京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

12月5日(土)【制度的経済動学研究会】を開催いたしました。

2015年12月14日

12月5日・制度的経済動学研究会報告

 

12月5日(土)に制度的経済動学研究会が,京都大学大学院経済学研究科において開催され,木村遥介氏(東京大学・院生),猪瀬淳也氏(東京大学・院生),池田毅氏(立教大学)にご報告いただきました.

木村氏の報告タイトルは,“Stabilization Effect caused by Randomness: Lumpy Investment and Uncertainty”というもので,異質な経済主体が存在し,かつ不確実性がある状況下で,集計的な投資が経済を安定させるかどうかを分析したものです.各経済主体の異なる資本調整過程が,結果的には経済全体を安定化させることを示しました.

猪瀬氏の報告タイトルは,“Representative Agent in a Form of Probability Distribution”というもので,既存の経済学のように代表的個人を仮定するのではなく,個人が何らかの分布や確率過程に従うと仮定し,これらの分布や確率過程がどういった条件を満たせば代表的個人を仮定することが正当化されるかについて検討を行ったものです.個々の代表的個人すべてが類似する確率過程に従い,かつその確率過程が安定性を持つ場合に代表的個人の仮定が妥当となることを示しました.

池田氏の報告タイトルは,「稼働率と資本蓄積」というもので,有効需要の原理に基づくカレツキアン・モデルに対する,短期モデルではあっても長期モデルではない,という批判に応えるものです.不完全稼働を伴いかつ動学的最適化のある長期動学モデルを構築し,既存のカレツキアン・モデルから得られる結果のみならず,独占度の上昇と資本蓄積率の間には複雑な関係があることを示しました.

当日は18名の参加者があり,大変活気のある研究会となりました.

 

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