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京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

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No.7 再生可能エネルギーの導入障壁および発送電分離に関する論文レビュー

2020年1月22日
京都大学大学院経済学研究科 博士後期課程 杉本康太

 再エネの導入を可能にするためには、再エネの導入を妨げている要因を広く理解する必要がある。本論文の前半では、再エネが比較的高い発電費用を持っている要因を再エネ導入の障壁ととらえ、この分野の先行研究をサーベイする。それらは既存の電源が過去に受けてきた公的補助、再エネ以外の電源が持つ負の外部性、再エネの統合費用低下を阻む電力市場の制度設計に分けられる。さらに費用以外の様々な導入障壁についても、過去20年間の先行研究のうちWeb of ScienceやGoogle Scholarで引用数の多い文献の要点をまとめる。
 本論文の後半では、なぜ発送電分離が再エネ普及のいくつかの障壁に対する有効な解決策となる可能性があるのかについて、先行研究をサーベイしながら議論する。発送電分離には、送配電系統への接続や系統の運用が新規参入事業者にとって差別を受けずに行われること、送電設備または連系線への投資が増加することなどによって再エネの参入障壁を取り除く効果があると考えられる。ただし、発送電分離は再エネ導入の障壁を取り除く唯一の手段ではないことについても留意する必要がある。

キーワード:再生可能エネルギー、参入障壁、発送電分離、文献サーベイ