インゼミ

2011年度インゼミ・ディベート大会

2011年12月10日 於:京都大学経済学部みずほホール

 

参加ゼミとディベートのテーマ

第1セッション

【命題】 「日本に単純労働者を海外から合法化して受け入れるべきか否か」
肯定側・・・藤井ゼミ(関西学院大学)

否定側・・・今久保ゼミ(京都大学)

第2セッション

【命題】 「新卒一括採用は、企業の収益力の観点で有利な戦略である」

肯定側・・・黒澤ゼミ(京都大学)

否定側・・・藤井ゼミ(関西学院大学)

 

黒澤ゼミ発表要旨

「新卒一括採用 肯定側」パワーポイントファイル

ディベートに取り組んだ感想 【2011年度 3回生 橋本優)

例年開かれているインゼミ・ディベート大会は今年も無事終えることができた。昨年の3大学4ゼミ(京都大学から2ゼミ、関西大学、関西学院大学)から2大学3ゼミ(京都大学から2ゼミ、関西学院大学藤井ゼミから2チーム)へと構成は変わったが、議論の質は低下していないと感じた。以下、順を追って見てみたい。
10月中旬、そもそも開催自体が危ぶまれていた本年度ディベート大会が開かれる運びとなり、複数のテーマ案をゼミ生各自が持ち寄った。検討の結果、「日本がTPPへ参加することの是非」を採って先方に伝えたが、相手側チームは26日に対案「新卒採用優遇の是非」を主張し、相容れない雰囲気となった。こちら側は譲歩し、当座の命題を「企業にとって、新卒一括採用は、競争力の観点で有利な戦略である」とすることで合意した。
対案からは「是非」が社会問題意識に由来するように見えた。しかしながら社会的な是非とすると判断基準の所在が不明確であり、一企業の競争力とした方が問題は明瞭であると考えて「企業の競争力」という判断基準を設けることにした。
テーマ設定と並行して労働経済についての勉強を進めた。当初はメディア別に担当を割り振っていたが、次第に分野別へと移っていった。ゼミ内に知識が蓄積、共有されるにつれて問題の難しさも徐々に分かってきた。
11月上旬、一旦当座の命題のまま合意したが「競争力」は曖昧な概念であると相手側が指摘し、「収益力」に修正された。テーマは最終的に「新卒一括採用は、企業の収益力の観点で有利な戦略である」とした。さらにダメ押しで前提条件を3つ設けた。すなわち「新卒ホワイトカラーとは大卒ホワイトカラー対象とする」「企業とは大企業を指す」「社会的影響を考慮しない(現在の日本の経済状況下での話である)」である。
12月10日、ディベート大会当日となった。立論発表を金谷君、質疑応答とフリーディスカッションを全員で担当し、最終弁論を伊藤君が担当した。立論、最終弁論とも前もって練習を重ね、時間配分やオーディエンスへのアピールは十分できたように思う。質疑応答、フリーディスカッションでは有尾君、金谷君が活躍し、前年の経験も生かせた。結果的に、黒澤ゼミは相手チームに勝つことができた。ディベータ―以外も含めて、ゼミ生全員による入念な準備の下支えがあったから勝てたことは言うまでもない。
講評では両チームともデータに基づいて議論している点、分かりやすく主張している点などが評価され、濃密な議論となったと好評だった。互角かと思われたが数十点差がついたのは、相手側が新卒一括採用に対する代替案を提示しながらその具体的内容を示さなかったからだろうか。黒澤ゼミの反省点としては、相手側の矛盾を指摘し切れなかったことだろう。この経験と教訓を、次回ディベート大会が開かれるならば生かしてもらいたい。


 

 

 

 

 

 

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