京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

1/23【国際経済学・応用ミクロ経済学合同セミナー】が開催されました

2014年01月28日

1月23日に二人の報告者をお招きして国際経済学・応用ミクロ経済学合同セミナーを開催いたしました。

 

最初の報告は、University of Mannheimの若森直樹先生に”How Would Hedge Fund Regulation Affect Investor Behaivor? Implications for Systemic Risk”というタイトルで報告していただきました。ヘッジファンドによる投資行動はレバレッジを用いたものが多く、その結果、金融市場での流動性を増やす一方、小さなショックから金融システムの不全を引き起こすシステミックリスクを増やすという問題点が指摘されています。この研究ではレバレッジ比率の規制がどのような影響をもたらすかを予測するために、最近の産業組織論で用いられる需要推定用いて市場を推定し、レバレッジ比率の規制の効果を定量的に調べ、レバレッジ比率規制は流動性を低下させる一方、システミックリスクも減少する可能性があることが示されました。

 

2番目の報告は、慶應義塾大学の松浦寿幸先生に”Heterogeneous Impact of Trade Liberalization on Vertical FDI: Evidence from Japanese firm-level data”というタイトルで報告していただきました。製品を海外に販売する時に輸出の形を取るか海外直接投資の形で海外に工場を立てるかは企業の生産によって異なるという議論が近年なされていますが、この論文では財をある国に販売する時に自国で作って輸出するかもしくは労働力の安い地域に工場を立てて輸出するのかを考え、どのような企業や産業が海外直接投資を行う傾向にあるのかを理論モデルに基づいて分析した後、日本の企業レベルのデータを用いて推計し、いくつかの観点から理論予測の結果が確かめました。

 

どちらの報告も多数の参加者を交えて活発な議論が交わされました。

 

 

0123-2 0123-1 0123-4 0123-3 0123

カテゴリー

アーカイブ

ページの先頭に戻る