京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

1月15日(木 )【国際経済学セミナー】を開催しました。

2015年01月15日

1月15日(木)に【国際経済学セミナー】を開催し、 一橋大学古沢泰治氏に
“Relationship Specificity, Market Thickness, and International Trade”
というタイトルで報告していただきました。
本稿では,独占的競争産業における最終財の生産について,市場で調達可能な部品を使用するよりも,最終財企業が部品メーカーと個別契約して自 社製品用にカスタマイズされた部品を使用することによって財の品質が向上するような場合に,貿易自由化が個別契約を行える企業の割合等に どのような影響を与えるのかについて,理論的な分析を行っています.ここでは,最終財企業と部品メーカーは1対1の契約を結び,また両社が個別契約を結べ るかどうかはランダムに決まると仮定されています.部品メーカーとの個別契約によって財の品質改善度合いが高いほど,その産業の「関係特殊 性」が高いとし,また個別契約による生産量に対する市場で中間財を調達して生産される最終財生産量の比率を「市場の厚み」の指標とすると,関 係特殊性の高い産業ほど,市場の厚みが低いことを示されました.
さらに,輸送費がかかる状況で最終財の貿易が自由化されると市場の厚みが低下 することや,輸送費の低下によって市場の厚みが低下し,その効果は関係特殊性の高い産業ほど大きいことなどが示されました.
このようなたいへん興味深い理論的分析に関して,参加者との間でとても活発な議論が行われました.

P1150024 (1024x768)P1150025 (1024x768)

カテゴリー

アーカイブ

ページの先頭に戻る