2014年07月22日
7月18日に応用マクロ経済学セミナーを開催し、Seoul National UniversityのTack Yun先生をお招きし、”Inflation and Exchange-Rate Crises: Endogenous Default of Monetary Policy”というタイトルで報告していただきました。
通貨危機のタイミングと高インフレの時期は高い相関があることが知られています。このメカニズムを説明するために、この研究では、ソブリンデフォルトに端を発する中央銀行の将来の金融政策における不完全なコミットメントに着目しています。一旦、債務不履行が生じた場合には、中央銀行は再度最適な金融政策を時間整合性に則ったかたちで行うと仮定されています。内生的なソブリンデフォルトが起こった際には、このコミットメントの不完全性が高インフレを生み出すというメカニズムをこの研究では提案しています。これにより、景気後退期にソブリンデフォルトが起こりやすいことが示され、それにより高インフレと通貨危機が同時に引き起されることが明らかにされました。