第一回【部門A】研究成果執筆者会合が、京都大学東京オフィスにおいて開催されました。今回は、容量市場に関する議論が中心となりました。
電力中央研究所の服部徹先生からは、「欧米における容量市場の制度設計の課題」というタイトルでご報告いただきたました。電力市場自由化、再生可能エネルギーの導入促進を中心とする電力システム改革に伴い、電力安定供給に必要な供給力を確保するための仕組みとして、「容量市場」を含む容量メカニズムの導入が盛んに議論されるようになってきましたが、いったい「容量市場」とは何なのか?どのような課題があるのか?という点については、十分に知られていません。本報告では、とくに「容量市場」という手法に焦点を当て、その制度設計の複雑さとリスクの所在を明らかにし、自由化を進めながら再エネ導入促進を図る場合の課題解決の困難性が示されました。
尚絅学院大学の東愛子先生からは、「ドイツにおけるキャパシティ・メカニズムの制度設計」というタイトルでご報告いただきました。ドイツでは近年、既存の火力発電所の収益性が悪化しており、調整用電源だけでなく、将来の営業用電源の不足が懸念されています。そこで、容量市場をはじめとするキャパシティ・メカニズムを導入し、将来必要とされる発電容量を確実に確保していく仕組みづくりが検討されています。日本でも電力システムが大きく改変されようとしており、電力自由化と再生可能エネルギーを動じに進めた場合にどのような問題が起こりうるのか、その問題をどのように解決しうるのか、という点について、先行事例から示唆を得る必要があります。そこで、本報告では、ドイツで議論されている様々なキャパシティ・メカニズムの手法を明らかにし、再エネ拡大を支える電力市場改革の課題が検討されました。報告の内容は、
こちらにあります。