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京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

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No.51 シュタットベルケ研究の整理と課題
- 日本での研究を中心に -

2023年9月
白石智宙
広島修道大学人間環境学部 助教

本稿は、存続が危ぶまれる自治体による公益的サービスの供給をどのように維持するのかという論点に関して、近年研究が盛んである「シュタットベルケ」に関する日本における研究の文献レビューを行った。シュタットベルケに関する日本の既往研究は、次の 3 つに分類される。第 1 の分類はドイツのシュタットベルケに関する調査研究である。第 2 の分類はドイツのシュタットベルケの事業モデルを日本に導入するに際して生じる諸論点に関する研究である。第 3 の分類は「日本版シュタットベルケ」に関する研究である。以上の分類に基づいて整理を行い、以下の特性を明らかにした。まず第 1 の分類については、自由競争に適する組織形態の選択、シュタットベルケの個別事業の実現、複数事業間の内部補助の正当性の論点が確認された。続いて第 2 の分類については、「日本版シュタットベルケ」の概念定義と事業内容、組織形態の選択、損益通算による節税の論点が確認された。最後に第 3 の分類については、シュタットベルケの公益性の担保、事業効率化の実態、独立採算の範囲、地元経済への貢献の論点が確認された。

キーワード:シュタットベルケ、文献レビュー、日本版シュタットベルケ、自治体財政