京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

経済学部百周年記念 第2回 国際研究集会

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OUPハンドブック産業ダイナミクス会議

「人文知的『知の越境』による産業ダイナミクス研究―アジア産業論発信と新領域確立」(京都大学”SPIRITS”採択事業)の中心企画の一つでもあるこの産業ダイナミクス会議では、Oxford Handbook of Industry Dynamics(オックスフォード大学出版)刊行をめざし、多様な分野の20名超の海外研究者が集います。研究者向けの本会議【9月27・28日】の他、大学院生向けのPre-Conference Graduate Workshop【9月26日】や、エレナ・ウェストニーMIT名誉教授による学部生向け 国際経営講義【10月1日】を予定しています。

1部 Pre-Conference Graduate Workshop(院生・若手報告会)
  • 日時:2019年9月26日(木)
  • 場所:京都大学 大学院経済学研究科 法経東館8階会議室
  • 対象:大学院生(他大学・他学部含む)および本学部の研究生
  • 【申し込み】
  •  ※参加は事前登録制ですので、必要事項をご記入の上、メールにてお申し込みください。
  • 件名:「Pre-Conference Workshop参加希望」
  • 記載事項:1.氏名(欧文表記も併記)、2.所属・学年、3.研究テーマ、4.指導教員名
  • メールアドレス:caris.kyotooffice[at]gmail.com([at]を@に変えてください)


2部 Kyoto Centennial Industry Dynamics Conference
  • 日時:2019年9月27日(金)~28日(土)
  • 場所:京都大学 大学院経済学研究科 法経東館地下1階 みずほホール
  • 対象:大学院生(他大学・他学部含む)および研究者の方
  • 【申し込み】
  •  ※参加は事前登録制ですので、必要事項をご記入の上、メールにてお申し込みください。
  • 件名:「Industry Dynamics Conference参加希望」
  • 記載事項:1.氏名(欧文表記も併記)、2.所属、3.所属学会
  • メールアドレス:caris.kyotooffice[at]gmail.com([at]を@に変えてください)


3部 Eleanor Westney MIT名誉教授講演会
  • タイトル:“Learning Across Borders: Moving Organizational Patterns Across Societies”
  • 日時:2019年10月1日(火)  10時半~12時
  • 場所:京都大学 大学院経済学研究科 法経本館1階 第五教室
  • 対象:大学院生・学部生
  • 申し込み:不要

  • ※なお本特別講義は,若林直樹教授による「経営組織」の第1回授業をお借りして実施します。
  •  10時30分から同講義のイントロダクションが,引き続き11時前後からウェストニー教授の特別講義が予定されています。

  • コーディネーター:黒澤 隆文(教授)
  • 言語:英語

イベント報告

「産業ダイナミクス」を主題とする本企画は,国際会議,大学院生ワークシッョプ,学部学生向け特別講義からなる複合イベントとして9月下旬から10月1日にかけて実施されました。

その中心となる国際会議(OUPハンドブック会議)は,オックスフォード大学出版による大型出版企画Oxford Handbook of Industry Dynamics(M. Kipping, T. Kurosawa, E. Westney共編)の原稿調整第1回分科会(「OUP会議」)としての性格を持ち,9月27日・28日の両日,法・経済学部東館みずほホールにて開催されました。計62名にのぼる同書の編者・各章著者のうち23名(海外16名,国内7名)の他,3名の研究者が司会・討論者として参加し,また本学学生を含む内外の大学院生や他大学の研究者も一般参加者として多数が参加しました。上記のハンドブックの学際的な性格を反映して,国際経営,組織論,経営史,社会学,政治経済学,科学技術論等の多彩な領域の研究者の間で活発な議論が交わされ,産業論の体系化と新領域としての確立にとって重要なステップとなりました。

これに先立つ26日には,若手研究者育成国際ワークシッョプ(Pre-Conference Graduate Workshop)が同一会場にて開催されました。他大学の2名を含む10名の大学院生・若手研究員が研究報告を行い,OUP会議に招聘された海外有力研究者が本ワークショップにも参加し,教育的観点からこれに助言・コメントを行いました。10本の報告論文それぞれにつき各2名の海外研究者をコメンテーターとして事前に割り当てましたが,ワークシッョプではこの割り当ての範囲を超えて出席した海外研究者が事実上全ての論文に多方面から実践的な助言を行う形となり,大きな教育効果が得られました。ワークショップ,レセプションへの参加と世代・国境・学問領域を超えた学術交流によって,大学院生にとっては国際的研究ネットワーク構築という点でも貴重な機会となりました。

最終日の10月1日には,エレナ・ウェストニーMITスローンスクール名誉教授(OUPハンドブック共編者)による学部学生向け特別講義が,武石彰教授の司会と200名を超える学生の出席のもとで行われました(会場: 法・経第五教室。若林直樹教授による「経営組織1」のゲスト・レクチャーの形で実施)。国際経営研究者として世界的に著名な同教授は,『組織理論と多国籍企業』(1998)や『スマート・グローバリゼーション』(2005)といった邦訳書を持っています。Learning Across Borders: Moving Organizational Patterns across Societiesと題されたこの特別講義では,組織パターンが外国に移植される際の変化とその意味について,ディズニーランド,明治日本への警察制度の移植,日本的経営における品質管理等の興味深く分かりやすい事例を用いて平易に解説がなされ,学生との間で活発な質疑応答がなされました。