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京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

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No.9 木質バイオマス発電事業へのバイオマス資源の供給システムと実態分析

2020年1月31日
京都大学大学院経済学研究科 博士後期課程 白石智宙

 日本の木質バイオマス発電事業において、地域に賦存している未活用の森林資源の活用が期待されており、それが地元の事業者や自治体のエネルギー事業として取り組まれる場合、地域の経済循環を高めるとされている。そのような事業を実現するための条件は何か。本稿では、燃料材である木質バイオマス資源の調達における量・質・需給調整の3点に着目し、岡山県真庭市の「真庭バイオマス発電株式会社」をケースとして分析を行った。その結果、需給調整を機能させる条件として、年間の供給協定の締結と毎月の調整、そこにおける調整役を担う集積基地の存在と、その発電所以外への販売とチップ加工の質向上による売り上げ確保努力が不可欠な要素としてあることを明らかにした。また質の確保については、事業者に含水率を低下させるインセンティブを付与させる買取価格設定、集荷者の含水率低下への努力、事業地の情報管理システムの構築と事業者への事業地登録のインセンティブ付与が明らかにされた。加えて、燃料材供給のバリューチェーン上で創造された付加価値が地域の木材産業や林業事業者、更には山主に所得として還流される仕組みから、地域の経済循環の向上に貢献している程度も明らかになった。

キーワード:再生可能エネルギー、木質バイオマス発電、地域内経済循環、集積基地、真庭モデル