2014年04月30日
4月25日に応用マクロ経済学セミナーの研究会を開催し、
National Graduate Institute for Policy StudiesのMinchung Hsu先生に
“Health Insurance Reform:The impact of a Medicare Buy-In”というタイトルで報告していただきました。
この研究では、アメリカにおけるMedicare Buy-inプログラムを、ライフサイクルモデルの枠組みを使い、評価を行っています。オバマケアと呼ばれるアメリカの医療保険制度改革では、医療保険への加入を国民に義務付けたが、様々な潜在的な問題が存在している事が指摘されています。Medicare Buy-inプログラムでは、強制的な保険加入とは異なり、(55歳から64歳までの世代の)自発的な保険加入を補助金を通じてサポートするもので、既存のシステムよりもシンプルなメカニズムで導入する事が出来ることが示されました。この研究では、所得税の0.18パーセンテージポイントの増加でまかなう事が可能な比較的小額の補助金で、非保険加入者を5%以下に引き下げられる事が明らかにされました。また、このプログラムのもとでは大部分の世代の生涯効用が増加する事が報告されました。