京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

8月22日(月)【制度的経済動学研究会 】を開催しました。

2016年08月29日

8月22日(月)に制度的経済動学セミナーが,京都大学大学院経済学研究科において開催され,溝渕英之氏(龍谷大学),瀬尾崇氏(金沢大学),徳丸宜穂氏(名古屋工業大学)にご報告いただきました.
 
溝渕氏の報告タイトルは,Measuring the Direction of Technical Changeというもので,通常の成長会計においては,技術進歩率の計測の際にヒックス中立的技術進歩が仮定されるが,本研究では,偏向的技術進歩の計測にも応用できるよう,既存の手法を改善し,技術進歩率をヒックス中立的部分と偏向的部分の2つに分解する手法を提示しました.そしてこの手法を米国のデータに応用し経済成長率の要因分解を行いました.
 
瀬尾氏の報告タイトルは,A Schumpeterian Innovation System in Knowledge Capitalism: System Dynamics with STELLAというもので,イノベーションの経済学で広く用いられている分析的枠組みであるNational Innovation Systems(NIS)を知識資本主義の考察に適用しうるように拡張し,NIS内の要素間の相互依存関係をSTELLAというソフトを用いてモデル構築しました.そして,制度論的・政策論的なインプリケーションについても説明しました.
 
徳丸氏の報告タイトルは,Market, Hierarchy, and Community as Organizing Principles in Knowledge-Intensive Work: An Empirical Analysis of New Product Development Activities in Japanese Firmsというもので,日本企業の製品開発マネジャー・技術者に対する実態調査の質的・数量的分析に基づき,高まる収益圧力・効率化圧力の下でいかなる人材管理・組織管理が実践されるようになっているか,それが技術者の行動と能力形成にどのような影響を及ぼしているか,という2点を実証的に明らかにし,制度経済学の観点から考察を行いました.
 
第3報告 第2報告 第1報告

 

 

カテゴリー

アーカイブ

ページの先頭に戻る