Research Project on Renewable Energy Economics, Kyoto University

京都大学経済学研究科

再生可能エネルギー経済学講座

本講座(第2期)は、2024年3月31日をもって終了いたしました。

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No.58 カリフォルニア州での地域におけるエネルギー転換の公正なあり方に関する調査研究
- エネルギー正義の観点からの考察 -

2024年3月
吉田 匠
京都大学大学院経済学研究科 博士後期課程

化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー転換が進められるなか、一方で転換に伴い恵まれない地域や人々は往々にして不利益を被っていることが問題となっている。これに対し、エネルギー正義に関する研究はそのような地域や人々が公正に承認され、中立かつ透明性のある手続きによって、公平にエネルギー転換による便益を享受しコストを負担することを求めている。本稿では、エネルギー正義に関する文献サーベイを行い、エネルギー格差の要因となる障壁について整理したうえで、カリフォルニア州で行われている、低所得者層や社会的マイノリティが多く住んでいるコミュニティをエネルギー転換していく取り組みについて紹介し、エネルギー正義の観点からエネルギー転換の公正なあり方における重要な点について考察した。

キーワード:エネルギー転換、エネルギー正義、コミュニティ、太陽光発電、住宅部門のエネルギー効率化