかの後ろめたさを持っていたりする。

社会問題は深刻かつ広がっているのに自分はなにもできていないと・・・

そういう時代に、企業が消費者が容易にかかわれる社会問題解決のとりくみを用意することで、消費者はなんらかの善いことを行うことで気分が明るくなる。そして企業に対して善いイメージを持ち、情緒的な親密感を持つようになる。

同じことは、企業で働く従業員にも同じ効果があるだろう。



もちろん、企業が短期的なキャンペーンとしてこれを利用すると、逆に意識の高い消費者からは見抜かれて反発される。

したがって、その企業が重視する社会問題解決のテーマ等と結びつけて持続的に取り組むことが望ましいと言えるだろう。

05/02/17 : Comment(0) : TrackBack(0)

誕生日

2月15日は誕生日。

歳をとること自体をあまり喜ぶ理由はないのだが、それを理由に祝ってもらえるのはうれしい。さらに歳をとるとそれもうれしくなくなるという人の意見も聞いたことがあるので、いつまでうれしく思うのかなあと思うが、とにかく、今は素直にうれしい。



2/3に紹介した『あたりまえだけど、とても大切なこと』の中にはこんなことがルールとして書かれている。



ルール9 もらったプレゼントに文句をいわない



人からもらったプレゼントに文句を言う子どもがいる。大人もいる?

せっかくプレゼントしたのに喜んでもらえない、それどころか文句を言われたら、がっかりするし、腹が立つし、二度とプレゼントなんかしてやらないという気持ちになってしまう。

自分の好き嫌い、感情ではなく、相手の気持ちを尊重する、これが礼儀である。



ルール10 意外な親切でびっくりさせよう



忙しいからなかなか実行できないけれど、誕生日でもないのに、人を喜ばせるなにかをするというのはすばらしいことだ。

それもプレゼントである必要はなく、よく考え抜いて相手を喜ばせる、かつ意外なことで。

この意外なことをしようというのがすばらしい。

これが人生を楽しくすると思う。

人が望むこと、望まれたとき、望まれた通り、やるというのではおもしろくもなんともない。まあしないよりはましだが。

相手の状況、趣味、気分を読み抜いて思いがけないことを企画し実行するのはとても楽しくてスリリングなことだ。

それがヒットすれば、いわゆる会心の一撃というやつでとても気持ちがいい。

「びっくりプレゼント」

いつもこれを考えている人は素敵だ。



それにしても、小さな子どものときは別に気にしていなかったのだけれど、14日のつぎの15日というのは、なんだかとても損したような気持ちだ。14日が誕生日の人はもっとそう思っているかもしれないが。

やはり、祝い事は間隔を置いた方が「びっくりプレゼント」である。

しかも連続しているからといって一緒にされると、なんだかすごく存した気持ちになるのだ。

12月が誕生日で、クリスマスが近いなんていう人も同じかもね。



でもこういう気持ちは、ルール9と10の精神に反している。

損得で考えてはダメですね。

05/02/15 : Comment(0) : TrackBack(0)

京都市伝統産業活性化検討委員会提言(中間報告)発表(1)

京都市伝統産業活性化検討委員会提言(中間報告)がまとめられ、2月14日から3月11日までの期間、市民意見募集(パブリックコメント)をすすめることになりました。そのための市民意見募集用リーフレットもつくられました。

出された意見をふまえて3月中をめどに最終報告がまとめられ、それを受けて京都市は伝統産業活性化条例(仮称)を具体化・制定する予定です。



ご意見の送り先は

ハガキ、封書の送り先: 604-8571 京都市産業観光局商工部伝統産業課 「市民意見募集担当」

ファックス 075-222-3331

電子メール densan@city.kyoto.jp



今回、この委員会でワーキング委員会委員長をつとめ、提言のとりまとめに取り組みました。

ぜひ市民、伝統産業関係者、企業・NPO・大学関係者などのご意見、アイデアをお寄せください。



内容のポイントはつぎの機会にでも紹介したいと思います。



京都市伝統産業活性化検討委員会ホームページ

http://www.city.kyoto.jp/sankan/densan/kentouiinkai/kentouiinkai.htm

05/02/14 : Comment(0) : TrackBack(0)

テーブルウェアフェスティバルと京都スタイルカフェ(2)

9日、東京でした。

京都市の伝統産業の仕事に関わっている関係で、東京でのイベントに参加しましたので、そのレポートの続き。



午後からは、表参道のハナエモリビルの5階のラユンヌ・ギャラリエで9日・10日と開催された Kyoto Style Cafe 2005

京都の繊維産業、伝統産業の力を現代に活かすというテーマ性を持った企画で、今回は「ラユンヌ」という家具インテリアのギャラリー展示をしているところとの提携で、京都の企業がそれぞれに工夫した製品、作品を持ち寄り、家具展示の空間の中に展示されていました。



展示の仕方が家具空間とコーディネートされているというのがとてもいい感じでした。

伝統産業の織物の技術を活かして、カーボンを素材にした新しい織物の作品などは、こういうきわめて先端的な工夫がなされていることに感銘を受けました。

西陣織の帯の延長でデザインを変えてソファがつくられていたのも、とても上質な感じがするすばらしいものでした。

京友禅の文様を活かしたベッドルームの壁に飾るオブジェもまったく違和感なく当てはまっていました。



京都の新しいチャレンジがここに集まりました。

ここで集まっている方々が実に意欲的でいろいろなアイデアをお持ちでした。

そしてこれを東京でやるというのがいいと思います。

東京で認知されなければ、いま、新しいチャレンジは認められたことにはなりません。東京で認知されれば、全国に発信されるでしょう。

東京で勝負!

05/02/13 : Comment(0) : TrackBack(0)

学部ゼミプロジェクト発表(5)

学部ゼミプロジェクト発表(3)2005/1/25 で紹介した「カバンプロジェクト」が新聞に紹介されました。



8日〜9日、京都の国際会議場で京都ビジネスフェアが開催されていたのですが、そこで産学提携の事例の1つとして発表。協力企業のブースでもカバンを展示。そこで取材を受けました。



前回はまだ発表前ということで具体的には紹介しませんでしたので、その続き。

協力していただいた企業はモフミーという会社です。TEMASという衣料ブランドを展開しており、京都市の六角新京極東に店があります。

その最大の特徴は、京都の誇る伝統の技術である京都紋付の深黒の染めの技術で、それを活かした衣料品やカバン、小物を展開しています。

新作の道中財布も組紐を巻くという提案。ここに時、ゆとりをつくるんだと社長の森富士男さんがおっしゃっていました(9日のKyoto Style Cafeでお会いしました)。



若林靖永ゼミの学生がアンケート等をもとに、トートバッグ、しかもたくさんの教科書やパソコンも入る、肩にかけられる、雨が降っても大丈夫、傘が収納できるというようなスタイリッシュなカバンを提案。モフミーのデザイナーらのご協力によって、それが具体化、製品化されることになりました。



これもモフミーが京都大学の学部教育、学生の取り組みに関心を持っていただき、それを応援してくれたおかげです。本当にありがとうございます。学生たちはものづくりのおもしろさと奥深さに触れたと思います。調査をしその結果をデザインに結びつけることのおもしろさとむずかしさにも。



発売予定は4月。



日本経済新聞2月10日付、京滋欄です。

http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20050209c6b0903709.html



TEMAS

http://www.temas.jp

05/02/11 : Comment(0) : TrackBack(0)

テーブルウェアフェスティバルと京都スタイルカフェ(1)

9日、東京でした。

京都市の伝統産業の仕事に関わっている関係で、東京でのイベントに参加しましたので、そのレポート。



東京ドームで2月7日から14日まで開催される「テーブルウェア・フェスティバル」、実にいろんなものが展示・発売されています。

初日の7日は3万人ということで、9日午前も結構にぎわっていました。女性のグループがとても多かったですね。

展示の内容は、コンテストとして「第13回テーブルウェア大賞〜優しい食空間コンテスト〜」があって、プロ、アマチュアそれぞれの作品が展示されていました。さまざまなテーマでのテーブルコーディネートが提案されていて、自分のセンスを刺激されます。

日本の陶磁器の産地のコーナーとして、九谷、美濃、京焼・清水焼、瀬戸織部、多治見、有田。

ノリタケ、大倉陶園、HOYA、レイノー、アレッシィなど。

そして陶磁器、漆器、ガラス、骨董品などの展示販売のお店がたくさん。



京焼・清水焼のコーナーでは、「祇園さゝ木と京焼・清水焼」ということで、祇園の割烹の「祇園さゝ木」の料理人とコラボレーションで、9人の若手陶磁器職人が食器をつくり、それに料理を盛りつけるという企画。

料理は写真で展示されているのですが、驚くべきことに、現物の陶磁器が目の前にあるにもかかわらず、料理が盛られて撮られている写真の方が、器もすごく良く見えるのです。料理もとても美味しそうに見えるのです。

器と料理と写真技術の3つの力ですね。



当日は、店頭に今回の作品をつくった岡山高大さんと黒木杏子さんとお話ししました。岡山さんは、料理人の方と話すことで今までつくったことがないものにチャレンジして、むずかしかったけれど、いい勉強になった、こんな料理とセットになってというのは今まで想像していなかったので面白かった、という感想を述べていました。



使い手と出会う、買い物客とお話しする、こういう機会はなかなか職人さんにはないので、そういう意味でとてもいい機会になったんだろうと思いました。

05/02/09 : Comment(0) : TrackBack(0)

節分おばけ後祭

2003年の7月にスタートしたプロジェクト、楽洛まちぶら会はとても楽しい会です。

その新しさ、楽しさの訳はまた別の機会に考察するとして、今回は2月6日に開かれた「節分おばけ景色」の報告です。



節分に「お化け」というのは、愛知県出身の僕はまったく知りませんでした。みなさんは知っていましたか?

昔は京都の各家庭でやられていて、今は花街で続いているようですが、要するに仮装です。

節分の夜に仮装して、鬼を驚かして追い払うという厄よけの行事なんですね。



節分に厄よけで、幸を招くというのも縁起がいいし。

マスカレードみたいだし、ハロウィーンみたいだし、とにかく楽しめます。



これは面白い行事だからこれを京都の都心部で大々的に広げようというコンセプトで、とにかく関わることに。



具体的には、2月6日は後祭ということで、昼、祭援隊・節分のおばけ実行委員会主催で三条通などを仮装行列。鎧武者姿の人たち、新撰組のみなさん、クレオパトラ、バスガイド、いろんなおばけが歩きました。



夕方には、楽洛まちぶら会主催、新風館で、仮装コンテスト「紅白化け合戦」を開催し、優勝はカワイイ男の子が仮装した牛若丸でした。キャッツも可愛かったんだけどね。田中神社の祢宜・宮司による招福祈願もあって、これはとてもまじめな気持ちで取り組めたのが良かったです。前進座の丸山貴子さんによるメイクの手ほどきも驚きの話術と技術でした。文化博物館前での歌と踊りもさわなかな風が吹くような感じでした。来年1月には南座で井上ひさし原作、いずみたく作曲の「たいこどんどん」という江戸風歌舞芝居を公演するということで、その中からの歌でした。豆まきもしました。



その後で、文化博物館でライトアップ「節分お化け景色」、松下電工の方のご協力を得てLEDでライトアップしました。大型のLEDでとてもきれいにすっきりした色がはっきりと出ていましたし、色の変化はプログラミングできるのでその変化も楽しかったです。



今回時間も短く、宣伝も準備も声かけも十分にできたわけではないのですが、やはりやってみたのは正解でした。

やることで、体験することで、こういうものだというコアのイメージが確立し、そしてそこからどういうものに発展していけるか、というイメージが広がり、そのためにはどんな仕掛けやサポートが必要かという課題も明らかになります。

福を招き、仮装を楽しむ、市民参加のお祭りとして育っていくイメージが広がりました。

そしてそれが京都のまちの価値を高める新しい仕掛け・風習となっていく、冬の名物の1つになるといいなあと夢見ています。



みなさんもぜひ来年の節分おばけ、ぜひ思い思いの仮装で参加してみませんか。

僕も今年は出張と重なって仮装はパスしたのですが、来年こそは仮装で楽しみたいと思います。



★節分お化け公式サイト http://www.obake.tv

★楽洛まちぶら会サイト http://www.do-kyoto.jp/machi/index.htm

★祭援隊WEBサイト http://saientai.net/



★京都新聞記事 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005020600075&genre=K1&area=K10

05/02/07 : Comment(0) : TrackBack(0)

学部ゼミプロジェクト発表会(4)

1月14日に行われた学部ゼミのプロジェクト発表会報告の続きです。



僕のゼミのプロジェクトは学生たち(3年)が企画し2年と一緒にチームをつくって1年間取り組んで発表というもので、テーマは自由。

毎年いろんなテーマが取り上げられます。一応、マーケティングのゼミなので、マーケティング・リサーチをやるということぐらいが共通項。



3つのプロジェクトに分かれているので、3つめを今日は紹介します。

「自己分析セミナー」



このプロジェクトの特徴はなんといっても、調査ではなく、自分たちでビジネスをやるというのが目標というところにありました。

ですから4月の段階では山のようなアイデアはあるものの、なにも決まっていませんでしたし、前期はあるテーマでのビジネスプランを具体化しようとしていましたが、その困難さが明らかになり、今回は断念することにもなりました。

したがって、夏休みぐらいを転機にした再挑戦プロジェクトでもありました。



そこでやることになったのが、学生自身が企画して実行する「自己分析セミナー」でした。

就職活動を支援する既存の事業をいろいろと調査分析する中で、埋められていないニーズ、課題を見出して、それを事業化したのです。



・就職活動ノウハウではなく、自分自身を見つめる機会をつくる

・短時間の聞く中心ではなく、自分で考え、ワークシートに記入し自己分析をすすめる

・専門的な社会人アドバイザーにより、自己分析を深める

・友人らの見方というのも事前に集めて、他者評価も活かす

・自分の自己分析を他のグループメンバーに語り合うなかで深める



自分たちでウェブやメールで募集し、大学外で会場を借り、社会人の方の応援を依頼し、自分たちでシナリオ、ワークシートをつくり、司会、運営を行って、完全な手作りの有料の自己分析セミナーを成功させました。

セミナーは2日間にわたって行われました。

参加者の満足度で普通がなく、5点尺度で4以上という高満足度を獲得しています。

また、アドバイザーとして関わっていただいた社会人の方からも、これを実際に事業として展開しようという申し出もいただき、一定のクオリティを実現しているという評価をいただきました。



このセミナーの最大の成功のカギだと僕が評価するのは、ねらい、メッセージの明確さです。

この「自己分析セミナー」では、「自分の理想」を描くことが目標でした。

つまり、このセミナーの背後にある価値観は、自分の理想をもって、それに向かってすすむ生き方が素晴らしいというものです。

ですから、そのために、自分の過去、自分の強みや弱み、自分の好き嫌い、価値観などを掘り下げることを通じて、自分の理想、そのためになにをやるべきか(アクションプラン)を設定することを熱く!要求しました。

メッセージを明確にして、それに従って、首尾一貫したプログラムをつくったということが、良かったのだと思います。

強力でシンプルなメッセージを確立すること、これがクリエイトするときに重要なことだということをあらためて学びました。

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あたりまえだけど、とても大切なこと

『あたりまえだけど、とても大切なこと 子どものためのルールブック』



ロン・クラークさんというアメリカの小学校の教員が書いた本。

亀井よし子訳で草思社から出版。



本書は、子どもに守らせる50のルールが示されている。

そしてそのルールの意味や、実際の授業での経験が説明されている。



これを読んで思ったことは、情けないことだが、基本を徹底することの重要さである。

なんとなくわかっているけれど、ちゃんとやりきれていない、そういう自分の姿勢の甘さというものに気づかせてくれる。

子どものときに徹底して教育されることで、自分を大事にし、他人を大事にし、いっしょに気持ちよく生きていくための基本を身につけることができる。

それはとても具体的なことだし、その意味も明確である。適当にやるというものではない。



僕がこの人、素敵だな、いい判断・行動がジャスト・タイミングで出るなと思うとき、実はその内容はこの本で書かれていることの延長線上のことであったりする。

もっと言うと、僕が、こいついやなヤツだな、いっしょにいると気分が悪くなるな、なんて失礼なヤツだろう、とか思う場合、実はこの本のルールを破っているからだったりする。



読む人によっては、当たり前すぎてくだらないと思うかもしれないし、つまんないことが書いてあると思うかもしれない。

しかし、大人がこういうあたりまえのことをちゃんと意味を理解してちゃんとやらないから、子どももなにが正しいのか、どう判断したら自分と他人を大事にしていけるのか、ということがわからなくなってしまうのではないだろうか。



いま、大学の教師をやっているけれども、学生に対して専門の授業だけを教えるだけでいいとは思えない。

授業やその他の時間を通じて、こういう基本を伝えていくことが大事だと思う。

専門知識を身につけるより、よっぽど生きていく上で大事なことなのだから。

05/02/03 : Comment(0) : TrackBack(0)

コンタクトレンズ

淡路のウェスティンホテルで、研究会合宿が土日であり、その帰りにコンタクトのお店に寄った。

コンタクトレンズをするのは初めてである。

なんだか不安でやっていないことがいろいろあるのだが、その1つがコンタクトだった。



コンタクトのお店に行くと、隣に眼科医があって、協力関係になっていることを知った。

コンタクトをする人ならみんな知っている常識なのだろうが、メガネを買うときにはそういうことはないので、少し緊張する。



眼科医のアシスタントのアドバイスを受けていろいろ勉強する。

花粉症のせいか、目が充血していると眼科医の診断。



で苦労してコンタクトをとにかく入れてみて、はずしてみて、また入れてみた。

自分でやるのはなかなか大変である。

コツがいる。

でも入れた直後少し涙ぐむものの、すぐにあまり気にならなくなったので、これはいいかもと思う。

ハードは違和感が続くらしいですが、ソフトは本当になじみやすいですね。



そして何よりも大きな驚きは・・・

初めて自分の顔に出会った・・・

もう大学以来ずっとメガネなしでは自分の顔は見ていないので、自分の顔、目、というものに本当に出会ったという感じ。

これが結構おもしろい感覚で、これから自分の顔というものをもっと意識しよう、目に力を入れてみよう、などというようなことを考えてしまう。



コンタクトは世界を変えるのかもしれませんね。

05/02/01 : Comment(0) : TrackBack(0)