京都大学大学院経済学研究科付属プロジェクトセンター

7月7日(木)【制度的経済動学研究会 】を開催しました。

2016年07月13日

7月7日(木)に制度的経済動学セミナーが,京都大学大学院経済学研究科において開催され,佐々木啓明氏(京都大学),吉原直毅氏(マサチューセッツ大学アマースト校)にご報告いただきました.
 
佐々木氏の報告タイトルは,“Is Growth Declining in the Service Economy?”というもので,先進国で進行しているサービス化と経済成長の関係を理論的に分析しました.サービスが最終消費に用いられるだけでなく,製造業に対する中間投入にもなっており,さらに,製造業とサービスの生産性がともに内生的に上昇するとき,サービス部門の雇用シェアが時間とともに増大していくこと,サービス化が進行すると,経済成長率はいったん低下し,その後は上昇に転じ,最終的には低下していくことを示しました.
 
吉原氏の報告タイトルは,“Globalisation and Inequalities: A Dynamic General Equilibrium Model of Unequal Exchange”というもので,ヘクシャー=オリーン=サミュエルソン的なモデル設定の下,資本が相対的に豊富な国と相対的に希少な国が貿易を行う場合,資本豊富国は資本希少国を搾取するという結果を導きました.これは以前からマルクス派において不等価交換の議論として知られており,吉原氏の研究は,きわめて新古典派的かつ一般的な状況においても不等価交換が生じることを証明しました.

 

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