競争のあり方

京都市伝統産業活性化推進条例にもとづく同計画を策定するために、京都市事務局と伝統産業関係者のヒアリングをすすめています。



その中で考えさせられることは、現代の「常識」、ルールとは異なるいにしえの叡智、大事にしてきた慣習というものです。



京都料理組合の歴史は260年前の「魚鳥講」までさかのぼるということを知りました。

http://www.kyo-ryori.com/rekishi.html



料理職人にとっては技を盗まれる、まねをされるというのは死活的なことですし、また料理職人の修行とは先輩職人らの技を盗むことであって、教えてもらうことではありませんでした。

それを京料理を全体として盛り上げるために、一同に会してそれぞれのお店の料理を出品する展示会を開くなどしたことは画期的なことでした。



そのようなことを可能にしたのは、顔と顔の見える京料理の各お店の主人たちのつながり、信頼、自負だったようです。

けっしてほかのお店の看板料理を盗んだりまねたりしない、という暗黙の規範、これを守り尊重し続けてきたことが、今日の京料理の発展の基礎にありました。



現代において競争が活発で新規参入が容易であることが消費者にとって利益であるというのが「常識」となっており、違法行為でなければ何をやっても許されると考える経営者も少なくありません。

しかし、伝統の技と文化を継承発展していくためには、互いの技と文化を尊重して敬意を払うことが不可欠であって、このような競争のあり方を自分たちで組織化してきたことが先人の知恵だったのではないでしょうか。

06/02/28 : Comment(0) : TrackBack(0)

2006PCカンファレンス企画

立命館大学の衣笠キャンパスで夏の8月3日から5日まで開催されるPCカンファレンスの企画検討の会議がありました。

PCカンファレンスは、CIEC(コンピュータ利用教育協議会)と全国大学生協連合会の共催で開催されるもので、コンピュータ、ネットワークを活用した新たな教育を学び発表し交流する場です。



今年の目玉はこの4月から立命館小学校副校長・立命館大学教授に転出された陰山英男先生です。3日午前は陰山先生に講演が予定されています。



午後は私が司会を担当している「自由な学びか トレーニングか」というテーマでのシンポジウムが陰山先生も含めて行われます。



陰山先生は百マス計算など基本基礎の徹底で有名です。さらに家庭での生活態度の確立なしに学びの意欲は出てこないこと。基本基礎の徹底なしに、自発的な学びは広がらないことを主張しています(『学力はこうして伸ばす!』学習研究社)。



他方で、学ぶというのは私たちの日々の実践の中で普遍的なことで、私たちはつねに学び続けている、学習主体です。自らの意思で、自らをとりまく環境の中で、自らを含む共同体の一員として学習のプロセスが進行していく、これが本来の学びですし、自由な学びを自ら実現できる能力こそを形成しはぐくむ必要があります。



僕自身、大学や大学院の教育実践の中で、学び合う共同体を形成し、その中で学生たち自身が相互に学び研鑽するようにするということを重視しつつ、他方で、基本基礎の徹底のために宿題を出したり、細かく点検したりもします。



単純に対立するものではないのでしょうが、しかし、2つの教育=学習論、トレーニング・ドリル・反復VS自由な学び・学び合う共同体・コミュニケーション、はまったく異なるもののように思われます。



教育におけるICT(情報コミュニケーション技術)の活用についても、2つの方向性があります。飽きさせないような工夫をこらしたドリル・演習を実現するモノVS自分との、他者とのコミュニケーション、気づきを大事にした学習支援システムというように。



こんなことを考えてみる機会をつくろうということで、いま準備中です。



詳しくはhttp://www.ciec.or.jp/を参照してください。

06/02/04 : Comment(0) : TrackBack(0)