京都大学経営管理大学院

京都はいまサクラが見事だ。

今日、京都大学は入学式が行われました。

その中にはこの4月に開設された京都大学経営管理大学院の入学式もありました。



京都大学大学院経済学研究科・経済学部の経営学関係のスタッフはここ数年経営管理大学院(MBAコース)の開設についての検討・準備をすすめてきました。新しい教育組織をつくる理想と現実ということもあり、紆余曲折がありましたが、工学研究科・情報学研究科とのジョイントで、経営管理大学院(専門職)を設置することができました。



経営学はビジネス、マネジメントについての理論研究というアカデミックなものであると同時に、現実のビジネス、マネジメントの諸課題の解決に貢献することが求められるという実践的なものでもあります。現実の企業・組織との連携・共同なしに研究の発展もありません。企業・組織の経営者や従業員の問題意識・疑問というのが研究の着眼点につながったり、その疑問に答えるのが研究の意義の一部だったりもします。このような意味で、マーケティングを研究する私は、企業・組織との連携をさらにするめる必要性を感じていました。



グローバル化が進み、メガ・コンペティションと呼ばれる、これまでのやり方・考え方が通用しなくなるような時代状況の中で、企業・組織を活性化させるリーダーの育成が緊要な課題となっています。経営学を教育研究するものとしての社会的使命として、こういう新しい時代に求められるリーダーの養成に貢献することが大事だとも考えています。経済・経営系卒の学生のみならず、理工系出身の学生、留学生、さらには企業での社会人経験豊富な社会人、さらには企業経営者など、多様なバックグラウンドを持つ院生が入学してきました。彼らに学びながら、彼らに刺激されながら、それに応えられるよう、論理思考と実際的なコミュニケーション力を養成する「マーケティング教育」をすすめていきたいと考えています。



京都大学経営管理大学院について詳しくはhttp://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/index.html

06/04/07 : Comment(0) : TrackBack(0)

時雨殿

甥っ子がこの4月に小六になった。そこで妹と相談して初めての一人旅をアシストすることに。

といっても名古屋駅で妹が息子を送り出し、京都駅で僕が待ちかまえるということで、たいした一人旅ではないのだが・・・



1日目は京都駅ビルを見学してから、岡崎へ。伝統産業ふれあい館、平安神宮、神苑を見学した。まだサクラには早く残念だったが、神苑は古き京都をしのばせる風情があった。2日目はあいにくの雨、嵐山に新しく完成した小倉百人一首テーマ施設「時雨殿」を訪問し、その後、京都大学を訪問し、総合博物館で特別展示中の火星3D展を見る。



時雨殿には初めて訪問したが、子どもにも楽しめる工夫があった。

Nintendo DS(携帯ゲーム機)を利用して、床がパネルで映像が出る空間で、インタラクティブに百人一首を合わせたり、京都上空見学をしたり、楽しめる。

最新のハイテク技術の活用が見られる。

ITを活用して教育とエンタテインメントを結びつけるコンセプトに「エデュテインメント」というものがあるが、それがめざされていて面白い。



残念な面もあった。百人一首は古いものからやや新しいものまでいろいろな時代の歌が収録されている。ひとつひとつの歌には時代や文化、生活、日本人のこころが詠まれている。こうしたことを味わい、学び、感動するといった仕掛けにはとぼしかった。関連図書やミュージアムグッズの販売もなく、せっかく好奇心を持った人たちの知的好奇心を満たす準備もまだできていなかった。



歌を通じて日本を知る、そんなミュージアムとしてさらなる発展を期待したい。



http://www.shigureden.com/




06/04/02 : Comment(0) : TrackBack(0)

KICS-LLC

「きょうと情報カードシステム(KICS)」の法人化説明会が京都ロイヤルホテルで開催されました。私はこれまでKICS将来のあり方委員会座長として、KICSの法人化のあり方についての検討に2年以上関わってきました。ようやくその準備が終わりに近づいています。



この5月1日に「合同会社きょうと情報カードシステム」を設立して法人化する予定です。出資金は合計1000万円で、KICS加盟の商店街など26組合と京都市が拠出します。代表社員は四条繁栄会で、私は監事の就任が予定されています。



合同会社は新会社法で認められたもので、日本版LLCとも呼ばれています。京都の商業の未来を切りひらく新しい出発を、新しい会社組織である合同会社(LLC)でスタートすることになりました。



KICSの基本的特徴は・・・

1)京都の商業者の「和」

 共同の精神でみんなが元気になる、ひとりよがりの自己本位は逆に利益をもたらさない

 京都の35商店街と9同業種組合によって構成。参加組合の傘下の総組合員数約4000店舗の内 約1200店舗がIT事業に参加

2)公平

 組合の大小にかかわらず、1組合1票の原理で協議会による意思決定で事業を推進

 共同化による経費節減効果の成果を利用高に応じて分配

3)環境との共生

 組合加盟の個店それぞれの繁栄と京都のまちへの貢献を追求する

 今年の3月、そして5月には「レール&ショッピング(エコポイント)」事業も展開

4)情報化

 近年進化するITネットワークの技術を活用して商業者の利益につながる共同事業を展開

5)事業の「進化」

 クレジットカードの一括処理に始まった共同事業はその後も進化を続け、デビットカード、物流事業の合理化、インターネットショッピング(電子モール)の展開などを展開

6)協議会メンバーの熱意

 各組合から代表として派遣された協議会メンバーがボランティアで責任をもって企画立案、実行に取り組む

7)KICSの事業は四条繁栄会のカード事業会計の中で計上されるなど



以上のような特徴をもってKICSはこれまで発展を遂げてきました。さらなる発展のためには

1)さらなる情報化への対応が必要で、事業の「進化」を推し進め、そのためのシステム更新・投資を行わなくてはならなりません。システム投資のために内部蓄積ができるようにすることが課題です。

2)役員の熱意でこれまでやってきましたが、今後の発展のためには引き続き「人」が大事であり、そのためには役員への手当設定や若い人材の登用が求められます。

3)KICSの事業規模が拡大し、四条繁栄会の一部として会計処理することは不適当となっており、独立した法的主体=会計主体として会社化することが求められます。



このような3つの課題を解決してさらなる事業発展をめざして、KICSは法人化を選択しました。それでは、つぎにどのような法人形態を選ぶべきか、協同組合、株式会社などいろいろと検討してきましたが、ちょうどそのとき新たに日本経済の活性化に資する新しい会社組織として日本版LLCが政府で検討されているということを知り、検討の上、KICSの法人化にはLLCがふさわしいという結論を得ました。



合同会社=日本版LLCは、株式会社のように有限責任である一方で、組合のように組織内自治が認められ、自由な制度設計が可能です。株式会社だと出資比率に応じた意思決定になりますが、それはこれまでの「和」「公平性」を重視した運営になじまないということで、今後とも各組合1票のルールを維持することのできるLLCがふさわしいと考えました。なお、LLPは組合であり構成員課税となって、組合そのものは課税されない(パススルー課税)となりますが、LLCは法人であり法人課税となります。KICSの構成員である各組合は営利・内部留保になじまない性格のものですので、未来のシステム投資のための内部蓄積をすすめるということで、LLCを選択しました。



KICSは5月1日、加盟組合を社員とし、各組合1票原則の意思決定ルールを定めた合同会社に生まれ変わります。京都の商業者の挑戦に期待したいと思います。

06/03/28 : Comment(0) : TrackBack(0)

西口光博先生

京都市の元産業観光局長で龍谷大学教授の西口光博先生(64)が亡くなられました。

1週間ほど前には会議でご一緒していただけに、あまりに突然のことでした。

今日はその告別式があり参列しました。



近年、私は京都の仕事に取り組んでいますが、その際に私を導き、教えていただいたのが西口先生でした。

2003年の京都市商業ビジョンの策定、2004-5年の京都市伝統産業活性化検討委員会、2005年からの京都市伝統産業活性化推進審議会計画検討部会などなど、これらの仕事を委員長、座長としてすする際、副委員長、副座長としてささえていただきました。

特に京都の伝統産業への思い入れは深く、愛情をもって業界を見ておられました。京都の伝統産業行政の歴史についてももっとも詳しくご存じで、これからの行政施策のあり方を考え出そうとする私たちにとっての大切なご意見番でありました。



学ばなければ発言する中身など何もない私にとって、偉大な教師を失ったことは大きな痛手です。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

06/03/19 : Comment(0) : TrackBack(0)

競争のあり方

京都市伝統産業活性化推進条例にもとづく同計画を策定するために、京都市事務局と伝統産業関係者のヒアリングをすすめています。



その中で考えさせられることは、現代の「常識」、ルールとは異なるいにしえの叡智、大事にしてきた慣習というものです。



京都料理組合の歴史は260年前の「魚鳥講」までさかのぼるということを知りました。

http://www.kyo-ryori.com/rekishi.html



料理職人にとっては技を盗まれる、まねをされるというのは死活的なことですし、また料理職人の修行とは先輩職人らの技を盗むことであって、教えてもらうことではありませんでした。

それを京料理を全体として盛り上げるために、一同に会してそれぞれのお店の料理を出品する展示会を開くなどしたことは画期的なことでした。



そのようなことを可能にしたのは、顔と顔の見える京料理の各お店の主人たちのつながり、信頼、自負だったようです。

けっしてほかのお店の看板料理を盗んだりまねたりしない、という暗黙の規範、これを守り尊重し続けてきたことが、今日の京料理の発展の基礎にありました。



現代において競争が活発で新規参入が容易であることが消費者にとって利益であるというのが「常識」となっており、違法行為でなければ何をやっても許されると考える経営者も少なくありません。

しかし、伝統の技と文化を継承発展していくためには、互いの技と文化を尊重して敬意を払うことが不可欠であって、このような競争のあり方を自分たちで組織化してきたことが先人の知恵だったのではないでしょうか。

06/02/28 : Comment(0) : TrackBack(0)