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コラムのイントロダクション
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No.375 再エネの市場統合デザイン
千葉商科大学基盤教育機構 准教授 中山琢夫
6月1日更新2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)から10年を経て、2022年4月から、日本でもいよいよフィードインプレミアム(FIP制度)が始まった。太陽光一辺倒的であるとはいえ、大規模水力発電を含めた再生可能エネルギー(再エネ)比率は、おおよそ20%を越える時期に差し掛かっている。日本もまた、FITによる再エネの導入促進期を経て、FIPを用いた再エネの市場統合期に入ったことを意味する。
1978年、アメリカの公益事業規制法(PURPA:Public Utility Regulatory Policy Act)に始まったとされるFITは、大西洋を渡ってポルトガル(1988)、ドイツ(1990)、デンマーク(1992)、スペイン(1994)でも導入され、2000年代に再エネの普及に大きく貢献した。その後、世界中の国・地域がFIT制度を採用した。とりわけ、ドイツの「再生可能エネルギー法」(EEG)は、日本をはじめ、多くの国に多大な影響をもたらしたといえるだろう。 -
No.374 排他的経済水域(EEZ)での洋上風力開発における諸課題-洋上風力のEEZ展開①-
エネルギー戦略研究所株式会社 取締役 横田 浩
6月1日更新領海内での洋上風力の開発がある程度進むと、その次には排他的経済水域における開発が行われると言われている。そこでは領海内における開発とは異なる課題が想定されるものの、その多くは今後の検討に委ねられているのが実態である。今回は、その課題を探ることにする。