Research Project on Renewable Energy Economics, Kyoto University

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京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

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No.6 村レベルの再生可能エネルギー100%による地域付加価値創造分析
- 発電事業と熱供給事業 -

2019年11月15日
京都大学大学院経済学研究科 特定講師 中山琢夫

 農山村地域の活性化にとって、再生可能エネルギー(再エネ)は大きなポテンシャルを秘めている。再エネ導入の先進的な地域では、すでに再エネ100%自給を展望できるレベルに達している。本稿では、村レベルの再エネ100%を展望するために、岡山県西粟倉村の協力の下、同村における再エネ事業を発電事業と熱供給事業に分類して、その事業がどの程度地元地域に経済効果をもたらしているのかを、地域付加価値創造分析を用いて試算した。同村ではすでに、現在工事中の小水力発電所の稼働が始まれば電気の7割を自給することができる。同様に、工事中の木質バイオマスによる地域熱供給の稼働を始まれば、熱の4割を自給することができるという。村内におけるこうした事業の実績値・計画地を用いて、100%再エネによる電気と熱の地域内自給に必要な量を電気と熱でそれぞれ推計し、さらに同村で運転中の発電事業、熱供給事業から割り出した地域付加価値創造単価を掛け合わせることで、100%再エネ自給による地域付加価値創造額を推計した。本分析は、再エネ100%に向けた一つの叩き台を示したに過ぎない。このような分析を活用しながら、実施する自治体内の各主体が自ら持続可能なシナリオを構築し、実践することが望まれる。

キーワード:100%再生可能エネルギー、農山村地域、小水力発電、太陽光発電、バイオマス熱供給、地域付加価値創造分析