Research Project on Renewable Energy Economics, Kyoto University

京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

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No.18 自治体新電力の現状と地域付加価値創造分析による内発的発展実証

2020年6月4日
稲垣憲治  京都大学大学院地球環境学舎 博士後期課程

 自治体が出資等で関与し、地域の再生可能エネルギーなどを電源として限定された地域を対象に電力販売を行う「自治体新電力」の設立が相次いでいる。本研究においては、まず、40の自治体新電力について、文献・アンケート調査を実施し、自治体新電力の現状と課題を分析するとともに、現在の自治体新電力はその設立目的を十分に達成できていないことを明示する。次に、これまで主に農村振興・地域経済分野を対象に研究され、その具体化が課題とされてきた内発的発展論を自治体新電力に適用する。事例をもとに自治体新電力の内発的発展を引き起こす要因の抽出を行うとともに、内発的発展に向けた手段を明示する。最後に、地域付加価値創造分析を用いた事例分析により、自治体新電力の内発的発展に伴い、事業実施により発生する地域付加価値が増加することを実証する。本研究は、自治体新電力という自治体施策を対象に、内発的発展論を動態的政策論として発展させるものである。

キーワード:自治体新電力、内発的発展、地域付加価値創造分析、再生可能エネルギー、地域低炭素化