Research Project on Renewable Energy Economics, Kyoto University

京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

本講座(第2期)は、2024年3月31日をもって終了いたしました。

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No.57 都市間競争を背景としたGreen Place Brandingに関する考察
- ドイツ・フライブルク市における事例調査から -

2024年3月
工藤 大樹
京都大学大学院経済学研究科 博士後期課程

急速な人口減少と少子高齢化を背景に日本の地方都市では地域ブランディングの取り組みがおこなわれている。様々な都市が地域の文化や自然、食などを活用した地域ブランディングに取り組んでいるが、脱炭素社会への移行や持続可能性が人々や企業の関心を集める現代において、先進的な環境政策や都市の持続可能性は地域ブランディングへの活用が期待される。このような地域ブランディングは国外の文献において“Green Place Branding”として研究対象となっているが、日本においては研究が進んでいない状況である。本稿では、文献調査とGreen Place Brandingの先進事例の一つであるドイツのフライブルク市への聞き取り調査を通じて、日本において研究の蓄積が少ない環境や持続可能性に関する政策を活用した地域ブランディングの現状について整理した。調査を通じて、Green Place Brandingは都市企業家主義の特徴に基づき持続可能性の限られた範囲に焦点を当てイメージ形成をおこなうことが問題点として議論されていることが明らかになった。

キーワード:持続可能な都市、環境政策、地域ブランディング、都市企業家主義、人口減少