京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

理念・基本方針

 

経済学部

理念

基本理念
京都大学が、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎に、ここに京都大学経済学部の基本理念を定めます。
 
教育理念
自学自習による卓越した知の継承をはかり、創造性を涵養するという京都大学の理念に照らして、現代経済社会の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材、地球社会の調和ある共存に貢献する人材、豊かな人間愛と人権感覚を備え、公正を求める廉潔な心情をもった人材を育成することが、京都大学経済学部の教育理念です。
 
教育目標
この教育理念を実現するために、京都大学経済学部では以下の目標を掲げ、その遂行・達成に取り組みます。
 
  1. 多様な入試を通じて、多彩な個性、文化的背景を持つ学生を集め、経済・経営に関する柔軟かつ多様な視点と能力を持つ学士を育成し、社会の広い分野に供給します。
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  3. 経済学・経営学についての幅広い基礎的な学問を修得させると共に、柔軟な思考力と創造性を養うために多元的なカリキュラムを整備して教育にあたり、演習を重視して個人指導および集団学習をおこないます。
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  5. 世界最先端の経済学・経営学の研究成果を用いて、経済学研究科と連携しながら、高度な専門教育の充実をはかります。
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  7. 政府機関や企業、非営利団体等との研究教育パートナーシップを通じて、経済・経営に関する高度で実践的な能力の開発をはかります。
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  9. 経済のグローバル化のもとで、持続的経済発展に貢献できる国際的な能力を持つ人材の育成につとめます。
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  11. こうした教育活動の全体を通じて、時代の進展に対応した基礎的・専門的学力を備えさせるとともに、豊かな人間愛、人権感覚を備え、公正を求める廉潔な姿勢をもった人材の育成につとめます。
 

3つの基本方針

京都大学経済学部の教育理念を実現するために、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーの3つの基本方針を定めます。
 
アドミッション・ポリシー
 
  1. 経済学の研究対象である経済活動は、人間が生きていくためにもっとも基本的なものです。私たちが毎日生活しているのは、多くの人々が日々経済活動を営んでいるからこそ可能となっているのです。しかしその経済活動は決して単純なものではなく、産業空洞化、雇用問題、財政赤字、少子高齢化、エネルギー環境問題など、私たちが解決すべき経済問題が、次々と新たに発生し、複雑性を増しています。
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  3. このような状況を前にして、経済学の課題を解決するためには、どのような事態になっても対応できる柔軟な思考力と創造性を備えることが重要であると私たちは考えています。
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  5. 本学部は、大正8(1919)年に創設された、日本でもっとも古い伝統を誇る経済学部のひとつですが、この長い歴史を通じて、基礎的な科目の教育を充実すると共に、絶えず新しい分野の学問を教育することを心がけ、社会経済の激動に柔軟に対応し、解決策を発見、創造できる人材を育成することを目標としてきました。
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  7. そして現に経済学部は、学界、官界、産業界などで、このような能力を持つ多くの人材を輩出してきたと自負し、またそのような評価も受けています。私たちは、このような京都大学経済学部の良き伝統を継承し、そこに新たな歴史の一ページを刻み込む強い意欲を持つ学生諸君が門を叩いてくれることを望みます。
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  9. 多様な背景をもつ学生を受け入れるため、本学部では、「一般入試」、「理系入試」および「特色入試」という3種類の学力検査を実施します。 これら3種類の入試すべてで、高等学校までに十分な基礎的学力を身につけることを求めていますが、とくに理系入試においては、数理的能力を重視した選抜を行います。また特色入試では総合的な学力とともに自学自習の能力を重視した選抜を行います。その他にも、留学生、外国学校出身者、3年次編入者向けに、多様な学力検査の機会を提供します。
 
カリキュラム・ポリシー
 
  1. 豊かな知性と人間性を育む教養教育を基盤として、その上に、新たな知の創造につながる基礎教育と専門教育を積み上げます。そのために1年生向けの入門科目、2年生以上向けの専門基礎科目と専門科目I、3年生以上向けの専門科目II、先端的あるいは実務的な特殊講義(大学院との共通科目や社会人講師による講義)および演習(1年次から)からなる体系的なカリキュラムを構築します。
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  3. 共通の基礎のうえで柔軟な専門性を獲得することを支援するために、「理論・歴史コース」「政策コース」「マネジメントコース」および「ファイナンス・会計コース」という4つの履修モデルを用意します。
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    • 「理論・歴史コース」では、経済メカニズムの本質について理論的・歴史的に深い考察が行える人材を育成します。
    • 「政策コース」では、理論的・実証的分析に裏づけられた実践的な政策提言が行えるような人材を育成します。
    • 「マネジメントコース」では、民間企業のコーポレートガバナンスやビジネスデザインのみならず、NPO法人の設立・経営など、組織経営の実践的で主体的な意思決定を行える人材を育成します。
    • 「ファイナンス・会計コース」では、高度化・国際化が進むファイナンスの最新知識と、会計のグローバル・スタンダードを身につけた人材を育成します。
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    さらに、一定の条件を満たした学生を当該コースの修了者と認定することによって、系統的な履修を指導します。
     
  5. 社会経済の変化に際しても自主的、積極的に対応できる学士力を涵養するため、対話を根幹とした自学自習の姿勢を効果的に修得させます。経済学部では、学部科目はすべて選択科目で、必修科目はありません。これは、学生が自主的な選択によって自由に学ぶことを基本方針としているためです。また少人数教育である演習では、各教員が特定のテーマで指導しますが、その根幹は参加する学生自身の自学自習に基づく報告発表と学生相互の討論です。演習参加者は、こうした演習活動の成果を、卒業年次に卒業論文として提出することができます。

  6. 多元的な接近法を学ぶ機会を提供するために、本学法学部科目や他学部科目、国内の他大学科目、交換留学制度などにもとづく外国の大学での科目についての履修を認めています。

ディプロマ・ポリシー(兼 京都大学経済学部学位授与基準)
 
  1. 定められた期間在学し、本学部の教育理念・教育目標に沿って設定した授業科目を履修して、基準となる単位数を修得し、学士試験に合格することが、学位授与の要件です。修得すべき授業科目には、講義科目のほか、演習や卒業論文などの科目が含まれます。
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  3. 全学共通教育を通じてなされた教養教育と、本学部の特性に応じて編成された入門科目、専門基礎科目および専門科目をともに修得しているかどうかが、学士試験に合格する基準となります。
 

経済学研究科

理念

基本理念
京都大学が、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎に、ここに京都大学大学院経済学研究科の基本理念を定めます。
 
教育理念
地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度な専門能力をもつ人材を育成するという京都大学の理念に照らして、経済学という学問の知恵、知識、技術を通じて、現代社会経済の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材、地球社会の調和ある共存に貢献する人材、豊かな人間愛と人権感覚を備え、公正を求める廉潔な心情をもった専門的人材を育成することが、京都大学大学院経済学研究科の教育理念です。
 
教育目標
この教育理念を実現するために,経済学研究科では以下の目標を掲げ,その遂行・達成に取り組みます。
 
  1. 経済学研究科は修士課程と博士後期課程から構成されます。修士課程では、研究者を目指す学生に対して、授業および修士論文作成を中心にした個人指導により、経済学と関連領域の蓄積を継承させ、研究に必須の基礎学力および分析能力を身につけさせることを目標とします。
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  3. 博士後期課程では、自由と自主を尊重する学風のもと、修士学位を取得したのちに博士学位(経済学)の取得を目指す学生に対して、研究指導を行い、経済学の先端的課題や社会経済の諸問題に果敢に挑戦し、社会の期待に応えられる研究者を養成することを目標とします。
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  5. これらの理念と目標を実現するために、経済学研究科では多様で高度な専門能力をもつ教員を擁し、経済哲学から理論、歴史、政策、応用経済学、経営・会計学などの諸分野にわたる幅広い教育を行うことにより、学問の過度な専門化に陥ることなく、幅広い視野から自己の研究を位置づけて、新たな知の体系を構築する能力を磨きます。
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  7. 研究の深化を図るとともに、強い責任感と高い倫理性をもって自己の研究を見つめ、それが人や自然との調和ある共存という目的にかなっているかどうか批判的に吟味する力を育てるために、個人指導、演習、プロジェクトへの参加を通じて、将来、教育・学術・そのほかの分野において指導的役割を果たすために必要な公正で寛容、かつ人間愛豊かな人格を磨きます。
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  9. 多様な入試を活用して集めた国際的に多彩な個性、キャリア、文化をもつ大学院生集団を形成し、国際的な視点で経済・経営の問題を分析できる専門能力をもった人材の育成に努めます。
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  11. エコノミストやビジネスアナリストのように、国内外の高度な経済・経営問題に対して、世界水準で現実的な解決策を提供する実践的能力をもった人材の育成に努めます。
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  13. こうした教育活動の全体を通じて、時代の進展に対応した研究能力を涵養します。
 
研究理念
基礎研究と応用研究、文科系と理科系の研究の多様な発展と統合をはかるという京都大学の理念に照らして、経済学という学問の知恵、知識、技術を通じて、社会経済の様々な課題の解決に貢献することが、経済学研究科の研究理念です。
 
  1. 世界的卓越と創造性
    研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行う京都大学の理念を踏まえて、経済学研究科は、人間の社会的生存の基礎をなす経済・経営の活動と組織の研究を通じて、その理念を具体化することを目指します。
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  3. 地球社会への貢献
    持続可能な経済成長,貧困と格差、経済危機、エネルギー問題、環境破壊、人口問題、国際的対立など、世界の経済が直面している諸問題に専門的研究を通じて取り組み、地球社会の平和、公正と協調、および豊かで持続可能な発展に学術的に貢献します。また研究成果の公開や政策助言を通じて、公共社会に貢献します。
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  5. 多元的価値と多様な接近法
    地球社会と学術の高度化・複雑化・多様化に対応して、多元的価値と多様な接近法を尊重しつつ、高度で信頼しうる研究・分析手法を開発します。


  6. 経済学研究科の研究理念を実現するために、以下の研究基盤を確立します。

  7. 共通の基礎と多様性の確保
    共通の理論的基礎と多様な接近法の相互理解を重視します。
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  9. 先端的研究基盤の確立
    世界的水準の先端的研究に取り組むために、人的・財政的・情報的基盤を確立します。
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  11. 国際的共同研究拠点の形成
    世界の多くの大学・研究機関と交流・協働して、国際的な研究拠点を形成します。
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  13. 研究成果の蓄積
    国内外の経済文献・資料を収集・保存する専門図書室などを拡充して、専門的研究を支えます。
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  15. 研究成果の公表
    多様な形態で研究成果を公表し、国内外の学術の発展に寄与します。
 

3つの基本方針

京都大学大学院経済学研究科の教育理念を実現するために、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーの3つの基本方針を定めます。
 
アドミッション・ポリシー
 
  1. 日本で最も古い伝統を誇る経済学研究科の一つである京都大学大学院経済学研究科は、大正8(1919)年の経済学部の創設と、それに続く昭和28(1953)年の経済学研究科の設置以来、経済学分野における教育研究の一大拠点として活動を続けてきました。博士課程5年一貫の教育研究を通して、経済・経営における諸活動を科学的に分析し、財政、産業、雇用、経営、金融、エネルギー、環境、医療など、現在の世界が抱える諸問題に対して、本質的な解決策を提示しうる研究者の養成をおこないます。
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  3. 激動する今日的環境において、経済学の最先端を切り開き続けるためには、即効性のある個々の断片的な知識を詰め込むよりも、過去に例のない様々な種類の問題に対して創造的に対応できる、以下のような能力を涵養することが必要であると考えます。
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    • 論理的合理的な思考力
    • 自ら問題を発見し解決しうる能力
    • 豊かな個性と恵まれた独創力
    • 卓越した知を継承しうる創造的融合能力
     
  5. 経済学研究科では、「修士課程 学生選抜試験」「博士後期課程 編入学生選抜試験」に加えて、「修士課程・博士後期課程 外国人留学生特別選抜試験」「修士課程・博士後期課程 外国人留学生別途選考」「修士課程・博士後期課程 東アジア持続的経済発展研究コース学生選抜試験」「博士後期課程 編入学生社会人特別選抜試験」を実施し、多様な背景をもつ学生を受け入れています。
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  7. 私たちは、学問の自由と自主独立という良き伝統を踏襲しつつも、日本、世界の経済学における未踏の難関に挑戦し続ける気概のある人材を求めています。
 
カリキュラム・ポリシー
 
  1. 修士課程では、学士課程での教育によって得た成果を発展させて、幅広く深い学識を涵養するとともに、本学の多様な学術的研究を背景とした基盤的・先端的な専門知識を習得させ、専攻分野における研究能力と高度な専門性を必要とする職業をになうための実践的能力を培わせます。そのため、基礎科目と専門科目に分けた系統的で多元的なカリキュラムを提供します。専門科目では、履修のモデルとして6つの専門コースを提示することにより、必要な専門知識を積み上げ式で効率よく身に付けられるよう指導します。
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  3. 博士後期課程では、経済学の先端的課題や社会経済の諸問題に取り組み、社会の期待に応えられる研究者を養成します。そのため、指導教員を中心に研究指導を行い、その研究成果をもとに研究指導を受けたことの認定を行います。博士後期課程では、研究成果を集大成した課程博士学位請求論文の作成と学位取得が最終目標となりますが、その過程において複数の教員からなる論文指導委員会が系統的な指導をおこないます。
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  5. 学問の過度な専門化に陥ることなく、幅広い視野から自己の研究を位置づけて知の体系を構築できるよう、多様で高度な専門能力をもつ教員を擁し、経済哲学から理論、歴史、政策、応用経済学、経営・会計学などの諸分野にわたる幅広い教育をおこないます。
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  7. 自己の研究を各専門分野において的確に位置づけ、その成果と意義を真に国際的な水準で議論し、必要に応じて共同研究体制を構築できる能力を育てます。そのために、多元的な研究方法と多様性に富む研究課題を尊重した演習とワークショップを設けます。また、諸外国に大学院生を派遣すること、諸外国や学外から研究者を招くこと、および様々なプロジェクトをおこなうことによって、大学院生の研究能力を高めます。
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  9. 社会的責任と研究倫理をもって自己の研究を見つめ、それが人や自然との調和ある共存という目的にかなっているかどうかを批判的に吟味する力を育てます。将来、教育・学術・そのほかの分野において指導的役割を果たすために必要な公正で寛容、かつ人間愛豊かな人格を磨きます。
 
ディプロマ・ポリシー(兼 京都大学大学院経済学研究科学位授与基準)
 
  1. 修士課程にあっては、幅広く深い知識を兼ね備え、専攻分野における研究能力と、高度な専門性を必要とする職業をになうための優れた能力を身につけているかどうかが、課程修了の基準です。そして、経済学研究科に2年以上在学して、基礎科目、専門科目ごとに定められた必要最低単位数以上を修得し、課程を修了することが学位授与の要件です。課程修了にあっては修士論文の審査および試験に合格することが必要です。
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  3. 博士後期課程にあっては、研究者として自立して活動し、また高度な専門業務に従事するために必要な能力とその基盤となる学識を身につけているかどうかが、学修認定の基準です。そして、本研究科に3年以上在学し、学修認定(研究指導認定)を受け、かつ博士論文の審査及び試験に合格することが学位授与の要件です。
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  5. 研究が、社会的責任と研究倫理をもって実施され、人や自然との共生にかなっているかどうかも、大学院課程修了の際に考慮されるべき重要な視点です。