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ディスカッションペーパー
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No.46 C-E(出力抑制ー電力量シェア)マップ - 風力・太陽光発電の出力抑制を評価するための客観的・定量的手法 -
C-E (Curtailment – Energy Share) Map
An Objective and Quantitative Measure to Evaluate Wind and Solar Curtailment2023年5月30日
安田 陽* 他、共著者 17 名
*京都大学大学院経済学研究科 特任教授変動性再生可能エネルギー(VRE:Variable Renewable Energy)のシェアが急速に拡大するにつれ、世界的にs出力抑制の問題が生じている。本論文では、「C-E(出力抑制−電力量シェア)マップ」という客観的・定量的評価ツールを用いて、各国の出力抑制状況を評価・比較したものである。C-Eマップは、風力(または太陽光)発電の利用可能な発電電力量あたりの抑制された電力量を意味する出力抑制率と、風力(または太陽光)の電力量シェアとの相関図である。C-Eマップは、国・エリアごとの過去のトレンド曲線を描くことができ、歴史的・国際的な比較が一目でできるツールである。また、C-E マップは、現在の出力抑制率や過去のトレンドによって、国やエリアをいくつかのカテゴリーに分類することができる。C-Eマップは、政策担当者を含む非専門家が、出力抑制を直感的かつ客観的に理解するのに役立つものである。
キーワード:風力発電、出力抑制率、導入率(シェア)、変動性再生可能エネルギー(VRE)、太陽光発電
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No.45 再生可能エネルギーと地域再生 ―公営電気事業に注目して―
2023年5月30日
太田 隆之*
*静岡大学地域創造学環・人文社会科学部 教授人口減少が進展し、特に大都市圏から離れる地域では今後の地域の維持が大きな課題になっている。その 中でポイントとして挙げられているのは再生可能エネルギーであり、これを活用した地域再生や維持の取り 組みをめぐる提案がなされている。本稿では水力発電を中心に発電を行って電力の卸供給を行う県営電気事 業に注目し、これらが取り組んできた活動を検証した。電力の卸供給を行う公営電気事業は上下水道などと 異なり地域の主体にと接点が乏しく、また戦後から今日に至る活動はほとんど注目されたことがなかったが、 森林保全やエネルギー関連の分野での活動に加えて、県行政部局と連携しながら広く地域課題に取り組んで きており、重要な意義があることを明らかにした。そして公営電気事業を核とした日本版シュタットベルケ の可能性についても検討した。現時点では地方公営企業に関する制度的な制約があり公営電気事業がその担 い手になることは難しいものの、地域新電力と連携するなどの取り組みを行うことで、地域新電力を核とし たその実現を支援することができることを議論した。
キーワード:再生可能エネルギー、地域再生、県営電気事業、地域貢献、日本版シュタットベルケ