2013年12月01日
11月29日に二人の報告者をお招きして国際経済学・応用マクロ経済学ジョイントセミナーを
開催いたしました。
前半は、学習院大学の椋寛先生に”Preferential Trade Agreements,Technology Adoption
and the Speed of Attaining Free Trade”について報告して頂きました。
特恵貿易協定(PTA)締結の有無が多国間貿易自由化達成までにかかる時間を早めるのか遅らせるのか
という、先行研究では分析されていない課題について、理論的な研究が報告されました。3国モデル
(先進国2+途上国1)の枠組みで、途上国企業が新技術を導入するタイミングを選択するとき、
条件によってPTAが多国間貿易自由化達成を早める場合と遅らせる場合があるという興味深い結果が
示されました。
後半は、Victoria University of WellingtonのMartin Berka先生に”Real Exchange Rate
and Sectoral Productivity in and out of the Eurozone”について発表して頂きました。
ユーロエリア内外における実質為替レートの決定要因について、ハロッド・バラッサ・サミュエルソン・
モデルを拡張することで分析した研究で、労働供給ショックの導入が重要であることが報告されました。
ユーロ圏内の実質為替レートの動きがこの拡張版はハロッド・バラッサ・サミュエルソン・モデルで
かなり再現されることが示されました。
3時間の長丁場にも関わらず、多数の参加者を交えて活発な議論が交わされました。