岡敏弘の履歴と研究内容


1988年 京都大学大学院経済学研究科後期博士課程修了
1988年 滋賀県琵琶湖研究所研究員
1993年 福井県立大学経済学部助教授
1997〜98年 Visiting Professor, CSERGE, University College London
2000年 福井県立大学大学院経済・経営学研究科教授
2019年 京都大学公共政策大学院・経済学研究科教授

 大学院修士課程では、エントロピー経済学とスラッファ経済学を研究。博士課程では、スラッファ経済学と環境経済学。
 琵琶湖研究所で、富栄養化の原因となる汚濁負荷の湖への流入を削減する対策の経済的評価を行うかたわら、環境政策に使うための厚生経済学の基礎を固める研究を行い、これで学位を取得(→『厚生経済学と環境政策』岩波書店1997)。
 1990年頃から、環境リスク管理(主としてリスク/ベネフィット分析や人命の価値)の研究を始める(中西準子横浜国立大学教授(当時)らと共同)。また、リスク論を人の健康から生態系へ拡張する試みの一環として、期待多様性損失(ELB)指標を開発。それを面的開発問題に適用した。それらの成果は『環境政策論』岩波書店1999 などに収録されている。
 1992年頃から、環境税や直接規制といった環境政策の手段の選択の問題を研究(→『環境政策の経済学』日本評論社1997)。2007〜2008年頃はEUの排出権取引制度を研究。
 外部負経済の概念を市場主義的なものから解き放つことを模索(「外部負経済論」『岩波講座 環境経済・政策学 第1巻 環境の経済理論』(岩波書店、2002年)第4章、95-122ページ)。また、環境経済学は、環境と成長の問題に戻るべきだと考えて、カルドアの成長理論を掘り起こす――スラッファへの回帰。スラッファもミシャンも自由度のある体系だ。
 原発事故後放射能汚染食品の規制の効率性評価に取り組んだ。
 2014年頃から国際価値論の研究(またスラッファ回帰)。

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