京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

5月20日(水)【国際経済学セミナー】を開催しました。

2015年05月20日

5月20日(水)【国際経済学セミナー】を開催し、
University of TorontoのPeter M. Morrow氏に”Identification, HOV, and Factor Biased Technology” (joint with Daniel Trefler) “というタイトルでご報告いただきました。

 

今回の報告は,ヘクシャー=オリーン・モデルを多数財・多数生産要素に拡張したヘクシャー=オリーン=バネック(HOV)・モデルについて, 要素含有量アプローチと呼ばれる方法で現実の貿易データへのモデルの適合度を分析する一連の研究の流れに位置づけられる研究です.
先行研究では,国際間の技術格差や要素価格が均等化しないなど,HOVモデルの仮定をある程度緩めないと,モデルの実証的パフォーマンスが良 くないことが知られています.また,同じモデルと同じデータを使いながら,全く逆の結論を出しているような研究さえあります.そのような従来 の研究の問題点を克服するために,Morrow氏らの研究では,1本の回帰式を推定する従来の手法とは違い,貿易方程式,技術方程式,要素価 格方程式という3本の方程式を推定するという新しいアプローチを提示しています.また,生産性調整済要素価格均等化が成立する場合とそうでな い場合の両方について分析し,非貿易財を導入するなどの拡張も行って,モデルのパフォーマンスを確認しています.その結果,従来の結果と比べ て,HOVモデルの実証的パフォーマンスが大幅に改善されることを示しました.

多くの教員や院生,学外の研究者らが出席するなかで,非常に興味深い研究内容について活発な議論が行われました.

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