若林直樹研究室
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ようこそ、若林直樹の研究室に。
現在、日本企業は脱系列化と戦略提携への動きの中で、従来の企業間協力を支えていた信頼関係を脱構築しています。ネットワーク組織とは、企業の境界を超えて、企業組織の内外の主体が協働を行う組織現象ですが、系列を超えた信頼のメカニズムが未成熟であるために、うまく機能していないと考えられます。そのネットワーク構造と社会的基盤については社会学的な分析が求められています。現在、組織間関係論の領域において、企業組織に関わるネットワークと信頼関係の変動とそのマネジメントについて、(1)組織間、(2)組織内、(3)その社会的基盤の3つの点について社会学的研究を行っています。それを主に5つの経営現象に関連づけて研究したいと考えています。
1.脱系列時代における日本企業の
組織間のネットワークと信頼の変動の分析
脱系列化から戦略提携への動きの中で、日本企業の組織間ネットワークは変化しており、組織間信頼のメカニズムについての変化ももたらしています。これについての社会学的な検討を行っています。
2.合併後の組織統合の人的ネットワーク分析
リストラやM&Aや組織分割により、多くの企業の組織内でのネットワークも大きく変動していますが、A&Tカーニーのレポートに示されるように80%の合併は組織統合の失敗のために、うまくいっていないと言われています。合併後の組織統合(post merger integration)に際して、組織内でのネットワークとそこでの協働に対する信頼関係が大きく変化していることについての関心を持っています。
3.ニューパブリックマネジメントによる
公的セクターの再編とマネジャー・ネットワークの変動
公的セクターへの民間手法の導入による変革であるニューパブリックマネジメントは、公的部門のマネージャーのネットワークとマネジメント能力を変化させるかが関心を寄せられています。これについて、教育システムへの改革の日欧比較において、東北大学大学教育学研究科・教育行政学の宮腰教授のグループとの国際比較研究を行っています。
4.ハイテク産業における高い流動性を生み出す
転職産業と社会ネットワーク
日本でのリストラの増大は、転職メカニズムの成長への社会的関心をもたらしています。これに対して、シリコンバレーのIT産業は、高い流動性を持ち、企業間でのキャリア形成が一般です。日本労働研究機構と共に、こうした高い流動性を促進する社会ネットワークとそれを活用している転職産業の役割について日米対比を行いながら、研究しています。
5.地域産業における企業間ネットワーク
地域産業における企業間ネットワークの集積構造とその社会基盤についての分析を行っています。
2.プロフィール
- 氏名:若林 直樹 (わかばやし なおき)
- 生年:1963年
3.勤務先
- 勤務先:京都大学大学院経済学研究科
- 職位:助教授
- 住所:〒606−8501 京都市左京区吉田本町
- 電話:075−753−3502
4.略歴
- 1987年 3月 東京大学文学部社会学科卒業
- 1989年 3月 東京大学大学院社会学研究科修士課程修了
- 1991年 9月 同博士課程 中退
- 1991年10月 東京大学新聞研究所(現・社会情報研究所)助手
- 1994年 4月 東北大学経済学部助教授
- 1997年 9月〜1999年 7月 文部省在外研究員等にて英国・ブラッドフォード大学、ウォーリック大学、米国・ノース・カロライナ大学にて在外研究
- 2001年10月〜 京都大学大学院経済学研究科助教授