インゼミ

2010年度インゼミ・ディベート大会

2010年12月4日 於:

2010年度、黒澤ゼミは関西大学河崎ゼミと道州制の導入に関してディベートを行った。
黒澤ゼミからは三回生の中越、二回生の橋本、山脇、文野、有尾の五名がディベーターとして参加した。今回の激しい論戦から学んだものは道州制に関する知識だけでなく、公の前で議論を交わすという貴重な経験を通して得たものも含めて想定以上に多かった。以下はその記録である。

 

参加ゼミとディベートのテーマ

【命題】「日本に道州制を導入すべきか」
肯定・・・黒澤ゼミ(京都大学経済学部)

否定・・・河崎ゼミ(関西大学政策創造学部)

 

黒澤ゼミ発表要旨

「日本に道州制を導入すべきか」肯定側パワーポイントファイル

肯定側黒澤ゼミは「日本に道州制を導入すべきである」と主張する。それは次のような論拠に基づく。
 論拠 1 地域のニーズに合つた政策がとれる
 論拠 2 経済発展につながる
 論拠 3 財政の効率的配分を達成できる
 論拠 4 広域的課題に対応できる
論拠1について、現状は法定受託事務などに代表されるように国の政策は全国一律で地方のニーズを反映していない。したがつて道路やダムの建設、教育などの分野において、道州制導入後地域のニーズにこたえられるようになる。
論拠2について、弾力的な法人税率の設定や、企業誘致活動の道州内での一律化によつて、戦略的に企業誘致をすることができ、経済効果が望める。
論拠3について、道州制導入後の行政再編により、各省庁の出先機関が縮小し、重複行政が解消されるなど、財政の効率的配分が達成できる。
論拠4について、社会資本の整備や安全・防災などの分野は都道府県の枠組みを越えてより広い範囲を基準にして包括的に行われるべきである。河川や道路整備などがその一例である。
以上のような論拠をまとめると

  1.中央集権体制による弊害
  2.地方経済の停滞・衰退
  3.非効率的な財政運営
  4.国・都道府県では解決できない広域的課題
を道州制導入によつて解決できる。したがつて道州制を導入すべきである。

ディベートに取り組んだ感想 【2010年度 二回生 有尾琢磨】

黒澤ゼミは河崎ゼミと「道州制を導入すべきか」というテーマについて、河崎ゼミは肯定側、黒澤ゼミは否定側にたつてディベートすることになつた。中越さん、山脇君、橋本君、文野君、有尾の五名に決まり、立論を有尾、最終弁論を文野君が行い、肯定側からの質問への対応や否定側からの質問を、中越さん、山脇君、橋本君がイニシアティブを取つた。河崎ゼミとの事前打ち合わせの段階ではさまざまなテーマが案として出され、両ゼミのゼミ長を中心とした話し合いの末、上記のようなテーマに最終決定し、黒澤ゼミは肯定側と決まった。
テーマが決定した後、黒澤ゼミでは道州制導入についてさまざまな情報収集が行われたが、打ち合わせの中でホワイトボードを活用しながら有意義な話し合いが行われた。当初は中央一極集中の是正、国の権限の一部を地方に割譲するという点と、地方が包括的な行政を行うには都道府県という単位は小さすぎるという点と、二つの視点から論理構築を行つた。
その後資料を適切な使用箇所に配置することや、より具体化するというコンセプトの元、最終的な論拠が定まっていった。
何より喜多さんを中心とした上回生の皆様に否定側の立論を予測していただき、本番前に模擬ディベートを体験させていただけたことは、自分たちの論拠の弱い部分を洗い出すことになり、自信や落ち着きを持って本番に臨むことができたという点で非常にありがたいものであった。また否定側からの質問を予測してそれに対する答えをあらかじめ考え、一覧にするなど効果的な準備ができた。
ディベート大会本番では、以上のような経緯もあつて、自分たちが大方予測したような展開になつていった。そのため各々が冷静に的確な発言をできたように思う。藤井先生からお褒めの言葉があつたように、中越さんの発言態度や言葉遣いは会場の多くの人の模範となつたようであり、また資料を効果的に用いた橋本君の論理的な主張をはじめ、それぞれが練習の成果を発揮した結果、黒澤ゼミの勝利となつたのであろう。

しかしそれぞれが反省する部分もあつたように思われる。自分たちの予想しなかった質問が出てきたり、自分たちの発言と違った事実を示す資料が提示されたことは、もつと自分たちが掘り下げられたと反省した。
本番終了後黒澤先生からお褒めの言葉をいただいたが、黒澤先生のアドバイスが私たちの視野を広げ、より深く考察するヒントとなっていたことは間違いない。黒澤先生をはじめ、上回生の皆様、ディベートを運営していただけた他大学の先生方、一緒にディベートを行ったチームの仲間、多くの人に感謝したい。普段のゼミ活動では味わえない貴重な体験をすることができ、学生生活の中で大きな一ページになったと思う。

 

 

 

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