組織調査論T・産業社会学特殊講義の講義概要


T.テーマ
事例分析法を中心にして 
U.講義の内容
 経営学においては、企業行動や組織行動について幅広く実証研究が行われている。ここでは、企業のみならず非営利組織、行政組織などの様々な組織について、調査する方法について議論していきたい。ここでは、経営学的調査においてよく使われる事例分析を中心としながら、組織調査の流れと具体的な過程、そのまとめ方について議論していきたい。
V.テキスト・参考文献
・田尾雅夫・若林直樹『組織調査ガイドブック』有斐閣、2001年。
・Yin,Robert.K.,CASE STUDY RESEARCH 2/e(邦訳 近藤公彦訳.1996『ケース・スタディの方法』千倉書房)などを含め、ほか数冊のテキストを適宜指示する。
W.前期の授業計画
(A)計画
 1.調査を設計する
  (1)調査設計と仮説設定
  (2)文献調査手法
(3)調査方法の選択と戦略
(4)調査先との交渉と倫理問題
2.具体的な調査を企画する
 (1)既存データの整理と調査企画
(2)経営データの収集と分析
 企業概要、経営分析、市場構造分析、史料分析
(3)データのチェックポイント
 3.事例研究法を用いて調査する
  (1)事例研究法とは何か
  (2)事例研究の設計と焦点
  (3)データ収集とインタビュー調査
  (4)実施過程
  (5)事例研究のメリットと限界
 4.調査結果をまとめる
  (1)ケース・スタディ・レポートの作成
(2)調査結果の還元
5.現代の調査をめぐる諸問題
(1)自文化中心主義
(2)ジェンダーの視点
(B)具体的な授業方法
 (1)最初と適宜、講義
 (2)図書館実習の実施
 (3)教科書の輪読

X.講義に関連した事項
1.単位取得
この科目は、若林直樹(前期)と田尾雅夫(後期)の合同講義であり、通年4単位として受講する必要がある。
2.評価
(1)前期について
 授業出席       30%
 輪読の分担      30%
 授業での討論の参加  10%
 作業課題の実施    30%
3.講義に必要な予備知識
  経営組織論、経営戦略論
4.前期のオフィスアワー
火曜日午後(事前に電子メールで予約のこと:wakaba@econ.kyoto-u.ac.jp)
5.連絡事項、講義資料
 連絡は基本的に電子メールで行うので、週1回以上チェックすること。
 資料については、基本的には下記ホームページにて置く予定。
  http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/%7Ewakaba/lecture/ln-index.html
6.文献データベースの講習は必修のこと
Y.組織調査論関連の参考文献
(a)辞典
岡本康雄編『現代経営学辞典』(改訂増補版)、同文舘, 1996。
金森久雄ほか編『有斐閣 経済辞典』(第3版)、有斐閣, 1998。
Nicholson, N. (ed.), Blackwell Encycropedic Dictionary of Organizational Behavior, Blackwell: Oxford, England, 1995.
(b)組織論
東北大学経営学グループ編『ケースで学ぶ経営学』有斐閣, 1998。
ヘンリー・ミンツバーグほか『戦略サファリ』東洋経済新報社、1999。
Daft,R. L., Organization Theory and Design.7th ed. Cincinati, OH: South-Western Colledge Publishing, 2000,.
桑田耕太郎,田尾雅夫『組織論』有斐閣アルマ,1998年。
(c)経営調査論
朝日監査法人,アーサーアンダーセン.1993.『有価証券報告書の見方・読み方』清文社
小池 和男.2000『聞きとりの作法』東洋経済
松田修一、1992、『ビジネス・ゼミナール 会社の読み方入門』日本経済新聞社。

Z.文献情報収集についての基礎技能についての附属図書館講習会
 OPAC、雑誌記事索引、Web of Scienceは基本データベースなので、講習を受けておくことが望ましい。下記の附属図書館の講習会を利用するとよい。
(a)図書データベース講習会
OPAC、図書館案内、雑誌記事索引、Web of Science
ホームページ:http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/lesson/index.html
(b)論文・レポートを書くための文献収集講座
ホームページ:http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/lesson/20030623/index.files/frame.htm


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