若林直樹研究室

 若林直樹研究室トップページ > 研究会 > PPP研究会 > 本プロジェクトの趣旨

この科研費プロジェクトは、健康・福祉・医療・教育・まちづくり等の領域でのコミュニティづくりのあり方について、官民パートナーシップのあり方とその有効性についての行政経営の観点から研究を行うものである。 官民パートナーシップの代表事例について、欧州、米国、オセアニアでの事例について、オーストラリア・米国の研究者も交えて協働で国際比較研究を4年間で行う。

1.研究の背景と問題の所在

わが国の急激な少子化は、市民一人一人の生活観や社会の在り方に大きく関わってくることから、その要因や少子化社会への対応について、経済、社会保障、雇用、教育など幅広い視野から総合的に検討していく必要がある。そのため、少子化対策としての次世代育成支援分野は、次世代育成支援対策推進法や育児保険制度等をはじめとして、複数のセクター・組織・政策と密接に関連して実施されることになっており、共同プロジェクト実施がますます必須要件になってきている。

一方、行政・NPO・企業間の官民パートナーシップ(以下、「PPP」と呼ぶ。)が盛んになってきているが、次世代育成支援分野の共同プロジェクトは、PPP増加傾向に拍車をかけている。市民主義思考の地域活性化のためには、NPO等の非営利組織が主体となる、組織間もしくは重層的な組織・コミュニティ間のパートナーシップにおけるマネジメントや評価の手法が求められる。また、今後は、NPO主体のPPPが稼働するにあたって、次世代育成支援分野に密接に関連する行政計画の策定・遂行マネジメントとの整合性評価も求められている。

2.研究の対象・目的・方法

以上の観点から、本研究では次世代育成支援分野のうち、健康・福祉・医療、教育・まちづくり等の領域の非営利・協同組織(以下、「NPO」と呼ぶ)が、コミュニティ作りに主体的に参画する場合の、行政とPPPとNPOの三者のコラボレーション(協働)の組織・政策による効果的・効率的なマネジメントと評価のシステムのあり方を、日本・欧州・米国・オセアニア諸国の比較として理論的・実証的に明らかにする。詳細は次の通りである。

研究の対象

  1. 次世代育成支援分野のうち、健康・福祉・医療および隣接領域(教育・まちづくり等含むヒューマンサービス領域)において、より良いパートナーシップ(PPP)を結んでいるプロジェクト・組織・コミュニティ及び関連行政計画・プログラム等を対象とする。
  2. パートナーシップ(PPP)およびコラボレーションの形成には、公益性・先駆性があり、純粋に政府でも企業でもない組織体(NPO、コミュニティ・ビジネス、協同組合など)が中核的な役割を担っていることが前提とする。
  3. パートナーシップ(PPP)及びコラボレーションの組織には、1つの組織である単一組織、2つ以上の組織が組み合わさった協働組織、両組織の支援組織(支援制度)があり、この3区分で分析を進める。
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