京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

理念・ポリシー

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経済学部

理念

    京都大学の教育理念
  • 多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、卓越した知の継承と創造的精神の涵養につとめる
  • 教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成する
に照らして、ここに京都大学経済学部の教育理念と教育目標を定めます。

 

教育理念

現代経済社会の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材、地球社会の調和ある共存に貢献する人材、豊かな人間愛と人権感覚を備え、公正を求める廉潔な心情をもった人材を育成することが、京都大学経済学部の教育理念です。

 

教育目標

この教育理念を実現するために, 京都大学経済学部では以下の目標を掲げ, その遂行・達成に取り組みます。

  1. 多様な入試を通じて, 多彩な個性, 文化的背景を持つ学生を集め, 経済・経営に関する柔軟かつ多様な視点と能力を持つ学士を育成し, 社会の広い分野に供給します。
  2. 経済学・経営学についての幅広い基礎的な学問を修得させると共に, 柔軟な思考力と創造性を養うために多元的なカリキュラムを整備して教育にあたり, 演習を重視して個人指導および集団学習をおこないます。
  3. 世界最先端の経済学・経営学の研究成果を用いて, 経済学研究科と連携しながら,  高度な専門教育の充実をはかります。
  4. 政府機関や企業, 非営利団体等との研究教育パートナーシップを通じて, 経済・経営に関する高度で実践的な能力の開発をはかります。
  5. 経済のグローバル化のもとで, 持続的経済発展に貢献できる国際的な能力を持つ人材の育成につとめます。
  6. こうした教育活動の全体を通じて, 時代の進展に対応した基礎的・専門的学力を備えさせるとともに, 豊かな人間愛, 人権感覚を備え, 公正を求める廉潔な姿勢をもった人材の育成につとめます。

 

3つのポリシー

京都大学経済学部の教育理念を実現するために, ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー, アドミッション・ポリシーの3つのポリシーを定めます。


ディプロマ・ポリシー(兼 京都大学経済学部学位授与基準)


京都大学経済学部は, 経済学・経営学の知識をもとに, 社会経済の変化に柔軟に対応し, 解決策を発見, 創造できる人材を輩出することで, 学界, 官界, 産業界に貢献することが期待されています。
そうした人材を育成するために, 本学部では, 卒業にあたって, 以下の点に到達していることを目標としています。


  1. 経済学・経営学についての基礎知識を修得している
  2. 経済学・経営学の知識をもとに, 現代経済社会の諸問題について主体的に考えて分析し, 解決策を考察できる
  3. 社会経済の変化に対応できる, 柔軟な思考力と創造性を身につけている
  4. 経済学・経営学に関連する幅広い教養と十分な語学力を身につけ, 異なる文化的背景を持つ人々と交流できる


学士の学位は, 入学後4年以上(3年次編入の場合は2年以上)在学したうえで, 卒業に必要な所定の単位を修得し, 学士試験に合格した者に与えられます。

 

カリキュラム・ポリシー


京都大学経済学部では, ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するため, 経済経営学科の一学科の下で, 教養教育と専門教育の履修を通じて, 柔軟な思考力と創造性を修得させるという教育方針を掲げています。とりわけ, 少人数教育である演習を通じ, 対話を根幹とした自学自習の姿勢を重視しています。


このような方針に従って, 京都大学経済学部学生が履修すべきカリキュラムを, 以下の通りに定めます。


  • 主に1・2回生時に, 人間・社会・文化に関する幅広い理解とともに人間社会への倫理性と社会的正義に対する責任感を涵養する人文・社会科学、自然の成り立ちを理解し合理的な思考を身につける自然科学, 学部科目の方法的基礎を提供する数学・データ科学科目, 異文化との交流のための複数の語学力を養う語学科目――これらからなる「全学共通科目」を履修します。【DP4】
  • 1回生前期に, 高校教育から大学教育へ円滑に移行できるように, 「入門演習」を履修します。そこでは, アカデミック・ポートフォリオの作り方や基本的なアカデミック・スキル, 研究倫理を学習します。【DP1.2】
  • 1回生時に, 経済学・経営学の入門知識を広く修得できるように, 「入門科目」を履修します。そこでは, 標準的な入門書を使って, 経済学・経営学の初歩を体系立てて学習します。【DP1】
  • 2回生時に, 経済学・経営学の専門基礎知識を広く修得できるように, 「専門基礎科目」を履修します。そこでは, 標準的な教科書を用いるなど, 当該分野を専門としない学生も経済学・経営学の専門基礎を体系立てて学習します。【DP1.2】
  • 入門科目・専門基礎科目については「選択必修制度」を定めています。広い分野の科目を体系立てて学修するための基礎を修得できるように, A群からD群までの4群の中から, それぞれ所定の単位以上を履修します。【DP1.2】
  • 入門科目・専門基礎科目を修めた2回生以上の学生は, より発展的な内容を修得できるように, 「専門科目」を履修します。これらでは, 標準的な教科書にとどまらず, 専門書・論文などを教材に用いて専門知識を修得します。専門科目もA群からD群までの4群に分類され, 各分野において専門性を深めることができるとともに, これらの複数群の科目を, 学生自身の学問的関心やキャリア設計にしたがって系統的に組み合わせることによって, 幅のある専門性を身につけることができます。【DP3】
  • 主に3回生以上の学生が社会人として有益な知識を修得できるように, 「特殊講義(大学院との共通科目や社会人講師による講義)」を履修します。【DP3】
  • 3回生以上の学生は, 年次ごとに「演習」を履修します。演習では, 各教員から特定のテーマで指導を受け, 学生自身の自学自習に基づく報告発表と学生相互の自由な討論を通じ, 柔軟な思考力と創造性を身につけます。演習参加者は, こうした演習活動の成果を, 卒業年次に「卒業論文」として提出することができます。【DP2.3】
  • その他, 多様な視点を得る機会として, 「グローバル科目」「法学部提供科目」「他学部科目」, 国内の他大学科目, 交換留学制度などにもとづく外国の大学での科目を履修することも認めています。【DP3.4】

 

京都大学経済学部では, 学生が上記カリキュラムを履修していく上で, 1開講期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めています。そして, 全学共通科目と学部科目のコースツリー(科目構成), および4つの科目群の入門科目・専門基礎科目・専門科目を中心とする履修モデルを用意し, 学生の系統的な学修とキャリア設計を促しています。

 

また, 特に優秀な卒業論文を執筆した学生には, 優秀卒業論文賞を授与することで, 専門知識の修得とその創造的な応用能力の向上を図っています。さらに, 学業成績が優秀で, かつ, 大学院進学を希望する学生には, 4回生時より大学院の授業を履修させ, 早期に研究者ないし高度専門人材として自立できるように配慮しています。なお, 各科目の学修成果の評価方法は, シラバスにおいて科目ごとに明示されています。

 

アドミッション・ポリシー


経済学・経営学は個人から政府に至るまでの幅広い対象の経済活動ならびに企業の営利活動を研究対象とし, 個人や社会の厚生の向上を目指す学問です。その研究対象は決して単純ではなく, 財政, 産業, 雇用, 金融, 地球環境などに解決すべき諸問題が次々と発生し, 複雑性を増しています。京都大学経済学部は, 自由の学風を維持しつつ, 経済学・経営学の基礎的な科目の教育を充実するとともに, 絶えず新しい分野の学問を教育することを心がけ, 社会経済の変化に柔軟に対応し, 解決策を発見, 創造できる人材を育成することで学界, 官界, 産業界に貢献してきました。

このような歴史を踏まえ, 京都大学経済学部は, 経済学・経営学的分析能力を修得できる知力と探究心を持ち, かつ, 教員や他の学生と積極的に討論を重ねることにより, 自主的に考え創造的な提案が行える人材に成長できる学生を求めており, 以下のような学生の入学を期待しています。


【経済学部が求める学生像】

  • 高等学校教育を通じて広範で高度な基礎知識を身につけるとともに, 論理的思考力ならびに語学能力を修得している人
  • 社会・経済活動全般に積極的に関与したいと考える, 知的好奇心が旺盛な人


京都大学経済学部が求めるような学生の成長を促すうえでは, 多様な背景をもつ学生を受け入れることが重要であり, 現在, 「文系入試」, 「理系入試」および「特色入試」(文系型および理系型)という3種類の入学試験を実施しています。

定員の多くを占める文系入試においては, 経済学・経営学を学ぶための基礎となる地理歴史と数学, 論理的思考力を担保する国語, 専門教育や卒業後の国際的活動に不可欠な英語の4科目に関して個別学力検査を実施しています。理系入試においては, 文系入試における地理歴史の試験に代えて理系用の数学試験を課すことで, 経済分析で重要となる数理的能力を重視した選抜を行っています。大学院への進学を希望し, 学問に固有な分析手法を修得できる知力と探求心を持ち, かつ, 自主的に考え創造的な提案が行える人材に成長できる人を対象に実施する特色入試においては, 高等学校の調査書, 推薦書, 学びの設計書, 顕著な活動・学習実績の概要, 大学入学共通テスト(文系型および理系型)および英語能力試験(文系型のみ)を総合して選抜を行っています。

また, これらの3種類の入学試験においては, 総合的学力の評価を行うために大学入学共通テストの点数を取り入れた合否判定を行っています。その他にも, 外国学校出身者, 3年次編入者向けに, 多様な学力検査の機会を提供しています。

 

経済学研究科

理念

    京都大学の教育理念
  • 多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、卓越した知の継承と創造的精神の涵養につとめる
  • 教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成する
ならびに、研究理念
  • 研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行う
  • 総合大学として、基礎研究と応用研究、文科系と理科系の研究の多様な発展と統合をはかる
に照らして、ここに京都大学大学院経済学研究科の教育理念と研究理念を定めます。

 

教育理念

現代社会経済の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材、地球社会の調和ある共存に貢献する人材、豊かな人間愛と人権感覚を備え、公正を求める廉潔な心情をもった専門的人材を育成することが、京都大学大学院経済学研究科の教育理念です。

 

研究理念

人間の社会的生存の基盤をなす経済・経営の活動や組織の研究を通じて、社会経済の様々な課題の解決に取り組み、研究成果の公開に加えて、産学連携活動や政策助言にも携わることで、公共社会に広く貢献することが、京都大学大学院経済学研究科の研究理念です。

 

 

3つのポリシー

京都大学大学院経済学研究科の教育理念を実現するために, ディプロマ・ポリシー, カリキュラム・ポリシー, アドミッション・ポリシーの3つのポリシーを定めます。

ディプロマ・ポリシー(兼 京都大学大学院経済学研究科学位授与基準)

 

経済学研究科 修士課程 経済学専攻

京都大学大学院経済学研究科は, 地球社会の調和ある共存に寄与する, 優れた研究者と高度な専門能力をもつ人材を育成するという京都大学の理念に照らして, 経済学という学問の知恵, 知識, 技術を通じて, 現代社会経済の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材, 地球社会の調和ある共存に貢献する人材, 豊かな人間愛と人権感覚を備え, 公正を求める廉潔な心情をもった専門的人材を育成することを目的としています。

そうした人材を育成するために, 本研究科では、所定の課程を修め, 必要な単位を修得し, かつ研究指導を受けた上で, 修士論文の審査に合格し, 次のような目標を達成した者に, 修士(経済学)の学位を授与します。

 

  1. 修士課程研究者養成プログラムにあっては, 研究者になるための経済学と関連領 域の蓄積を継承させ, 経済学に基づく高度な専門知識を備え, 研究に必須の基礎 学力及び分析能力を身につけている。
  2. 修士課程高度専門人材養成プログラムにあっては, 経済学に基づく高度な専門知識を備え, 経済学と関連の諸領域および実証・データ分析における基盤的・先端的な専門知識を修得している。またグループワークや英語を含むコミュニケーションに関する能力を高め, 国内外の経済社会の課題・問題を実践的に分析, 解決できる能力を修得している。
  3. 経済学分野の学術研究における社会的責任と研究倫理をもって実施, 人や自然との共生にかなっている。
  4. 国際的な視点で経済・経営の問題を分析できる専門能力を備えている。
  5. 執筆した修士論文が学術上あるいは実際上経済学に寄与する成果を有している。

 

経済学研究科修士課程 京都大学国際連携グローバル経済・地域創造専攻

 京都大学国際連携グローバル経済・地域創造専攻における修士学位プログラムは,京都大学, グラスゴー大学,バルセロナ大学の3大学が共同で一つの修士の学位を授与する国際ジョイント・ディグリー・プログラムです。本専攻では,この3大学を含め内外の複数の大学が構成する「GLOCALコンソーシアム」の多国籍的な教育資源を活用して,国際的な人材を育成することを目的としています。
 そうした人材を育成するために,本専攻では,本学通則,経済学研究科規程,および本専攻に関わる大学間協定に基づいて,本研究科・専攻が定める教育プログラム履修上の要件を充足し,必要な単位を修得し研究指導を受けた上で,修士論文の審査に合格し,次の学修成果を達成した者に,修士(グローバル経済・地域創造)の学位(英語名称:International Master in Global Markets, Local Creativities)を授与します。


    • 社会的責任と研究倫理を自覚した学修とその成果が確認される。
    • グローバル化とその下での地域の変容・主体性に関する歴史的素養と経済学的な知識を身につけている。
    • 社会や組織が直面する現実の問題について,批判的で分析的な思考を行うことができる。
    • 英語をアカデミックなツールとしても実践上の意思疎通手段としても活用でき, 国際的な場で十分な意思疎通ができる。
    • 国際的な視野と異文化対応力を持ち, 国際的な環境でリーダーシップを発揮することができる。
    • 修士論文が学術性を有し,学術的な貢献あるいは社会的な意義がみとめられる。

     

    経済学研究科 博士後期課程 経済学専攻

    京都大学大学院経済学研究科は, 地球社会の調和ある共存に寄与する, 優れた研究者と高度な専門能力をもつ人材を育成するという京都大学の理念に照らして, 経済学という学問の知恵, 知識, 技術を通じて, 現代社会経済の多元的な課題に専門的知識をもって挑戦する人材, 地球社会の調和ある共存に貢献する人材, 豊かな人間愛と人権感覚を備え, 公正を求める廉潔な心情をもった専門的人材を育成することを目的としています。

    そうした人材を育成するために, 本研究科では, 所定の課程を修め, かつ研究指導を受けた上で, 博士論文の審査に合格し, 次のような目標を達成した者に, 博士(経済学)の学位を授与します。

    1. 研究者として自立して活動し, また高度な専門業務に従事するために必要な高度な能力とその基盤となる学識を身につけている。
    2. 経済学の先端的課題や社会経済の諸問題に果敢に挑戦し, 解決できる高度な能力を修得している。
    3. 経済学分野の学術研究における社会的責任と研究倫理をもって実施, 人や自然との共生にかなっている。
    4. 国際的な視点で経済・経営の問題を分析できる高度な専門能力を備えている。
    5. 執筆した博士論文が学術上あるいは実際上経済学に, 大きく寄与する研究成果を有している。
 
 
カリキュラム・ポリシー
経済学研究科修士課程・博士後期課程 経済学専攻


京都大学大学院経済学研究科では, ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために, 学問の過度な専門化に陥ることなく, 幅広い視野から自己の研究を位置づけて知の体系を構築できるよう, 多様で高度な専門能力をもつ教員を擁し, 経済哲学から理論, 歴史, 政策, 応用経済学, 経営・会計学などの諸分野にわたる幅広い教育をおこなうために,  専門教育科目を体系的に編成し, 講義, 演習等を適切に組み合わせた授業科目を開講する。教育課程については, コースツリーやナンバリングを用いてその体系性や構造を明示する。

          1. 修士課程高度専門人材養成プログラムにおいては, 授業履修と修士論文研究により, 経済学と関連の諸領域および実証・データ分析における基盤的・先端的な専門知識を修得し, またグループワークや英語を含むコミュニケーションに関する能力を高め, 国内外の経済社会の課題・問題を実践的に分析, 解決できる能力を修得することを目標とします。修士論文研究は, 複数の担当教員による集団研究指導(高度専門人材養成プログラム修士論文ワークショップ)を受けながら行います。
          2. 修士課程研究者養成プログラムにおいては, 授業履修と修士論文研究により, 経済理論, 社会経済学, 応用経済学, 経済史・思想史学, 経済政策, 経営・会計学など、経済学と関連の諸領域における蓄積を継承し, 研究に必須の基礎学力および分析能力を修得することを目標とします。修士論文研究は, 入学後決定する指導教員による個別指導を受けながら行います。
          3. 博士後期課程では, 経済学の先端的課題や社会経済の諸問題に取り組み, 社会の期待に応えられる研究者を養成します。そのため, 指導教員を中心に研究指導をおこない, その研究成果をもとに研究指導を受けたことの認定をおこないます。博士後期課程では, 研究成果を集大成した課程博士学位請求論文の作成と学位取得が最終目標となりますが, その過程において複数の教員からなる論文指導委員会が系統的な指導を行います。
          4. 東アジア持続的経済発展研究コース(EAコース)では, 東アジア地域と世界の持続可能な発展に関わる社会経済的諸問題の解決に貢献しうる実践志向型の学術研究者, 国際機関等の実務エコノミストをはじめとするグローバル人材を養成するため, 経済・経営学分野の基礎トレーニングを提供するコア科目, それを発展させた専門科目の履修を通じた理論的実証的分析能力の涵養に努めています。主に博士後期課程を対象とする専門B科目群では研究発表中心のワークショップ科目, アカデミック技法や研究者倫理に関する科目, 日本と東アジア諸国のフィールド調査, 国際学会や国際キャリア開発セミナー, インターンシップへの参加を促す科目を修得することを目標としています。修士論文研究は, 指導教員による指導を受けながら, 行い, 博士論文研究は, 毎年度の研究計画書と研究報告書の提出を義務付け, 2名の指導教員による指導を受けながら行います。
          5. 自己の研究を各専門分野において的確に位置づけ, その成果と意義を真に国際的な水準で議論し, 必要に応じて共同研究体制を構築できる能力を育てます。そのために, 多元的な研究方法と多様性に富む研究課題を尊重した演習とワークショップを設けます。また, 諸外国に大学院生を派遣すること, 諸外国や学外から研究者を招くこと, および様々なプロジェクトをおこなうことによって, 大学院生の研究能力を高めます。
          6. 社会的責任と研究倫理をもって自己の研究を見つめ, それが人や自然との調和ある共存という目的にかなっているかどうかを批判的に吟味する力を育てます。将来, 教育・学術・そのほかの分野において指導的役割を果たすために必要な公正で寛容, かつ人間愛豊かな人格を磨きます。

     

    経済学研究科修士課程 京都大学国際連携グローバル経済・地域創造専攻
    本専攻での教育課程は,ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために,京都大学,グラスゴー大学,バルセロナ大学の3大学を含むGLOCALコンソーシアムが全体として一体的な教育課程(GLOCALプログラム)を編成しています。このGLOCALプログラムには共同学位における大学の組み合わせが複数あり,全体として多種の国際共同学位を授与しますが,本専攻による教育課程はそれら複数の学修経路(スタディトラック)の一つであり,以下の方針でカリキュラムが編成されています。

     

      1. グローバル経済と地域の関係についてグローバルな環境の下で学ぶために,GLOCALプログラムに所属する多様な出身国・学修歴の学生全員が秋人学によりグラスゴー大学にて学修を開始し,複数の学修経路(スタディトラック)に岐かれつつ,一方向・同一時期の移動により,3つの国の3つの大学で学修します。
      2. 第1学期(グラスゴー大学),第2学期(バルセロナ大学),第3学期(京都大学)においては,コースワーク中心に編成されたカリキュラムによってグローバル化とその下での地域の変容・主体性に関する基礎知識を学び,またこれを分析するための歴史的素養と経済学的な知識を修得します。
      3. 英語をアカデミックなツールならびに実践上の意思疎通手段として使いこなすために,グラスゴー大学,バルセロナ大学,京都大学での学修の課程全体を通じ,英語によってプログラムを提供します。授業担当者の多国籍性,フィールド授業・グループ学習・サマースクール等を含む多様な内容と,第3学期・第4学期での少人数教育により,異文化対応力や国際的コミュニケーションの能力を向上させ,リーダーシップを涵養します。
      4. 批判的で分析的な思考を行うために,第1学期から第3学期で提供するコースワークは社会や組織が直面する現実の問題を扱う科目を含むものとします。第3学期には学位論文の主題に関する研究に着手するものとし,第4学期を,3大学教員による共同個別指導下で行う学位論文の作成(Master Thesis Researchを履修)の期間とします。
      5. 社会的責任に関する自覚を涵養し,研究倫理に関する理解を深めるため,関連の授業科目等を設け,また特別研究において個別指導を行います。

 

アドミッション・ポリシー
経済学研究科修士課程・博士後期課程 経済学専攻


日本で最も古い伝統を誇る経済学研究科の一つである京都大学大学院経済学研究科は, 創設以来, 経済学分野における研究教育の一大拠点として活動を続けてきました。修士課程・博士後期課程の教育・研究を通して, 経済・経営における諸活動を, 科学的に分析し, 財政, 産業, 雇用, 経営, 金融, 地球環境など, 現在の日本が抱える諸問題に対して, 本質的な解決策を提示しうる研究者, および専門能力を備えた実務家の養成を行っていました。経済学の最先端を切り開き続けるためには, 即効性のある個々の断片的な知識を詰め込むよりも, 過去に例のない様々な種類の問題に対して創造的に対応できる能力が必要になります。このような能力を持つ学生を輩出するため, 私たちは以下のような学生の入学を期待しています。


  1. 修士課程においては, 志望分野を学ぶために必要な基礎学力を有している人, 博士後期課程においては, 志望分野に関する深い専門的知識を有している人
  2. 経済学の研究を通じて学術の高度化に寄与する意欲をもっている人, およびその普及・社会的還元に携わる意欲をもっている人
  3. 志望分野において, 先駆的な研究課題を自ら設定することができ, それぞれの分野の方法論を学んで, 課題を解決する能力をもっている人
  4. 日本語あるいは英語によって, 研究成果を国内外に効果的に発信するための, もしくは実践を通じてその社会的還元に携わるための語学能力を具えている人


本研究科は, 入学者選抜にあたり, 公平な選抜を実施しています。人種, 宗教, 性別, ジェンダー, 年齢, 国籍, 政治的信条, 障害等を理由に差別することはありません。

上記のポリシーを実現するため, 本研究科修士課程では, 学士課程の成績等の書類審査, TOEFLの成績による評価及び経済学等関連の専門知識や研究計画を評価する試験を適宜組み合わせた多様な入学試験を実施します。
また, 本研究科博士後期課程においても, 修士課程の成績等の書類審査, 論文審査及びTOEFLの成績による評価及び口頭試問を適宜組み合わせた入学試験を実施します。
東アジア持続的経済発展研究コース(EAコース)においては, 学士課程または修士課程の成績等の書類審査とそれに基づく受入予定教員とのマッチングを行い, 第1次合格者に対して面接試験を実施しています。

 

経済学研究科修士課程 京都大学国際連携グローバル経済・地域創造専攻
本専攻では,社会や組織が直面する様々な課題に対し,歴史的素養と経済学的な知識に裏打ちされた批判的で分析的な思考を生かして取り組むことができる人材,またグローバル化する今日の世界においてリーダーシップを発揮できる国際的な人材を育成します。そうした人材を輩出するために,選考にあたっては,以下の能力・意欲・経験を持つ人物を評価する形で選抜を行います。

 

  1. 批判的・分析的な思考力を持ち,自ら問題を設定できる。
  2. 歴史に関する知識・関心を持つ。また経済学あるいはその他の社会科学的な諸領域について基礎的な学力を持ち,社会科学的な概念を扱うことができる。
  3. グローバル化やその下での地域の変容への関心を持ち,社会や組織が具体的に直面する課題に対して,リーダーシップを持って取り組みたいという意欲を持つ。
  4. 英語による社会科学系論文の文章論理を理解し,また自らの主張を英語による文章で表現できる。同様に口頭でのコミュニケーションでも意思の疎通が可能である。
  5. 社会的責任と研究倫理を自覚し,それらを踏まえて学修する資質を持つ。

 

上記のポリシーを実施するため,本専攻の選考は,カリキュラム・ポリシーで示した「GLOCALプログラム」の選考の一部として行われます。 ただし,出願者はあらかじめ希望する学修経路(スタディトラック)を定めた上で出願し,出願後はこれを変更することはできません。GLOCALプログラムへの出願者のうち,京都大学での学修を含む学修経路を選択して出願し,選考を経て入学を認められた者が,本専攻の所属学生となります。
GLOCALプログラムにおける選考は基本的に書類選考によって行われますが,本専攻を含む学修経路に関しては,口頭試問が課されることがあります。出願者は,GLOCALプログラムが定める共通の出願資格を満たす必要があり,それには以下のような要件が含まれます。
– 学士号を持つ者。特に,本プログラムの主題に関連する人文社会科学諸分野(例えば経済学,経営学,歴史学,経済史・経営史・社会史その他)に関する学士号を持つ者,あるいはそれと同等とみなされる者。
– GPA基準で75%以上(国別のGPA要件については別途定めGLOCALのウェブサイトに掲載)
– IELTS総合点6.5以上,能力別評定の全てが6.0以上

 

本専攻の教育課程を含め,GLOCALプログラムにおいては,入学者選抜にあたり,公平な選抜を実施しています。人種,宗教,性別,ジェンダー,年齢,国籍,政治的信条,障害等を理由に差別することはありません。